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まあだいたいに於いて
君のことを考えている時間というのは
さして忙しくもなく
またさほど疲れてもいない時なのだろう
逢いたいなとか
声が聞きたいなとか
そんな
他愛もないことを
....
その喉に包丁を突き立て
縦に腹をかっ捌く
はらわたを引きずり出して
下半身を切り落とす
心臓を握り潰し
顔は判別がつかなくなる程度に切り刻む
あれは私の ....
脆弱な夜は微かな光にさえ怯えて
僕を守る暗幕はいともたやすく引き裂かれる
路地裏の隙間に残る闇の中へ逃げ込んでも
サーチライトは執拗に僕を見つける
僕はただ安息が欲しいだけ ....
落日の都は燦然と輝く
埋もれた過去は地平線に映えて
私もいつかは塵芥となり
風に消えゆく
その時
私は叫ぶのだろう
生きた、と
私は生きていたのだと
....
海へ行こう
冬の、風の穏やかな日に
波の音がすべてを包み
古い貝殻からは異国の歌が聞こえる
覗き込んだ水底には静寂とざわめく生命が
見上げた空はどこまでも突き抜けて青く
足跡は消え ....