自然と××を笑う
アラガイs


!「タッチダウンゴール!」!
そう言うと、この小さな動物は太い幹のエサに飛びついた 。
手にしたときの崩れた笑顔はサクランボのようだった 。
笑うのに理由がいるだろうか。校庭の隅で始まる体育の授業は手旗信号を整えることから始まる。必ずひとりはおっちょこちょいな奴がいるものだから、同じ箇所をいつも同じリズムで間違うのは理屈抜きにみてもおもしろかった 。
国語の授業になると居眠りをしては呼びすてられていた奴は、今頃どうしているのだろう 。
なんとなく指されるのがわかっていながら、わざと居眠りをしていたへそ曲がり。笑わせて何を得たのか 。
そんな風景も二度とよみがえってはこない 。
鏡に映し出される対照の、誰?
誰を?ひとり眉間にしわを拵えてみたり
作り笑顔が思い出せなくなったこの頃
(笑っている自分を伝えられないそれは醜いことでしょう)
あなたからそう言われそうで、無理やり自然を理由に付け加えてみたり
「××で!」
俯いて、ベソを書きながら、ときには頷いて
そんなとき俺は自分の人生を笑ってやればいい
!笑え!「空を映し出す森の緑よ」
木漏れ陽が微笑みかける偽りのない風
獣たちが動きだせば太い幹の枝も自然と揺れる 。











自由詩 自然と××を笑う Copyright アラガイs 2013-04-27 05:49:58
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