ゆきむし

川へと行く人たちに混ざれば
わたしたちの足取りは浮かび上がり
闇はますます闇に
わたしたちは手に提灯を提げて
川へと向かう
夏の夜は重なり
昨年の夏も、一昨年の夏も
隣どおし

自分が死んだら毎年川まで見送ってくれ
父を見送るあなたはそう言いました

藍色の夏の夜は
わたしとあなた、隣どおし
ひとつ提灯を提げて
横に並んで川まで歩きます


自由詩Copyright ゆきむし 2015-03-04 14:11:58
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