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歩いて通勤していると、
毎朝すれ違う女の人がいた。

今の嫁。

そして今日もまた、
歩いて通勤していると、
毎朝すれ違う女の人がいる。

この人は、
誰の嫁になるのだろう ....
今日の雄物川河口は、
ふだん海ではないところも海になっていて、
早々に退散してきました。

海はとても情熱的な生き物だ。

昨日は愛していると言っていたのに、
今日は殺してやると言っている。
仕事帰り、新国道のバス停で、暴風雪の中、帰りのバスを待つ。

待っても待っても来ないバスを、暴風雪に耐えながら待つ。

どこから来たのだろう、バス停に、はたちくらいの若者ひとり、やって来て、私 ....
お金持ちの子供で
休日のたびに
他所にクルマで
親に遊びにつれていかれた

月曜日
学校に行くと

どこにも遊びに
つれてもらえなかった
友だちがいる

親が仕事で ....
今日一日が人生だとしたら

今は午後八時だから
八十歳である

九時になったら九十歳
十時になったら百歳

もはや宿題ができる年齢ではない

だからこそ
せめてお昼ご ....
いくらの軍艦巻に
乗組員、数十名

生まれることを許されなかった
鮭の卵たち

テレビのニュースに
独裁者

彼を許すまじと
人々はその軍艦巻を
一口にほおばりながら ....
蝿よ
そんなに酒が飲みたかったのか

その小さな体で
グラスの焼酎を
飲めるとでも思ったのか
かつて君が人間だった頃のように

蝿よ
君はもう人間ではなかった
そんなこ ....
三年前、秋田に帰ることを決めた日にも、父は空に現れた。
辰年生まれの、亡くなったはずの父が、夏の空に浮かぶ、龍の形をした雲になって。
それから三年後の今日も、父は空に現れた。
一度だけ、雷の音が ....
古本屋で買ってきた
詩集の頁に
銀行の明細書が挟まっていた

お取引金額二千円
手数料百五円
お取引後残高十六円

そう記された明細書が
栞のように
詩集に挟まっていた ....
なんだろな
被災地つらかろに
思って見てたら

こっちも同じ
つらさがあるよ
と思いはじめていた

だから
そこにいたら
あかんよと

いつしか
おしえられる立場 ....
新しい財布を買ってから
不思議なことに
お金に困らなくなった

迷信かもしれないけど

新しい財布を買ってから
人でなしになることもあったけど
人になることもできた

 ....
死んでみてわかった

あの世の消費税は
100%なんだよと
父が逃げるようにこの世に帰ってきた

それが私の息子だ

あの世でも
何かを消費しなければ
生きていけないら ....
物語を消費するために
私たちは生きている
今日も悲しい話をありがとう
困難を乗り越えた話
本当にどうもありがとう
感動してる
だから明日もがんばれる
がんばれると思う
明日 ....
道ばたに
若いビジネスマンが
うずくまっている

心配して声をかけると
苦しそうな顔をして
ほとんど象になりかけていた

大丈夫です
と、忙しそうに立ち上がり
がんばっ ....
人は殺しあった
動物も殺しあった

植物もまた
日向と日陰に生まれ
殺しあうつもりもなく

日陰の植物は死に
日向の植物は育った

人は人を殺すために
生まれてきたの ....
とても懐かしいものを見た

男の子が女の子の
スカートめくりをしている

スカートのむこうに
何かがあるのだ

あれは
永遠の命を求める
行為なのではないだろうか

 ....
蕎麦は好きなのに
蕎麦茶はだめである

蕎麦屋に行って
おすすめですと出された
蕎麦茶を飲む

すると無意識に
身体が震えてきて
腕に蕁麻疹があらわれるのである

こ ....
 
 
おかねがなくて
じかんもないひとは
いつもおこられてるみたいだ

おかねがあって
じかんもあるひとは
いつもおこってるみたいだ

またせるひとと
またされてるひと

 ....
こどもが
しょくばにやってきた

こんにちはといって
やってきた

このくつのひといますかと
しょくばのひとにきいた

おこさんきてるよと
しょくばのひとがいった

 ....
生まれた家よりも
外での暮らしが長くなると
前世のことのように思えてくる

たしかに今
それはあるんだけど
幻に見えてくる

今度のお盆は
最後の帰省になる

これで ....
ペットショップで
赤ちゃんを買ってきた
うまく育てれば二十年生きますと
ペットショップの人に言われた
赤ちゃんはかわいかった
けど次第におとなになって
すねたりして
おとなし ....
こどもとさんぽしてると
へんなところでそだってるよ
とおしえてくれる

おとなにみえないものが
みえるんだね

きになって
しかたがないんだね

おとなにみえないもの
それはみえないのではなく ....
 
 
職場に行くと
体臭が匂うと言われる

みなマスクをしている
それほど匂うらしい

家に帰ると
息子が帰りを迎えてくれる

お父さん、臭いか
と尋ねる

息子は
う ....
身体があるふりをして
ハンバーガーを買う

ハンバーガーも
高くなったものだなと
口もないのに呟いて

列に並ぶ
そのたびに
列に弾かれてしまう

ハンバーガーも
 ....
 
 
こおりをわる
こおりをわる

ほねをひろう
ほねをひろう

ふゆをほうむる
ひとをほうむる

ふゆをじょうぶつさせる
ひとをじょうぶつさせる

ことばなく
こおりをわりつづける

ことばなく
 ....
商人だった父が
売り場に行くたびに
まだ高い
勉強が足りないねと
売り場の人を困らせていた

その日から
足りなかった
売り場の人の勉強は
進化していった

その進化 ....
 
 
こおりをわる
こおりをわる

ほねをひろう
ほねをひろう

ふゆをほうむる
ひとをほうむる

ふゆをじょうぶつさせる
ひとをじょうぶつさせる

ことばなく
こおり ....
富裕層も貧困層も
ギャンブルに
夢中になっている

働くことで
お金を得ることが
当たり前だった時代
街は輝いていた

人の笑顔も輝いていた
悲しみもまた
気持ちを希 ....
子供が眠りたがらないのは
今日という日の人生を
終わらせたくないからだ

今日は放課後
お友だちと遊んだけれど
お父さんとまだ遊んでいない
お母さんとまだお話をしていない
 ....
雪国で暮らすものにとって
春の訪れの
このうきうきとした高揚感は
何とも言い表し難い
特別な喜びであると
つくづく思う

春はお祭り
殿上 童さんの小川 葉さんおすすめリスト(70)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 小川 葉自由詩3*16-2-9
- 小川 葉携帯写真+ ...715-5-7
バス停の青年- 小川 葉携帯写真+ ...415-2-10
街に帰る- 小川 葉自由詩414-11-13
宿題をやらない子供に- 小川 葉自由詩514-11-9
寿司桶- 小川 葉自由詩514-11-3
蝿よ- 小川 葉自由詩514-11-2
メッセージ- 小川 葉自由詩514-7-14
- 小川 葉自由詩714-6-18
せやな- 小川 葉自由詩914-5-9
新しい財布- 小川 葉自由詩12*14-5-3
消費税- 小川 葉自由詩714-4-2
物語- 小川 葉自由詩314-3-20
象さん- 小川 葉自由詩814-2-28
一瞬の、平和- 小川 葉自由詩614-2-24
スカートめくり- 小川 葉自由詩313-8-10
アレルギー- 小川 葉自由詩513-8-6
よぞらのおかね- 小川 葉自由詩313-7-20
- 小川 葉自由詩1213-7-20
- 小川 葉自由詩913-7-17
天寿- 小川 葉自由詩813-7-2
へんなところでそだってる- 小川 葉携帯写真+ ...713-6-18
加齢臭の季節- 小川 葉自由詩6*13-4-23
列に並ぶ- 小川 葉自由詩213-3-22
冬の骨- 小川 葉携帯写真+ ...4*13-3-12
勉強- 小川 葉自由詩613-3-9
氷割り- 小川 葉自由詩6*13-3-8
ギャンブル- 小川 葉自由詩613-3-6
夜更かし- 小川 葉自由詩1313-3-4
- 小川 葉携帯写真+ ...413-3-1

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