落とし穴
朧月

陥れようと
掘った穴に自分の足を喰われる

ゆかいな事件だが
後をたたない

のさばる犯人の名前は
憎しみ
醜い 顔をして
人を恨んでる

悪意は まるで麻薬
綺麗な心は なくしたわけでなく
たまねぎのよに見えない芯にあるのさ

憎しみを
飼い慣らすつもりで
手を噛まれたのさ

あけた穴の場所を
うまい具合に忘れる
もう逃れられない

麻薬の力を
洗い流せるのは
ゆるすという言葉だけ

おちればいい そんな薄笑い
目があった鏡の自分の
目をなぜそらすのか
穴も埋めずに


自由詩 落とし穴 Copyright 朧月 2010-01-31 21:06:37
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