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雨はアスファルトを強く打ち付ける
悲痛な叫び声にも似たあの音は
彼らの怒りだろうか

天に召され土に還る
人間も雨もむかしはひとつ同じものだった
向こうの空はもうすでに暗くなりかけている
太陽がビルの横顔をしゅ色に燃やしている
燃えかすの灰みたいな雲が
今日の寝床をさがしてただよっている

泣き出しそうな指先は
握りしめずに
どう ....
安い服を何枚も持つよりも
高価なお気に入りを一枚
好きなものを大切に
とは言うけれど
やっぱり数には惹かれるし
お気に入りだって
毎日着てればくたびれる
第一 本当に大切なものって
ど ....
スクランブル交差点で
あんなに密になって
からだをぶつけあったのに
ほんの数秒あとは
知らないひと

彼らにも
胃袋があり
腹もすくだろうし
彼らにも
青臭い過去があって
初恋に ....
夜が老けていく
空一面の宝石も
絹のベールも
美しく着飾るだけでは
若々しくいられないように

夜が老けていく
ダイヤモンドよりも輝かしく
黒玉よりも深い悲しみ
年を重ねるということ ....
バスガイドのお姉さんが
窓の外の一点を指して
あすこに見える工場の群れは
一年中休まず働いておるんですよ
と言った

あそこでは
昼も夜も絶え間なく
正義と悪をびん詰めにして
世界中 ....
冬のすばらしく美しい月を
蛍光灯のようだと例える
私のさびしい語彙たち

宇宙に電気を通せば
きっとあのように輝くのだろう

文明に毒された私の脳
川で河童と出会った
溺れているところを助けてやると
河童は猛烈に怒りだした
どうやら河童はクロールの練習をしていたらしい
河童のくせに生意気だ
このからだは小さすぎるから
わたしの心はきゅうきゅうに詰められて
ときどききりきりと痛む

心は納まりきらない
だから悲しみが涙に変わって
あふれてゆく

あふれたあとの乾燥したこころ ....
子供のすがたのまま
死んでゆけたなら
毎日が
暑い夏の午後で
おわらない
夏休みのはじまりであってほしい

冬を越えるたび
人は年をとる
心に積もった苦悩や悲しみを
顔のしわに変え ....
わたしはいわし
網の中の一匹
それぞれに
名前をつけてやることは
できなくもないが
漁師さんにすら
覚えてもらえないのは
考えるまでもない

わたしはいわし
あがいて、もがいて、
 ....
心は自前
体はもらいもの

心は思い
体は思われる

心と体
違いがあるから
うまくひっついている
最初から
ジェットコースターに乗るつもりだった
受精卵のころからね

福笑いの人生
ちょっとおかしくても
笑い飛ばしてもいい
宇宙飛行士が浮遊する
あてもなく 
母船と彼をつなぐ命綱は
へその緒で
きっと彼は赤ん坊
これから
地球へ
これから
誰かに
会いにいくのだ
私の声を無視するな
お前は背中で語る男にはなれない
お前の心の叫びが
私には聞こえないから

わかってほしいのなら
心の中身を
わかりにくくするな
わかってほしくないのなら
私の前で ....
私は非力
微生物は生きる理由を知っていて
どうぶつたちも
かれらを食べる理由を知っている

私は非力
微生物のように
他人のために生きることもできねば
どうぶつたちのように
つながり ....
微生物にとって
わたしのお腹の柔突起は
きっとかれらの全て

微生物は
生まれてから死ぬまで
わたしの姿形を知らずに
過ごすのだろう
ブルドーザーがやってきて
まるごとごっそり
私の悲しみを
持っていってくれないかなあ

タンクローリがやってきて
あふれるぐらいたっぷりと
私の心を
満タンにしてくれないかなあ
布団の中で広げた架空の地図さえも
ままならない
実際の世界は
もっと歯がゆい


おい魔物
わたしの胸に居座るのなら
おまえの目で
見えるものはいったいなんなのか


吐き溜め ....
おなじ影を踏んできた

きみの影の長さを
わたしはとてもよく知っている
光に射抜かれたきみが
どんな影をしているのかさえも

例えば冬の優しい日差しや
夏の真夜中の蛍光灯に照らされて
 ....
人間のからだは小さな宇宙
シナプスから毛細血管まで
うちに刻まれた年輪や
おもてに印されたしわさえも
百科事典で読んだ
宇宙のページをそっくりそのまま
模写したみたい
夜の遊園地で
忘れられたこどもが泣いている
メリーゴーラウンドのうえ
コースターの支柱のかげ
観覧車の箱のなか
夜の遊園地に
忘れられたこどもは
こどもの姿のまま

たそがれ
台所 ....
昨日の晩ご飯は覚えていないけど
二十年前のミチ子ちゃんの顔はありありと思い出せる
テニスボールを追いかけていた彼女のふともも

わたしが思うに、
頭の中には
博覧会が開かれていて
ペキン ....
ひとは細胞のパッチワーク
わたしはどこから生まれ
どこから来たのだろう

最初からここに居たのではなくて
首を垂らして歩けば
私の影で縁取られた道路が見える
雨上がり、ミミズが這い上がって
そこいら中でダイイング・メッセージ
無性に腹が立って
傘をぶん投げる

私のこと、好きになってくれよ
先生が窓を開けた
宇宙に抱かれた教室は
零れそうなほどたわわに実った星の下で
たった一棟

冷たい風を鼻孔に満たして
それは冬の前兆
そんなにおいがした
つゆは丸く形をつくって
朝陽を微かに帯びる
土が膨らみ そこから
産毛の生えた芽が覚める
畝を越えて川を走り
山を駆けて峠をとびこえ
叫び声をあげて黙りながら
静かに賑やかに厳かにばかば ....
日焼け止めを嗅いで思う潮のにおい
白黒はっきりつけようじゃないか二の腕の日焼け
日焼け対策を怠れば手の平手の甲まるでお猿のよう
腹だけは未だ純白のままビキニなんて着れないもの
背中はノータッチ ....
リズム感のない
遠慮がちな
小心者で
プライドだけは高い
私の分身
へんしんを待ちわびる親指
ふたりは密着している。お互いの鼓動が伝わりそうなほどに密着している。あいにく外では雨が降っていて、そんな微かな音は聞こえない。だからふたりはくっつきあっていることに気付いていない。どちらか一方は低体温 ....
殿上 童さんのマフラーマンさんおすすめリスト(49)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かえりたい- マフラー ...自由詩112-7-9
陽が落ちたらおうちへ帰ろう- マフラー ...自由詩2*12-6-5
ないものねだり- マフラー ...自由詩1*12-4-23
スクランブル交差点- マフラー ...自由詩3*12-3-30
老化- マフラー ...自由詩4*12-3-22
既製品- マフラー ...自由詩2*12-2-5
- マフラー ...自由詩612-1-26
河童- マフラー ...自由詩2+*12-1-12
密閉したこころ- マフラー ...自由詩5*12-1-11
越冬- マフラー ...自由詩6*12-1-7
わたしはいわし- マフラー ...自由詩5*12-1-4
心と体の違い- マフラー ...自由詩4*12-1-3
ジェットコースターに乗って- マフラー ...自由詩4*12-1-1
人体小宇宙- マフラー ...自由詩7*11-12-28
馬鹿やろうふたり- マフラー ...自由詩3*11-12-25
非力- マフラー ...自由詩2*11-12-16
微生物の世界- マフラー ...自由詩8*11-12-6
ブルドーザー_タンクローリ- マフラー ...自由詩5*11-12-2
歯がゆさと切望- マフラー ...自由詩3*11-11-29
- マフラー ...自由詩4*11-11-25
からだのふしぎ- マフラー ...自由詩1*11-11-6
迷子になったまま大人になってしまった- マフラー ...自由詩8*11-11-3
脳内博覧会- マフラー ...自由詩3*11-10-24
細胞のパッチワーク- マフラー ...自由詩2*11-10-7
青春の苛立- マフラー ...自由詩4*11-10-3
実りの- マフラー ...自由詩3*11-10-2
めざめ- マフラー ...自由詩7*11-9-4
日焼けの夏- マフラー ...自由詩3*11-8-10
現在センターに受信メールはありません- マフラー ...自由詩1*11-6-19
共依存- マフラー ...自由詩2*11-6-10

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