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扇風機の前で
アイスキャンディを片手に
あああと言う
気まぐれ
その振動する声が
遠い青空の積乱雲を
かすかに
揺らす



しあわせな抜殻が
あちこちで彫像となっていて
 ....
君のために雨のなか
スーパーへ水菜を買いに行った
料理用の鋏を入れて
細い翡翠色のくきも緑の葉も
みんなガラス容器にあけて
たったそれだけのサラダ
台所には オリーブオイルしか
ないよ
 ....
春だね
言の葉も芽吹く 春だね
口元の
笑うたびに開く傷跡を
春だねって
嬉しそうに
血のあとをこすりながら。
重たいシャツを脱ぎ捨てて
ぬるい水の中へ
ふと思い出したように
墜落 ....
波うちぎわをみていた
よせてかえす、
よせてはかえす波のふち
足をあらい
かぼそい時を分断し
つまらぬ生きものを
生かしていた

視線をあげて
ふと見た
あかるくあおい
水平線
 ....
胸の中央の縫合痕から
たらたらと零れるなまぬるい銀の水
銀色のバケツにそれを掬いだして
部屋中に並べたら 足の踏み場もなくなった。

音もなく流れ続ける温い銀の水
部屋中に並べられた純銀バ ....
かぞえる
今コーヒーカップに落とす角砂糖を
喫茶店のドアで涼やかに鳴ったベルの音(ね)を
雨上がりの街角で曲がった回数を
巻き戻して
振り返って

かぞえる
音がとぶまでCDを回した数 ....
うすい埃を蛾のはばたきが払う
ちらちら光る暗がり
息をしている
なにか
(ここにある)
遠いいきもの。

箱を開けて
そこが空なら
びんの底に
わずかに残るソーダの輝く。

あ ....
しゃがみこむ
水滴をびっしり帯びた
つめたい床

うす緑いろに
無感動に すきとおる

指先に 細い鎖をからめて
栓を ぬく。

あなたは
どこから来たのか

つまり
近く ....
悲しいのはあたりまえだ、僕は今
ちいさな墓をつくっているのだから

悲しいのはあたりまえだ、僕は今
そこに子供を埋めようとしているのだから

悲しいのはあたりまえだ、僕が今
埋めようとし ....
絶望と希望はいちにち一往復が限界だった
苺のような滴りに身をゆだねながら
時を呼びよせる甘い夢をみている

木から落ちてゆく大きな白い花びら
スローモーションの重みの永続
僕の傷口で虫たち ....
黒土、
氷晶、
霜柱。
霰ころがり。

新芽、
日光、
桜花。
小鳥のあしあと。

葉桜、
新緑、
にわか雨。
翡翠に息吹き。

抜殻、
枯草、
弦の月。
涙しみこ ....
昨日は小石を拾って歩き
そのいくつかを空き缶にしまい
いくつかで池の平和を乱し
残りにズボンのポケットをやぶられた

今朝は花を摘みとって歩き
少しを家の花瓶にさして
多くは風邪のあの子 ....
こよい 空は銀の帯をすべらせ
欠け月を髪に飾る

{ルビ鞣=なめ}された夜の下で
仄かに光りながら伸びる翡翠の茎
その先端に やがて冠のように開く
月光を凝らした白い花
ひとしずくの涙を ....
だれもいない浜辺
雲たれこめる朝

ざらざらの風が
砂を散らし

灰色のながれ木は
憧れの骨のよう

足跡をひとくみ
ためらいながら綴る、

消せないのですね
そうかと思えば ....
ベンチに腰かけた迷子は
それでも平気な顔をして
赤と黄のうずまきキャンディをなめていた

古ぼけた観覧車が
いくつかの嗚咽を乗せてまわっていて
美しい馬たちはまばたきもせず
ただ同じ無言 ....
力を籠め
直角を形作る釘を抜く

秋の初めの陽射し
うっすらと汗をかき
 N釘 和釘 五寸釘
 丸釘 ステープル
 亜鉛鍍金(めっき)の太め釘
あらゆる釘を抜いてしまう
すると匣(は ....
十月頭の、すこし遅い花火大会
人類の都合なんて知ったことじゃないだろうけど
心配されていた天候もなんとか持ちこたえ
おくれて辿り着いた夜空には
縁日で売られている玩具みたいな
いろとりどりの ....
天と地のあいだ
きらめく銀の針

天と地をぬうように
めぐらす細き糸

天が地を呼ぶ声
地が天を呼ぶ声

狂おしい声のこだまの中
全身を打たれるままに

ぬいとじられてしまえば ....
ぴったり身を寄せ合った 納豆の一群れ
豆たちが落ち着くまで 箸でかき混ぜかき混ぜ
必ず偶数になるよう 持ち上げて口へ運ぶ
母子 母子
一組も 引き離されてはならないと
妙なことを思って 偶数 ....
微笑みの外骨格を
こじ開けて
嘘のガラス転移点を探り
じっと観察しながら
ビュレットから始める
とある愛の滴定

被験体は少し
怯えているようだ

手袋をはずして
華奢な頸椎をか ....
こどもたちの柔かい足のうら
パンのくず
魚、いるかな?

丸い5つの指を持つ足のうら
太古の感動を砂に記し
波の中の気泡に笑う

こどもたちの小さな足のうら
血管の美しくすきとおるそ ....
あなたの
心臓が折れ砕ける音が
夜をかき鳴らした

それが
悲劇的な和音を持っていて
ライオンが応えて鳴いた

生きるには冷たすぎる血を持つものが
死ぬのには熱すぎる血を持つものに
 ....
夜の境界の細いガラス線
危うく立ち 薄目をひらき
沈黙の表面張力 声は貝にねむり
とつぜんの風が雲を掃う、
月の咆哮が闇をきりさく
天秤座の右肩からこぼれ落ちる。
ことなる時間のせりあがる ....
{引用=一}

地面がないときは歩かない
そう決めてたっていうのに
地面がない
地面がない
地面がない
ぼくはこわくて ひたはしる

足がないときは歩けない
そう思ってたっていうの ....
浸水した夢を走る銀の列車
空洞の線路には星屑が降りつもり
ちいさな灯りの駅を次々に後方へ跳ね飛ばすたび
蔦草のからまる最深部へと
どこまでも潜り込んでゆく


顔の見えぬ乗客とふたり
 ....
わたしはでかけた
わたしの最大公約数を求め。
みっつのふしぎがおどる
わたしのまわりで、
しかたなさそうに手をつないで。

わたしはでかける
鏡の洞窟を通って。
おどるものたちも息をひ ....
  黄   新   か   行   音
  揚   緑   げ   け   泣
瑠璃羽振りて薫風わたるは夏呼ばふみづくき。  
  舞   る   森   憂   虫
  ひ   山   の  ....
やがて
色彩の和声も荼毘(だび)に伏されよう
弔鐘すでに熔けおち
あるいは
ふるびた博物館で骨組みをさらす古代魚
の、夢にすぎぬかもしれない夜の訪れ
時の基底膜を無音が
うち鳴らす。
 ....
にきたまの
ささめきと。
どろつちの
ちんもくと。
今宵の風も
黒雲をはらい。

にきたまの
ささめきと。
どろつちの
ちんもくと。
雨のよは
ほかになし。

黒蝶貝なる
 ....
さなぎの原はそらの土地
とうめいな樹木のつづらおり
千丈の根にうおの骨、
絡まるたおやかなうおの骨。
おまえを祝ってしんだのです。

さなぎの原は海のそら
わたる針金の雁の群れ
うすみ ....
殿上 童さんのつむさんおすすめリスト(33)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
隠れ鬼- つむ自由詩2*12-7-1
若菜- つむ自由詩12*12-4-17
- つむ自由詩3*12-4-17
望遠- つむ自由詩6*12-3-19
銀色の時- つむ自由詩1*12-3-15
かぞえる- つむ自由詩4*11-11-1
- つむ自由詩4*11-10-30
風呂の水を抜く- つむ自由詩3*11-10-28
悲しいのは- つむ自由詩2*11-10-24
振り子の夜- つむ自由詩5*11-10-21
地層- つむ自由詩4*11-10-21
届けもの- つむ自由詩5*11-10-17
月夜の額縁- つむ自由詩3*11-10-12
あまおと- つむ自由詩1*11-10-11
ラストアウェイ- つむ自由詩4*11-10-5
釘抜き- つむ自由詩6*11-10-3
花火- つむ自由詩1*11-10-1
はるのあめ- つむ自由詩3*11-9-30
納豆- つむ自由詩2*11-9-29
やさしさの化学実験- つむ自由詩8*11-9-28
浜辺にて- つむ自由詩4*11-9-27
返信- つむ自由詩2*11-9-25
天秤座- つむ自由詩6*11-9-25
だんごむしのロンド- つむ自由詩6*11-9-22
雨音の旅路- つむ自由詩4*11-9-21
わたしがでかけたあとに- つむ自由詩2*11-9-20
夏格子- つむ自由詩3*11-9-17
挽歌- つむ自由詩3*11-9-16
雨の夜に- つむ自由詩3*11-9-14
さなぎのはら- つむ自由詩4*11-9-12

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