「うむ、今は本国の指示を仰いでいる場合ではないな。
 現場の判断が最優先だ」ゴゴイス・リーゲは厳粛な口調で言う。
「それに、ラゴスには民兵どももいるのだ。その数がいかほどか。
 おそらく、三万人 ....
結局、ナハテ・イルヴァの丘へと辿り着けたアースランテ兵は、
三万五千ほどだった。ルブルス河の南岸にいあわせた友軍と合わせて、四万五千。
その間、連合軍による追撃は行われなかった。
双方ともに、こ ....
アースランテの撤退、それはむしろ潰走と言っても良かった。
ゴゴイス・リーゲの率いる一軍は、
密集陣形でヒスフェル聖国の軍団を突き切って行く。
その間にもヒスフェル聖国の魔導士団の攻撃は続いていた ....
ゴゴイス・リーゲの率いるアースランテの一軍は、
ヒスフェル聖国の正規軍に向かって、真っ直ぐと突き進んで行った。
「相手を弱小集団と思うな、強力な魔力を持っていると思え」
ゴゴイスのその言葉通り、 ....
そのころ、戦士エイソスはアイソニアの騎士の姿を探していた。
自国のために、と考えるエミル・アザルとは、一線を画した目的を、
戦士エイソスは持っていたのである。
それはもちろん、アイソニアの騎士の ....
「全員、南進を止めよ。カバルナ・クー・ソランの結界が張られた!」
アースランテの臨時軍団長である、ゴゴイス・リーゲが叫んだ。
「それでは、どうなさいますか?」ゴゴイスの側近が尋ねる。
「西へ向か ....
戦いは混戦の模様に入っていた。そんな時に、
ヒスフェル聖国の偵察兵からの伝令が入る。
「アースランテの軍団長、エリス・ガザンデは戦死した模様です」
「何と? それでは、敵軍の指揮は今は誰が取って ....
アースランテ軍の正魔導士ハミルは、一頭のドラゴンを召喚した。
「まさか! この魔法素子が薄くなっている時に!」オスファハンは叫ぶ。
敵軍は、初めから撤退を決めていたのである。
アースランテ軍は、 ....
戦史とはイロニーな語りだ。
とても全史などでは記述できない。

T34戦車は自分にとってなつかしい。
模型がすべてだった少年時代。

ロシア史もウクライナ史も単独の歴史にすぎない。
 ....
二〇二〇年五月一日 「柴田 望さん」


 柴田 望さんから、同人詩誌『フラジゃイル』第8号を送っていただいた。お名前を知ってる方から知らない方まで、20名以上の方たちの作品が載っている。紙の質 ....
乗れないはずの船だった

意地になってもわかっている
もう負けたことくらい

干からびることのない海の上で
船はまだ心を留めている

消したい過去さえ綺麗な夜に
逃げ込んだ夢の中
 ....
そんな時である。オスファハンがヒアシム・カインの光を見たのは。
「これはエインスベルの仕業だ、間違いない」
オスファハンは、騎馬に乗ってエインスベルの元へと、
駆けつける。「今すぐその呪文を止め ....
そのころ、というよりもその少し前、
ヒスフェル聖国軍は、ラゴス・クールラント連合軍の
南西に布陣していた。遊撃隊の役目を果たすためである。
敵兵の数は、こちらの戦力のほぼ倍である。

もしも ....
エミル・アザルに近づいていった数名の兵士は、
ウーラ・フラグによって、命を落とした。焼け死んだのである。
ウーラ・フラグの炎はさらに広がる。
アースランテ軍の兵士はじりじりと後退する。

「 ....
夢売るかいじゅうに夢見られたくて 水溶性のチケットを握りしめた夏

穴空きズームで遠くを見てるようなぼくの毎日から
声がする

きっとまた会える あの日みたいにハルゼミの鳴き声が 雨が また ....
「不遜な言葉を吐きますな。あなたは無双だとでも言うのでしょうか」
エミル・アザルはエリス・ガザンデに向かって話しかける。
「……あなたの命は守ってみせます!」そう言って、
まずは、護衛兵の二人が ....
エリス・ガザンデは包囲陣を完成させまいと、奮戦する。
「見よ、包囲陣の一端に穴が開いている。あそこを目指すのだ」
エリス・ガザンデは、味方のすべてに聞こえるように叫ぶ。
「あそこが、我々の救済の ....
乱戦の戦場では、戦術とともに戦略も大切である。
どこでどの部隊と落ち合うか、そして、どの方面に進軍するか。
アースランテの軍団長エリス・ガザンデは有能だった。
つねに、次の一歩のことを考えている ....
戦士エイソスは数十名の兵士たちをまとめあげた。
そして、敵陣に攻め込むための小隊を編成する。
そこに立ちはだかった者があった。アイソニアの騎士である。
「戦士エイソスよ、久しぶりだな」

ア ....
そんな折だった。戦士エイソスがこの戦場に到着したのは。
「何ということだ。もう、戦端が開かれているではないか。
 それに、我が方の軍勢のほうが有利に見えるが……」
戦士エイソスは訝しみつつ、見知 ....
エインスベルの魔法石はついに砕け散った。
魔法石は、悪しき方向に使われ続けると、消滅してしまうのである。
その様子を、オスファハンは哀れげに見つめていた。
しかし、エインスベルは違う。背嚢からク ....
繋がり

湯上がり

一人きり
ヒアシム・カインを放ちながら、エインスベルは笑っていた。
彼女が「カーガリンデの魔女」と呼ばれるようになった契機である。
もちろん、そこには恐れと軽蔑がないまぜになった、
感情が込められていた。 ....
アースランテの兵士たちは、その空間の裂け目に向かって、
次々と吸い込まれていく。その数、数百。
空間の裂け目は、虹色の球体のように見えた。
そして、徐々にその大きさを縮めてゆく。

数百名の ....
クールラントの軍勢は、連合軍の最後尾に陣取っていた。
これは、敵の挟み撃ちを防ぐためである。
しかし、敵は中央突破を図ってきた。なぜだろうか?
この戦場を、冷静に観察している者がいた。エインスベ ....
アースランテの兵士たちは、すでに九割ほどまでにその数を減らしていた。
「魔導士どもよ!」エリス・ガザンデが怒声を発する。
「クロノス・アリ・アランの呪文は使えるか? 敵兵だけにかけてほしいのだ」
 ....
アースランテ軍の頭上からは、炎の塊が降ってきた。
これは、ゼークト・ウラガ・ザインという範囲魔法である。
この魔法が命中する度に、数十名の兵士たちが犠牲になっていく。
「全員、走れ! 乱戦になれ ....
「ルブルス河の南岸には一万の兵を残せ。しかし、
 自ら砦を出てくるとは。敵には勝算があるということか?」
エリス・ガザンデは舌打ちしながら言う。
それに対して、シュティンガルトは淡々と告げる。
 ....
しかし、その使いは少々遅すぎたと言って良いだろう。
シュティンガルトは、エリス・ガザンデの御前に来て言った。
「敵本隊は、ヒスフェル聖国の軍団とともに、ナハテ・ガルの砦を
 出陣した模様です。そ ....
北辺に敵はいないようだった。そして、工兵たちは優秀だった。
およそ半日ほどで、いかだの橋を作り上げたのである。
そして、三時間ほどで全軍が向こう岸へと渡り終えた。
その間、敵の攻撃がなかったのは ....
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アースランテの潰走(二)- おぼろん自由詩1*22-5-10
アースランテの潰走(一)- おぼろん自由詩1*22-5-10
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連合軍の反撃(十六)- おぼろん自由詩2*22-5-5
連合軍の反撃(十五)- おぼろん自由詩1*22-5-5
連合軍の反撃(十四)- おぼろん自由詩1*22-5-5
連合軍の反撃(十三)- おぼろん自由詩1*22-5-4
連合軍の反撃(十二)- おぼろん自由詩1*22-5-4
連合軍の反撃(十一)- おぼろん自由詩1*22-5-4
連合軍の反撃(十)- おぼろん自由詩1*22-5-3
連合軍の反撃(九)- おぼろん自由詩1*22-5-3

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