『九月四日。まるっと』

    (作詩 ハァモニィベル / 原作 渚鳥)

   


この机の足下に

私の工作用の材料が入ったカゴが一個 ある。

それは 一人の人間の訪れ ....
公園には裸体がある
川のせせらぎの裸体に
虫の鳴き声の裸体
私もまた人間の裸形となって
身体中から言葉をこぼしていく
仕事の息継ぎのように
溺れまいとしてとった休暇
ここには社会がな ....
大歓喜せよ

単なる歓喜ではまるで足りない

そうだ

パッパッパッパッ、パッパッパッパッ、パッパッパッパッ、パアッーパアッー、

大歓喜せよ

浅い息

あぶら汗

目を ....
ある曇りの日の朝、公園の隅に穿たれたモグラ穴のようなものの中でおびただしい数の蜂が転がっている、それはみんな死んでいて艶を失くしている、いくつかのものはすでに炭化を始めている、木々の側で―木陰で、 .... カニの絵を描いていると
エンジンの吹かしがあり
ポケモンマスターのサトシが
やって来る
「ええ」が口癖の社長が
ジードを連れて来て
カニの絵を邪魔するから
私はエンジンの吹かしに
注意 ....
ウッドデッキの
木と木の間の細い隙間に
花びらがすすっと入っていくのを見た
少し離れたところから
目を凝らすと虫が抱えていたようだ
蟻にしては大きかった
ごく小さめの細身の黒っぽい蜂の ....
秋になったから
蝉はいないんだよ

でもお父さん
じゃあ蝉はどこにいっちゃったの

突然青く染まった向日葵

わたしは季節をまたいでまで生きるのかしら

狂うくらい
狂うくらい
 ....
海は水平線を
鋭利なナイフのように突きつけてくる
想い出は残照の別称であり
水のように浸る憂愁である

夏が去り
海岸には打ち上げ花火の残骸が
寄せ来る波間に漂っている
{ルビ流離=さ ....
さびしいというのは

状態としてはべつに悪いことではない

それに起因して

やがて悪い状態になるかもしれないというだけのことだ

だからさびしいということを

悲観的にとらえるこ ....
ガラス管のなかに生身をむりやりねじ込まれるみたいな感覚が長いこと続いていた、閉塞感なんて月並みな言葉で話しても良かったがいつだってそんなものに真実を語る力などない…そこら中をうろついてる、在りもののイ .... 静寂が欲しいんだ
朝いちばんの新鮮なやつ

誰もいない部屋で
ひとりきりの
井戸の底のような
ひんやりとした感覚

物音ひとつしない
しーんと静まり返った
おのれの心見張るように
 ....
未知へ
タクラマカン砂漠を越えて
間氷期のほそい水系が
稀有のしばりとなるあたり

雪豹の瞳 罅割れて凍る水晶体
天山山脈から崑崙山脈へと
迂回するいのちの循環 
毟り取られた緑の草原 ....
幸せになります
あーちゃんもね、って
何それ

今日ほど
私の二枚舌が
歯がゆかったことはない
私は

腕いっぱいに抱えた花を
思い切り
空へと投げ上げる

花は
みるみる ....
木が騒いでいる

風と葉擦れが波のよう

潮の香のない海のよう

虫が鳴いている

幾重に重なる星のよう

その音色が宇宙のよう


ぼくらはどこから来て

どこへ還るの ....
経験は尊い

苦難を背負うことで

他の痛みを知ることができる

と、

それがどうした、と

苦しみで他の痛みどころではない、と


我慢する必要などないのだ

他の痛 ....
かわいい小鳥が鳴いてゐる

かわいい小鳥が鳴くたびに

肩がずきりといたい


ええ わたしは鳥だつたんですよ


ひとのゐないところでは

いまでもときどき鳴 ....
大きな傷

心に付いた傷

ふさがらないと思った
傷は
月日が癒し

今は大きなかさぶた

時々
痛んだり
痒かったりする

チクチクして
剥がしたり ....
朝起きて朝食をとり
珈琲を飲む
テレビニュースは北朝鮮のミサイル問題
またか・・
息子はパソコンでゲームばかり
妻は持病で寝込んでいる
私は週末のテニスで汗を流す
相変わらず下手くそであ ....
青空に
雲だか僕だか
漂って
大きく息を吐いた
眩しくて
今度は急いで吸い込んだら
潮だか草の匂いが少しした
幸せだな
弱くなれない弱さがあることに気づいたとき
肌にしみこむように弱さが人に隠れていく

強いと弱いが両極にあるからと

全てのことを二極化にしてしまえば

きっとずっとそれに気づけない

 ....
塞がれた傷なら
新しいほど
ほの明るい

命と呼ぶには薄すぎる
生まれたばかりの緑の雲母は
はかなげに震える風の欠片

アスファルトに跳ね返る
光の刃が
明日には切り刻むだろう
 ....
シンフォニック・メタルを車内に流しながら早朝の峠道を走る。車体がカーブを曲がるごとに風景はうねり、木々も道路も正しさを見分けることができなくなっている。現実という熱い海に溺れながら社会的反射神 .... 八月に入って
夏の子が孵化した
春の子はカラスにやられて
しばらく空き家になっていたキジバトの巣
避暑に出かけたカラスがいない間に
夏の子はすくすくと育った
キジバトの巣は我が家のケヤキの ....
好きになっていく

好きになっていくと

ある朝そらに一面に

きみの胸像が浮かぶ

それはふたか宇宙だ

きっと宇宙のほうだ

好きになっていく


まだ蒸し暑いけれど ....
ジニーが死んだ
名前なんかつけたから
何度壊してやっても
やがてまた同じところに低く浮かんで
逃げもしないし
玄関横の
しろい壁とオキザリスの
プランターの間を斜めにつないで
全然邪魔 ....
なにも見えない
いいとこなんて見てない
そんなとこ見なかった
葉月。の海月から、棘言葉を聞いた。


雨水が海面を打ちつける、
飛び込み方、を間違えれば、打身。

そんな海原をみてい ....
「私は幸福である」と人は如何なる場合でも感じる事は可能だろうか?
以前、テレビで寝たきりの老人が「生かされているだけで幸せです」とおっしゃったのを見た。そういった心理は多幸感と言うそうだ。
私は驚 ....
水彩のように
やさしい それは儚い夢

水滴がひとしずく
滲み広がる ひとり浮遊する

白い光が渦を巻く
それは不思議

なんなのだろう
ここは何処なのか 風がふく

懐かしい ....
夏の暑い日
しょっぱいおっぱい飲みたい
ぼくは泣いているのに
どうしてひとり置いてくの

病気がちな ぼくを
病院まで連れて行く
握った手が いつもより固く繋がれて
いつもより ....
バーデン先生と
ワグナー先生が居た
叩かなくてもいいじゃんと
ブルマが買えーーんが口癖だった
風呂に閉じこもって言うのがバーデン先生
ストを決行しながら言うのがワグナー先生

まがい物が ....
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