世迷言をいうと言われても
心のまま、心のままよと
思って来ただけなので

何か間違ったのか
そう、何かは間違ったのだろう

日の本の国の
日が昇ろうと沈むもうと
何も感じ ....
「あの炎の柱は何だったのだ?」エインスベルは問う。
それに対して、盗賊ヨランは答えた。
「あれは、天界と地界とを結び付ける柱です。
 おそらくエランドルは、幽冥界のどこかにいるのでしょう」

 ....
「お前はこの現世を滅ぼす、エインスベルよ」恐ろしい声が再び言った。
「お前が何者であろうとも、わたしはお前に与することはない」
エインスベルは果敢に答えた。その傍らで、
盗賊ヨランは言ったのだっ ....
思想的骨格なんてないんだ
生活の輪郭は薄葉のように
透けて見えているさ

命の混迷はシナプスの独語にすぎない
教育は幸せの基礎を教えてくれる

ルール。道徳。
大好きな理科。

ち ....
・不安定なかたちをしている、夜に咳き込む

・冬の陰影が換気扇に吸い込まれてゆく、最後の煙草に火をつける

・不眠症の薄明かりだ、無理やり布団に引き込む

・おわりの星の話を聞いてやる、星 ....
 
青い山赤い山白い山

残酷にきらめいている春の川

スマフォほっぽり出して小さな旅

やっと目覚めたことの緑目にしみる

けさは食事も摂らず御神木の前

朝陽のぞむ、さくやの ....
透明にゆらぐ火炎の秋
あなたは雲り空の斎場で
ひとり密やかに焼かれた
紺色の重力を振り解き
垂直に あるいは
灰白の螺旋を描いて
懐かしい星の郷へ昇る
秋のフラグメント達
けれど残され ....
無数の鳥が羽を散らし 冬の花に熔けてゆく


羽音だけを残して



浅瀬に見え隠れする魚は鱗に触れる水を文字のように火で濡らす

揺れる水の傍らで
魚の影は濁り

流され ....
「実はわたしは、エランドル・エゴリスと会ったことがあるのです」
そのエインスベルの言葉は、予想外のことだった。
わたしは言う、「まさか。エランドルは三千前に死んだはずだ」
「しかし、わたしは確信 ....
「ガラセラの樹は聖霊タパスと密接な関係にある」
 わたしは言った。
「聖霊タパスとは、何人たりとも触れてはならない者なのだ」
「それまでの事情は心得ております」

エインスベルは顔色を変えず ....
詩を通じて
たましいの交流を
してくれる
みんなへ
ありがとうさま




{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
エインスベルがなぜ、ヒスフェル聖国を訪れて来たのか、
わたしは分からなかった。
ヒスフェル聖国はクールラントの北西にある国である。
敵国とはいかなくても、その関係は微妙であった。

しかも、 ....
我が名は、オスファハン。正魔導士であり、エインスンベルの師でもある。
これまでに書いて来たのが、彼女の復讐のおおよその顛末である。
今回の彼女の訪問も突然だった。すなわちエインスベルの来訪である。 ....
俺も60になる。
じつにいろいろなくしてきた。

育ちゆく過去でさへ
朽ちてゆく未来にも

信じるのは事実のみ。
あらゆる記述は虚構。

なにも戒めるつもりはない。
死ぬん ....
朝、温めたミルクの上の薄い膜に
ちいさな子どもたちの
つけた足跡を見つけると
その日、いち日中
胸の奥で
ちいさなサーカスが
開演するので

すこしうるさい
詩人はたまに発掘される
死人はときたま以外には埋葬される

しょーもない音楽が僕のちからならば
ときどきとおるきみの声がとてもいい

貫通しないトンネルはいまもあって
とても大好きな僕の ....
何もかもが
ゆるされていくような
冬のおわりの鍵穴を覗くと
幼い春が
喃語でつかまり立ち
(あ、ぶぅ。)
ひらかれてゆく胸のうちでは
とても鼻のきく仔犬が
雨をより分ける

雨上が ....
温水をながす 皿 皿 皿

皿洗いおえてひとりの炬燵

妻を眠らせ寝室の扉を閉じる

することもなく妻の偉大さをおもう

つかれた今日を中空におもう

明日も仕事の、ふくらはぎ ....
二〇一九年五月一日 「パソコンを買い替えたので」


 パソコンを買い替えたので、ネット接続がいちいち面倒なことになっている。ルーターがくるまで、パソコンを使わないので、4、5日か、一週間ほど、 ....
いまの幸福は詩が書けるということ。
今日の不幸は誕生日だということ。

ことしはまだ万馬券ないのよ。
だからパソコン買えないのよね。

コレラでころっとヘーゲルは死んだ。
コロナで哲 ....
ありがとう銀の指輪の傷光り見つめてゆれる 青空一つ






{引用=「角川歌壇」2022年二月号分
水原紫苑先生選 佳作}
特にこれといって上手く続けられる仕事もなく、思い出したように働いては数日後には辞めている俺たちにとって、のんびりとしけこめるモーテルなんかあるわけもなく、だから俺たちはいつでもなんとかガソリン代だけを .... 風呂に沈んだ
身体が遺跡に見えた。

柱のように突き出た腕。
その虚像は
透明になって
水底を示す。

膝小僧の下に沈む
屈折した太もも。

揺らめき
遠くて
藻が生えるくら ....
そのころ、戦士エイソスは祭司クーラスと密接な関係にあった。
リュシクイアの戦いが終わった後、彼は聖騎士に任命されたのである。
戦士エイソスも、祭司クーラスとアイソニアの騎士とが、
互いに嫌悪しあ ....
カーガリンデに帰着したエインスベルを待ち受けていたのは、
戦士エイソスの来訪だった。
戦士エイソスは、荒々しく扉を開けながら、
エインスベルの居宅に飛び込んできた。

「奴はどこだ!?」
 ....
雪は身じろぎもせず降っていた
無人駅のホームはすでに雪で埋め尽くされ
その明るさはほんのりと
ともし火のように浮かんでいた

ストーブを消し、鍵を閉める
無人駅の除雪番からの帰りしな
積 ....
血のつながりを絶対化していた時代は
過ぎ去った!
跡取りもいなくなった!
また、一時期愛が血に取って代わろうとしたが
幻想に終わった!
今は家族は
何でつながっているのだろうか
お金だろ ....
ユーラディアの谷を行く、エインスベルの足取りは重かった。
すでに、復讐を成し遂げてから三日の日にちが経つ。
そんなエインスベルの横顔を覗き込んで、アイソニアの騎士は言った。
「アースランテでは、 ....
アイソニアの騎士の亡命劇の裏側には、
ハザック・アザンの暗躍があった。
ハザックは、密偵として祭司クーラスに仕えていたが、
実はアースランテの国の密偵でもあったのである。

いわゆる、二重ス ....
炬燵でゆたりゆたりしてアイスコーヒー

汲めども汲めども 詩心はみずうみの如し

煙草の数をかぞえて(溜息)卓のうえに置いた

屈伸をしてけさの体の点検をする

おなかがグウ、と鳴 ....
ひだかたけしさんのおすすめリスト(7754)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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