瞳の奥の炎が揺れて
捉える差異、収集する印画紙
あなたの心は何処にもないし
永遠はわたしの中にもない
向日葵が項垂れ色を失っても
奪えない若さ、その感覚、愛を
運命のように色付けた
....
コンビニのレジで
その人は買い物の会計をしてもらいながら
周囲にわからないようにして
店員の女のこに
小さく折り畳んだ紙を渡した
という
女のこは一瞬困惑した表情をしたけれど
直ぐに ....
のいちきれすきころてんする
せいしんめっきんはわんだーにて
ろってんのぽいしんは
のうてん
いや、のうまんの
うてんで
うまうまして
にんげんのほんいとして
それはゆるされないような
....
大事なガラクタなくなっちゃった
あくまのかけらが霧散した
風船ひゅるひゅる抜けてって
泣き疲れた絶望が
すやすや寝息を立てる頃
諦めという
とろけるほどの優しい吐息をあげよう
....
女は男より先に起きて
朝食の支度して
出来たらまだ寝ている男のところにいって
耳元で甘く囁く「時間よ。あなた起きて朝ごはん食べて」
言いながら男の口に接吻した
そしてためらいながら「昨夜は良 ....
近くの 小料理屋の 前を
ゆっくりと 歩く猫
なんて言ってるのかなぁ
ちょっと 武士 みたい
おおむねは
不自然な酔っ払いのおじさんぽくもある
ふらふら〜 ....
視線が崩れる前の一瞬に
全てが分かるのです
空白の時を経て
前触れのない再会
触れる視線
数秒の差で
崩れ漂う
この一瞬に
私は恋をしていたのです
懐かしい人ではなく ....
緯線、経線、メロンパン。
惑星はベーカリーにて焼き上がる。
切り立った
山の岩場に転がった
死体の色した茜に空燃え
夢は夢、叶う月夜に散歩路
夢しぐれに泣く
瓦斯灯の街
御空につながる
血けぶる鷹の眼
霧けぶる
枯野に棄て去 ....
ほんとにうまいものを食べたかったら
普段は不味いもの食べてなさい
一人の女を愛し続けていたいなら
モテない男になりなさい
多数の女に好かれたら
一人じゃ満足しなくなるからさ
心 ....
夏の便箋が余ったので、君にお手紙。
手渡しは照れるので、冷蔵庫の卵の辺りに。
それは異常気象の極み
前兆は何もなく
学者も気象予報士も誰も予想出来なかった
それは異常気象の極みだった
そうとしか説明がつかない
それまで蒼くすみきっていた
九月の空から
....
月夜の庭の物陰で土と溶け合い
消失していく段ボールの記憶よ
何が盛られていたのか、空洞となって
久しく、思い返すことはないだろう
お前は満たされた器でなかったか
瑞々しい果実と野菜に陽の ....
通り過ぎていく物売りの声が
私を非難したのかと
過敏になる窓の隙間から
秋風がするりと
いかにもなれた振る舞いでカーテンを揺らし入り込む
今直面している重大な問題を
言い当てられた気 ....
標識は未だにない
グーグルマップも役に立たない
振り返ってみると
そこそこに長い路が見える
もちろん数多くの十字路も
その十字路で
選ぶ路を間違えたことも
いまになれば分かる
でも ....
小学2年生の娘が
透き通る夏休みの朝
お互いの似顔絵を描きあおうと
どこからか画用紙を持って来て
えんぴつの線で父を描きはじめる
父も娘のやわらかい顔の輪郭を描き
やがて瞳の奥に
父 ....
虫の音が
その訪れをささやき
雨粒に溶け込んだ
その香りが
地上の汚れを
清めながら
焼けついたものすべてを
冷やし
夏の暑さを
....
ぜったい有るって信じてた
子供と大人の境界線
現実は
体がかってに大人になって
心はそれを必死に追いかけた
オールナイトの映画館は
成人映画ばかりを上映してた
体がかってに大 ....
くだもの畑に産まれて大きくなった
訳じゃないの
ヒトに産まれて女に育った
あたし
中学校では
天然なのに縮れた髪が
校則に違反していると何度も注意された
髪色が黒くないからって
....
海は心臓
空は動脈
大気は細胞
雨は静脈
川も静脈
さびしがり屋の
きみに幸せだと
蓋してもらって
言わせたいんだ
海は心臓
空は動 ....
雨上がりの午後、この街の空は
どこまでも行けるように青かった
アスファルトの窪みでは水たまりが
信号のいらない雲の往来を映している
あそこに飛び込んでしまおうか
革靴なんか脱ぎ捨てて ....
なにも恐れず、ひょいと逆上がり。
宇宙飛行士になる夢、ひょいと叶う瞬間。
草原の彼方にあなたを見た
昨日の夢のように意味もなさずに
草の葉だけが知っているこの遠い既視
足もとがおぼつかなくなる
一羽の鳥が飛び立って空は青く
(わたしは行方知れずの夢 ....
何処かの公衆トイレの壁にされた
落書きみたいに
俺の体の中から卑猥な文字が消えないんだ
でも
男だって女だって誰だって
それは自然だろ
それにしても
女は化粧するし
丈 ....
一度や二度は誰だって
自分より弱い相手を見下して
意地悪したり
いじめたり
したことあるよね
俺みたいに
さんざんいじめられて踏みつけられた一人だって
自分より弱いと判断した相手には ....
手で計る
針二つをあわせたら
手首の傷にあわせたら
鈴の鳴く
辻の門に
風を捨てました
供養は茄子
風の通り道に、僕たちはいたんだ。
僕たちは風の援軍で、
風は僕たちのことを気にも留めなかった。
ああ、イチョウの葉が散ってゆく。
僕たちの小さな小さな逞しさは、
彼ら(風)にとっては ....
人の息と
息の間で
僕は
息をした
僕の息と
人の息の間で
君は息をした
僕の息と
君の息の間に
朝はあった
毎朝
朝があった
生きていれば良いこともあるさ ....
優しさが
流星のように降り注ぐ
あの《恋棄て》のあとの言の葉
清く堕ち
十字架が好きファッションで
汚れた愛がきらめく白銀
苦しみが
人の数だけある意味は
みん ....
人間の恐怖は死へと繋がっている
らしい
昨夜は
怖い夢を見た
と彼女が口にした
ユニットバスのなかで
お湯に二人は浸かっていた
夫婦和合の秘訣は
一緒に風呂に入る事だと
....
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