新鮮をたもつことはむずかしい
いつもそれはてもとから去ってゆく
この瞬間の永遠を画布に塗り込めて
とっても地球が重い日にぼくは
だれかの友達 になることを決めたんだ
彼もしくは彼女は ....
雄と雌
直ぐに想像がつきました
見た目に色の綺麗な蝶々がにひき
ひとつに繋がっていました
交尾してるのか
当然そう思いました
周囲は自然がいっぱいでした
街の喧騒から隔離された広 ....
あ、
歌が聴こえる
ほら、よく聴いてごらん
なんだかとても寂しげな歌だねえ
あなたには歌ってほしくないなあ
もしもあなたがこの歌を歌うときは
僕は何をしているんだろ ....
詩を書く
声にして言葉にせず
文字にたくす
叫ぶように
囁くように
人の見るものを見ず
見えないものを溺愛した
僕のなれの果てを
誰かに吐露するために
詩を書く
念じるように
....
太陽があまりに悲しい
あの永遠の寂寥のうちに
蒸発の悲鳴さえ許されないとは
風が、吹いている
あらゆるものの上にある空から
火と岩と水の星へと
そして冷たく聳えている街は
き ....
崖地から火葬場を見おろす2階建てアパートに生息した 夕焼けのもらい火が6月の風を駆り立てて死んだ
そんな風の噂
あくまでそんな 何処にも届かない声を追い立てた喉を 震わせて
6月から身を ....
ドーナツを食べて
函館へ
とあるドーナツ屋さんは
くだらない公約を
守ってくれた
なんてラッキーな星の下の二人なんだ
そんな幸せもの二人は
そんな安易な旅で
糸くずみたいな些細ない ....
犬が
ニコニコ笑って散歩しています
お日さまが
梅雨を乗り切り威張っています
夏は
爽やかなレモンが良く似合います
しかれども
それらはかりそめの
初夏の陽気なまひるの ....
六十四歳になってしまった
今更
文学への高い志しなんて持ってないよ
ただただ
インターネットいう海に
言葉の葦の舟で漕ぎ出しただけ
もしかしたらその行く末は
砂漠の果てに打ち上げられ ....
夕焼けよりにんげんのほうが美しかった
雨のうら側に月が輝いている
青灰いろのおとやあらしがぼくを舐める
理不尽をふたりが主張していた
どっちが正しいのだろう
ふたりと ....
おむつを替えるのも
今晩はこれが最後
しんどかったけど
今日も一人で
なんとかやり遂げた
昭和ひとケタ世代の
あのちっちゃくて
可愛いおばあちゃま
で
ラストだ
部屋にはボ ....
相変わらず、音楽ソフトを立ち上げ
ランダム・ソートを繰り返す。
早朝
雷鳥のから揚げを、夢中で食っていた。
突然のカミナリで、もう一個食い損ねた。
腹いせに、カミナリに怪獣まがい ....
季語は夏装い清楚なか卑猥
閉じている股間に夕日疎ましい
脱がないと愛し合えない春の宵
蕾から咲きこぼしたわませてたの
ぽつりぽつりと降る雨の中
ぽつんぽつんと灯るあかり
この世とあの世の境目で
どの道を歩けばいいのか迷う
迷えるのはまだ救いがあって
どの道を歩きたいのか選べる
だからまだ ....
てのひらに舞い降りた
やわらかなバケモノの息は冷たく
右腕に
重過ぎる
そのための花を抱えて
植物園の温室を目指すのは
そこが
恋愛の終焉だから
それを
好ましいと思ってしま ....
不安の数だけポプラの葉
空を隠し蠢動する
拒絶
あっちへ行けと
こっちへ来るなと
拒絶
俺はお前の
スカアトに隠れている
のに
パンティからの
白く割れた光
無言のまま
田舎へ
無言のまま
夜の新幹線
無言のまま
神は
地へと失神する
もう
言葉はないのです
日々の中にも
秋津島の昔語りにも
それなのに
....
言葉が空を切るばかりだ
のどやかな空の下
芝生がさらさらと
白銀の歌 うたう
静かな公園で
確かに僕は
あなたの名を
呼んだのだが
言葉はなかった
あれは ....
都市伝説じゃなかった。
文字通り、地方か田舎の伝説。だから、信じるもよし信じてくれなくてもいい。
俺の父親はちゃぶ台のひっくり返しが好きだったみたいだ。頑固一徹で癇癪持ちで我が儘で無類の酒好き ....
雨でひんやりした湿気の壁から声がした
私の錯覚が返事をした
夏を越えてぼんやり名月の香りがした
季節は空色に染まり風に運ばれてくる
差し支えのない刹那を1つ盗んで流れてゆく
ただ感覚1つ ....
極善人が死んだらしい。
きっと極悪人だと言っている奴は、
嗤っている・・・
執行人のように。
君は照れ屋で僕は無口で
青空の下で鳥の歌をつかまえて
草の香りを聞いていた
二人言葉はなくても
一つの時間の中にいた
若く美しい葉の隙間に見える
空を丸く切取ったような月を
....
夕焼けの公園で
見えるものすべてが
影絵になって
私は千切れそうな人形
鳥が巣から見下ろし
虫達が葉の下で見上げる
風が髪をかき上げて
踊れと言うけれど
はぐれた妖精のように
....
菜を刻み男が作る味噌の汁
柔らかな妻の乳房に春迫る
側にいて温めてよ冷えた手を
しとしとと七月の朝欲情し
泣く子ども遠雷の響きに恐れなし
落雷の電気のパワーに雨呼応
若い夫婦。若い父親と若い母親。
夜中に子供が泣きだした。二人共に睡眠を無理矢理むしり取られた。
寝床から起き出したのは母親の方だ。
明かりをつけるとベビーベッドの上で泣いている我が子の側に行った ....
まじょが
カレーの皿を割っている。
いつか出逢えるあなたを
この屋上で待ちながら
もう出ない声を絞り切り
歌う歌がある。
もし空を飛べたなら〜
あなたに会いに行きますよ〜
....
さようなら
静かに落下してゆく
少し前までのわたし
頑張りましたの
はんこを押されもせず
1日が終わってしまう
ねむたいと
感じることを忘れてから
そんな儀式を繰り返して ....
何ら事前の相談もなく、いきなり現れて解雇通知を渡された。
お前はもう要らないお払い箱だと言うわけだ。
定年延長も再雇用も
しないという訳だ。
年寄りに高い金払うなら、若い人材を安く使いたいと言 ....
空模様は空の気分しだい
なのに
わたしの毎日は単調
わたしの選んだ生き方は単純
わたしの肉体構造は
しいて言うなら凹
ずっと同じ男と
一つ屋根の下で暮らしていた
その間に
子 ....
時は昭和三十三年のプロ野球
日本シリーズ
巨人に三連敗で
絶体絶命の西鉄ライオンズ
エース稲尾和久は残りの四試合全てに登板
チームを逆転優勝に導き
翌日の新聞には
「神様・仏様・稲尾様」 ....
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