見えていないから指先に触れて
輪郭を描く
知りえないものを
自明と思い込み
書き足さなければならない線など
もうないと
絵の具を塗る
好きな色
みなさんにお馴染みの色
私だけに
見 ....
海水浴場で父を洗っていると
監視員さんがやってきて
ここは海水浴をするところです、と言う
洗っている、といっても
石鹸もシャンプーも使ってないし
水を身体に濡らすところなどは
....
現代ならば夜行列車ではなく、
夜行バスに乗っていく。
でも誰も、
銀河バスなんていう奇妙なものは思いつかない。
(あ、毛糸で編むのを忘れた)
(あれはあなたのための毛糸だったのに)
車窓に ....
わだかまりが
嫌で
夜を歩くのです
わかってもらえない
プライドを捨てて
夜を歩くのです
すべてを終わらせるために
生きてきたわけではない
夜を歩いて
たどり着いたコンビ ....
女子の 体だけならお金で買える
体だけでいい
心はいらない
男子の 体だって買えない事はない
体だけでいい
心はいらない
結婚と言う契約には経済が重要な役目を果たしている
結 ....
その二枚か三枚かの舌が造る世界が
あなたには本当なんだとしても
私には無縁の世界で
{引用=窮屈そうな
言葉たちをほどいて
その向こうの空を見る
さよならさえも言えない
あの人は ....
24個の光が
鼓動する
キャンバスの上でまわる
それは時間だ
キャンバスの中では
今日と夕陽が混ざり
遊び疲れた赤い河が流れる
そして娘の声が空気遠 ....
僕は今夜
晩年に娼婦の肖像を描く
マネの孤独の深さを知った
今宵 彼のアトリエを訪れる
ボードレールとマラルメの
美を語らう声が聴こえる
――汝のいる風景の〝今〟を視よ
....
過ぎて去ってしまったから過去。
未だ来ていないから未来。
過去へと下る河は人の記憶の中を流れ
未来へと上る河は人の夢の中へと流れ込む
懐かしさに帆を孕ませて
舟は下り
わくわくに胸 ....
園児たちがかけっこ夢中
先生混じってゴールで転げたまね
車がそろそろと動き出すと
粒々いっぱい手のひらいっぱい
バイバーイバイバーイ
バイバーイバイバーイ
嬉しさいっぱい
さよならいっぱ ....
しろい朝が明けた
雨粒は身をくねらせ少し困りながら
わたしにアイサインを送った
気がつくと雨粒は雪にかわっていた
てのひらに舞い降りる華 花 はな 雪の花
象形文字のような氷 ....
あの時計は今はもう札幌あたりに
転がっているだろうか
砂浜のボタンがまだ鳥取の近辺で
埋没しているみたいな世紀末
そういえば《少女》を革命するアニメが
20年以上前に流行ったけれ ....
知らない街の
知らない家で
殺人事件が起きた
知らない間に
知らない家族が
知らない殺人者に
惨殺された
凶器は知らない
動機は知らない
命は盗まれたが
他にも何か盗ま ....
大抵の事は
いつか笑い話になる事である
但しそうはならない事があるのは
常々肝に命じておかなければならない
空の青さを映す川の様に
私もあなたを写したい
あなたが映す綺麗な心を
私に反射させて伝えたい
あなたがまだ気づいていない素敵な心を
私があなたに伝えたい
どんなに曇ったその空も ....
朝焼けだよ。
朝焼けが真っ赤で綺麗だと、雨になるんだって。
と、君が言う。
僕はその、
「真っ赤で綺麗」という言葉に聞き入っている。
もし、彼女の言葉が本当ならば、
……そう、 ....
サックスホーンよりもピアノの調べが好きです
繊細な白い指がやさしく触れるから
今宵
耳をすませば
風にのせてミソラ知れド
メロディーを抱きしめてtonight
蒼く燃えるこころにス ....
いちめん真っ青な空
段差に躓いて転倒しそうになる
何してんだよ俺
足下には気をつけろ!
自分で自分に無性に腹がたった
怪我でもしたらどうするんだ!
いちめん真っ青な空の下にだっ ....
ロマンチストでも
サイエンティストでもない
ゆるく瞬いている星が見たかった
ただそれだけである
なにかしら癒されたかったのか
ただただ暇だったからか
天に飲み込まれ引き込ま ....
まとまらない記憶
さだまらない思い
けれども空は暮れてゆく
ままならないことばかり
ため息のミソラシド
夢みて おいかけて
どこまでも
諦めきれず
おいかけて
おいかけて
....
終わりを迎える背中で
始まりを迎える淡い空
まるですれ違いの感覚に陥るが
紛れもなく同じ時空を生きている
時は必ず待ってくれると
そこに甘えて寝床につく
そして起きたその時は、やはり時 ....
花散里
僕の小さな世界史が
源氏物語だったら
次元を超えて愛を語れるものなら
あるいは1970年の山下洋輔だったり
アルバートアイラーだったりするのかもしれない
僕は何に対して ....
アダムとイヴは
キラキラ光るアキラメを
バケツ一杯ぶちまけた
そうして星ができたんだって
大切な不安を食いつぶして
やっとこさ残ったのは空っぽの心
何もない
今二 ....
たまに空が全体を包むような
そんな日は地動説を疑いたくなる
三六〇度の空を心で眺めている
中を視ている
半透明の目の中に私がいて
包むように視られているという感覚が
アフォーダンスを否定す ....
魚は空を泳ぎつかれ 月のサンゴで身をくねらせ鱗を星にかえす
蒼いムードとブルージーンズ 青春の風は皐月の風のように吹きぬけた
うるさいだけのコマーシャルが流れる都会の雑踏に思慮のある小娘の ....
大淀の 桜桜と 待ちきれず
江田の森 一位の赤も 待ちきれず
たらちねは うつむかんでと 言ひ残し
その花も 春待ちきれず 待ちきれず
黒い布で顔を覆い隠した女が
まるみをおびた重いはらをかばいながら
前から、後ろから早足で通り過ぎる人々に
おびえるような足取りで市場を歩いている
ときおり女の腰のあたりにぶつかっては
”ベバ ....
言葉が雪のように積もって
溶けてゆく
私たちは言葉の全てを受け止められない
だけれど
言葉は私たちの思いを全て表現できない
零れ溶けて水のように流れていく
私たちが受け止め切れない ....
駄々をこねて発酵させてオーブンで焼いて食べた。
君は呆れて家を出ていったから、一人で黙々と食べた。
31
そのときはじめて
おじいの顔つき変わって
おかえりいいうた気がした
32
なあんお前
それぐらいのボルト交換もでけへんのか
飯は喰ったんかいな
3 ....
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