恋割れた 悲しい夜は
ひとふたり つみによごす
このむねの 黒さがいやで
牛乳を むねにこぼすの
牛乳を よるのむからさ
かまわずに 消えてほしいの
かいわない 冬の静か ....
遥か遠くでまた台風が発生した
一週間かけてこっちに向かってくるらしい
海水の温度が高いから勢力まして
来るらしい
何でもそうなるかは
理解出来てない
それはテレビの構造を全く知 ....
彼女は水色の服ばかりを着ていた。
キャンバスには、青と白の水彩画。
それは何? って聞いたら、
「空」って。
他には何か描かないの? って聞いたら、
「いいえ」って。
低血圧で低血糖。 ....
冷蔵庫にお土産のマグネット、大群。
小さな磁力で日本各地から集まってきた。
鳥も
空ばかり飛んではいられない
羽根も疲れるから
地上に降りて休ませなくては
ならない
鳥も
いつまでも生きてばかりはいられない
生き続けていたら
羽根も
羽根に付随する本能や ....
玄関の前で斜めになってカメムシが死んでる
斜めになって題名を叫んでいる
詩は叫ぶものとは
言いたかぁないが
耳に突き刺さる
詩は突き刺さるものとは
言いたかぁないか
聞こえるものは
し ....
目の前を
私の中の諦めが
口笛吹いて歩いているよ
どうとでも
なれとまごころ傷つけて
すれ違う恋、なんてバカなの
ドアを開け
そちらの夜を覗いたら
まるで十字に ....
ぶらっと寄らないかあの店へ
忘れられないひとが待っているかもしれないから
すずなり横町とライブハウス
本多劇場と誰も歌わないあのうた
ロングバケイションとお気にいりのロケーション
計 ....
ふわっと地面におりてきて、
着地。
ああ、ここに貝殻があるわ、
と手にとって、
お日さまにかざして、
すかしてみる。
貝殻は、貝殻だわ。
わたしも誰かにとっての ....
端っこまでクリームの詰まったクリームパン。
そういう幸せが、君の人生に沢山ありますように。
近所に世界の果てが出来た
白いベンチがひとつあった
僕らはベンチに腰かけて
パストラミのサンドイッチを食べながら
突き当りで折り返して行く飛行機を眺めた
世界の果ての地面にも小さな虫はい ....
そこは始発駅
そこは終着の駅も兼ねている
冬の夜はまだ明けていなかった
寒気が顔の皮膚を
まるで
剃刀みたいに切り裂いてくる
旧年が去って
新年を向かえていた
時刻は午前四 ....
夜に
仔猫が出没しなくなって
2週間?
虫の声が聴こえはじめて
1ヶ月?
新しい時代になって
6ヶ月?
私うまれて
何十年?
秋は、紅葉
秋は、満月
秋は、いろんな欲 ....
夜半、防犯カメラの死角を縫って駆ける。
あの子のハートに火をつけにいく。
死んでしまいたいと思うことは多々ある。
わたしが今住んでいるアパートのベランダからは、
オベリスクのような細いビルが見える。
わたしはその細いビルをわたしの墓標だと思っている。
その細いビルを ....
悲しみが少しだけ減った夜には、
悲しみをプディングにして食べてしまおう。
そうしなければ生きられないのであれば、悪になることは悪ではない。
問題は悪をもって何をなすかなのだ。
悲しみが少しだけ ....
打ちっぱなしのコンクリートに、ウサギ模様。
あれは星雲、これは星。あれは星座、これは銀河。
わたしたちの見ているのは、宇宙。
まだ見ぬ宇宙がそこにあると……紫煙の向こうに、確かめているわたし。
....
私は一千九百五十五年の生まれです
歴史の示す通り
十年前の四十五年に世界大戦が終結していますね
この国は
ポツダム宣言を受諾して
敗戦を向かえました
学校で教わったよね
....
ください、と言えなくて
くれませんか、と聞いてしまった
人々の影は長く伸びているが
わたしに重なるものはひとつもない
もし
太陽が燃え尽きてしまったら
月が代わってくれるのかな
いい加減
夜ばかりの照明役には厭きているだろう
ここは昼に回って精一杯輝いてくれないかな
たとえ
太陽が燃え尽きてしま ....
飛んでいる矢は静止していることに
時熟できる者は決してゼノンのパラドックスが
あながち間違いではないことに気づく者であり
現在は常に過去であることを知る者である
それは己を時間化することに ....
その命、もっと気楽に使ってみれば?
ちゃちなボールペンにでもなったつもりでさ。
風景画のように澄んだ風景のなかに、ゆれて。
りんご王女が顔を赤くするから、すこしうつむき──
ぼくは窓のそとを王女が眺めるままに、
王女の髪と景色とを見ていたんだ。
水彩画のように ....
親の死に目に会えない
って言うけど
現実
臨終の場に立ち会うのって
困難だよ
ドラマみたいな訳にはいかないさ
俺の父親は八十過ぎて
夜に風呂場で脳溢血で倒れてしまった
頑固 ....
「着の身着のまま、木の実のなる木の幹を登れ。」
そう3回唱えたら、まもなく出港の船に飛び乗っちゃえ。
男は枯れない
枯れてたまるか
父親は豪語していた
親戚が集まる宴会で
「俺は七十になる今も現役だ」
俺は母親をそっと盗み見た
顔が紅潮している
幾ら酒が回っているからって
人前で、 ....
道端に彼岸花が咲いている
家の近くの細い道に
道端に曼珠沙華が花を咲かせている
家の近くの畑と畑に挟まれながら通り抜けてく農道に
車一台やっと通れる道に
工場の屋根の煙突が
白い煙 ....
カネを払えば女は抱ける
カネがなければ
女を抱けない
そんな男はごまんといるよ
これを書いたら
「女を何だと思ってるの」
って
世間の女の人に嫌われるだろう
だけど
女の ....
「何もかも無くなれ」
「ただただ死にたい」
またもメッセージが
頭にとどく
どこの誰だか知らないけれど
僕らはそれらを
共有している
受けとるメッセージに
疲れた夜 ....
宇宙から見れば
この星は小さな水滴
青い羽根の蝶が棲む
蒼い涙のような
あどけない唇の妖精
長い触覚が触れた気がした
ありがう
そう言い合ったとき
からだに水が流れた
....
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