今日の日を永遠に忘れないなんてことがあるだろうか
3月の午後の何もない太陽の下で僕はふと考えるのだった
こんなにもどうしようもない状況でさえ僕たちは口を閉ざしたままでいる
暴力で解決できることの ....
かがり火を消し去る
純、潤、順
と
水が焼ける音
の、背後からは
翼をもがれた旅人が
一人
赤の渇望へと
にじり寄る
旅人が
その
赤の渇望の
窪みへと
とく、っと流し込んだ ....
あの日あの夜、失恋した想いはちっぽけな星のようにわたしの胸から消えてしまいました。
ー幾年月が過ぎて
あの日あの夜、多くの人々が悲しみとともに見上げた夜空には満点の星々が、
、それはいま ....
さあ悟れずに生きていく
線路に財布を落とすようなとき
駅員がひとりもいないようなとき
ホームから降りて財布をとるようなとき
だれかが非常停止ボタン押して大騒ぎ
平成は昭和 ....
オオカミ男の
口吻が隆起してゆく
ホラーメイクに
興奮もすれば
タレントの妹の
小さな口蓋のように
整形して
口吻を沈下させた
姉がニッと嗤う
顔面を見て戦慄した
老朽化で陥没 ....
もし分業なんてしていなかったら
どうだろうなぁ
農家もなければ
猟師もいない
食うために有尾猿らと変わらぬ
生き方のままでいる
知恵のない裸体の尾のない猿
発情期にだけメスがオスを誘 ....
死にゆく蛍がかじった、かもがやの隙間の細い風
すっかり軽くなった腹を抱え
夜霧の中をしっとり歩いている
大きな風に
人の声が洗われて、草木の本当の
美しさを見る日を待ちわびていた
....
だれも自由をうばえない
君の自由は君だけのもので
でもね
僕の自由は遁走することだけなのだろうか
君の自由は時に逆走して過去や未来を変えようするけど
それを拒むものは自分自身なのかも ....
同窓会のたびに
あなたを探す
席に着いてからも
入口ばかり見てる
お酒を飲みすぎて
タクシーでホテルに帰る
ドアを開くと
カーテンが揺れてる
さっきまでここにいたの?
....
気が狂っちまった
宮沢賢治はどんだけ正気?
中原中也はどんだけ正気?
誰もがせつなくて
俺の半分以上が俺のもんじゃねえ
狂うってこたあそういうこったあ
さらにさ ....
掌から零れ落ちた幸せを
慌てて拾い集めようとするけれど
砂上の楼閣の如く
脆くも崩れ去り
風に浚われ跡形もない
立ち竦む 過去と未来の狭間
砕け散った心だけがその場に囚われ
視界を阻 ....
{引用=(*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に ....
船が海に飽きて空中を浮遊したり
飛行機が空に絶望して海底を探検したり
少年が瞬くまに老人に進化したり
したら
愉快で痛快だな
子供が鉄棒に失敗して砂場に落ちた
自力で這い上がり立ち上が ....
43年ぶりに高校の同窓会に出ることになって、卒業写真を探していると、古い写真入れの中から一枚の写真が出て来た。それは母の遺品の形見分けの際に兄から渡されたものだった。古い毛ばだった厚手のコートを着て ....
翌日。
妻は薬局で妊娠検査薬を買ってきて試した。
陽性だったと妻はそれを俺に見せた。
俺たち夫婦は子供を授かった。勿論その事実を確かめる為に俺は会社から休みを貰い妻を産婦人科に連れて行った。
....
天変も大地の異変も起こる事なく。
一見、平和に穏やかに過ぎていく日々。
リモコンのスイッチをonにすれば、映像と音声が垂れ流される。television。
垂れ流されているけれど、眼も耳もほ ....
凪に 燃え立つ
怒り 火柱
無意識の 海から
意識の空を 穿つ
沈下した 青春から
享楽の 樹液が
蒸発し 靄のなか
火柱は 脊椎の様
いつから 疲れたのだろう
心臓より 鼓 ....
厚い雲がのしかかる
雨の夕暮れ
冬の雨は
青灰色になることが多いのに
今日はセピア色をしている
子供のころに
お化け色と言って
妖怪がいると信じた色
不思議だ
ベラン ....
真夜中の真ん中あたり
帰宅した千鳥足に
コツンとぶつかった
ものがある
jorro
やあ久しぶり
すっかり忘れていたよ
世界にそういうものが
あるなんていうこ ....
欲望に飲み込まれぬよう、食い尽くされぬよう
頭が病で侵されぬよう。 大切な人を失わぬよう。
たとえ、晴天でも隙をつくるな
失望しても自棄を起こすな。たとえ絶望的に思えても、あきらめるな。
光 ....
市ヶ谷から四ッ谷のあいだに夕陽をみつけた
そのまわりが虹でぐるぐるいってた
あなたに電話したのだがでたのは子供だった
いっしょにパトカー乗ろうね
ピーポーピーポーピーポーピ ....
なにに触れたい
どんな言葉にして告げたい
その言葉に夕日は驚くほど
ウブなふりをするのでしょうか?
すっかりと
夕日は街を歩く人の影を
針の線にし
けれどようやく生き返った人はみな
....
歪んだ頭蓋骨は陳列され、天井のひと隅から滴る雨水は床に暗示的な不協和音を作り出す、お前の罪の名をその情景に添えよう、次に来た誰かが腐肉の臭いを飲み込まずに済むように…黒猫がひとつ、自分の毛並み ....
からからと
転がる青い日傘
レースのカーテンにとまる蜜蜂
ありふれた言葉の羅列をたどり
ふり返り笑う
命の儚さ
虚さ
ひとは過ちを繰り返す
からからと
転がる青い日傘
....
みだれるこころ、
疲れ果て、たどり着いた夜明け。春の日差しのなか
喜びも、楽しみも
あきらめて
よろめいて つぶやいて 背中の羽をむしり取られ
飛べない
弱さと 恐れを抱いて
不安の海を ....
男の髑髏を擂り鉢に入れ擂り粉木で砕き擂り潰しながら傍らに置かれた壺の半ば迄腐らせた自らの血を柄杓に掬い垂らしていく
黒ずんだ液になったのをみて両の掌に掬いとり口に含むと舌で撫で付け広げていった
擂 ....
愛情なんて見えないものより
セックスなんてよくも悪くも見えるものに
バカみたいに本気になってたあの頃
一組の男と女から
家族の歴史は始まり
愛情なんて見えない筈のものが
段々に見えてき ....
娘が二人いて、二人共中学一年の終わり頃から不登校になったよ。
俺は三十代の半ばに縁があって結婚し所帯を持った。それ以前は飲食店の厨房で働き店を何軒か転々としていたが、十年近くはM駅前の洋風居酒屋で働 ....
この忌々しい
憎しみに満ちた
いつも苛立っている
人生を棄てたい夜もある。
そっと、だ。
人も、仔猫も、眠るコタツで
ここからはじまる春の風に寂しさが
青ざめていくのだと ....
待ち合わせは19時
人智で朽ちた世を
きっと春雷が明るく
美しくしてくれる
さあ
行きましょう
サクラの木の下へ
サクラのチップで
燻製にした
シカやウサギは
美味 ....
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