活着す挿し木中玉とまとかな

村雨や小走りに入る店の中

炊きたての新米ふうふう食みにけり

二の腕の顕わなる衣や秋暑し
改札を抜けて、特急へ、準急へ
各駅へ
すみやかにゆきわたる
(還る)

のびていくかげぼうしの
澄んだ鼓膜をとおり

(低いファの音がぼーん、と)
ぬぐってもぬぐっても
幾度も響く ....
さようなら
さようなら
みんな簡単に手を振るけど
この夏は
一度きりの夏

君も
甘夏色の帽子を振って
家路につくんだね
 子どもが さけぶ 肺をからにして
 名前を奪われた 動物を確かめ
 さけぶ こめかみをふるわせ
 おなじ靴、おなじ服
 好きになれない 名前 みなひとまとめに
 ぬぎ捨て駆ける

 さ ....
  熱砂 と
  真空

  ごう音と
  死の静寂

  閃光 と
  奈落


 重々しい
 数十万の足音が
 はてもなく続いて行く

 銃をかつぎ
 一すじの乱 ....
潮騒の聞こゆるほどの島民家

過ぐる日の海水浴場彷彿す

檜扇の一日花の日暮れかな
 水が 欲しい
 もう 雨が聞こえる

 水を思うと
 ことばの膜は かわきはじめて

 そのまま 波の奥
 さみしさが鰓をおさえつけ
 こころ、と消えて
 択ぶように石をつかんだ
 ....
 冬の日の山 
 真白な雪の その彼方に
 孤り高く貴女がいる

 あの山の
 雪を被った樹々の間に立ちあらわれる
 男の前に
 肉を欲しがり
 血を欲しがり
 体温を欲しがって
 ....
唸りを上げる鉄塊よ
轟音を上げて泣け

窓にびっしりと憑依した
発話する羽蟲と
奴らを随え歩む詐欺師達の
ただ
憩いの熾火のために
燃やされた男の
一握の遺灰を
精密に組み上げた先 ....
亡びたもののあかるさが満ちる夏の庭
もう誰も時刻を読むことのない白い日時計
茂みに囲まれた小さな池

茂みをざわめかせていた風がやむと
あちこちの陰にひそんでいた気配たちが
(それが何の気 ....
夏の雨が降るとやってくるシロイルカ
冷蔵庫から勝手にサーモンなんか出して盗み食いしてる
(いいけど、いいんだけどね。そのために買っといたんだけどね。柿の種もあるよ)
腹が満ちたら、さてっと、やる ....


インインと{ルビ頻=しき}り啼く蝉の声、
夏の樹が蝉の声を啼かせている。

頁の端から覗く一枚の古い写真、
少年の頬笑みに指が触れる。

本は閉じられたまま読まれていった……
 ....
明けやらぬ南の空に夏の月

青蜜柑ひと雨毎に太りけり

夏の海行き交ふ船の波しぶき
 こわい箇所だけ集めた 試写会のような
 夢
 夢は ひろい鏡に浮かんだ
 あおじろい入れ子

 口の中はレトロ
 ほの昏く暖色な
 どことなく固定された感ただよう炭酸臭
 安っぽいシ ....
嗚咽の末に、神は今でもわたしを、見守っているとただ感謝し。

ままならない体で、日々を生きている。明日はすぐに、起きられるだろうか?

本はすべて積ん読。新しい知識は日々囲い込まれ、わたしは迷 ....
 田舎のビルでみた 踊り場 シネマ
 月光 スクリーン 古びた壁に
 主人公、現わる とある風
 恋は またたく間に想いを伝え
 うかれ気分を流れに運び去られても
 次の季節に 誘われ飽きな ....
 又 戻って来た
 物憂い瞳で 上手く口説き
 心をさらいに来る悪魔

 親しげに抱きしめてくる腕
 あたしがいつも
 浮き草の様に揺れ動いているのを
 充分に知っている男

 取り ....
月の猫の尾を追い掛けて
形而上の色を弄る
ご機嫌な足取り軽やかな
夢に顕れる可愛いghoul と繋ぐ掌
(片手には鋭利な……)
喪服の似合う
少女の唇は黝く
列なる扉の奥に棲む静謐な安息 ....
手洗ひの夏着に寄する思いかな

坊さんの読経に似たる蝉の声

持てあます予約の前の夏時間

緊張の実車試験や炎天下

白内障手術の後のサングラス
炎天厳しい8月
森の木々はまっすぐと
燃える円球のような日へと
ごつごつした両手を伸ばす

枝が大事そうに抱える緑葉は
ああ 体に新しい力を抱いた
小さいお前そのものだ

それは決し ....
水の 
なか
に、
泳ぐ


記憶のなかを
 明滅する光
濾過されて
 蒸留する

西へ、
それから再び東へ
ゆく鳥は
籠を抜けて
飛び去った

 八月の日 ....
それならばこれで、
というお別れの仕方が
あまりによかったもので
それがそのまま
別れの挨拶になったというわけなのだ

そこには指示語が含まれている
指し示すのは
それまでのかかわりす ....
 暗いバーで
 黒い服がよく似合った女が
 しわがれた声で私の名をきいた
 煙草とウイスキーの琥珀によどんだ目で
 笑いもせず何故
 私を 見つめるのか

 フロアから這い上がっ ....
夜が釣り糸垂らして
月を釣っているよ
風の仕掛けは巧妙で
ぼくの前から消えちゃった
あの日あの娘のサヨナラみたいな
トゲトゲした疑似餌のようだよ
ちょうど煙草屋の屋根の上に
月が昇ったそ ....
 月の夜だった。欠けるところのない、うつくしい月が、雲ひとつない空に、きらきらと輝いていた。また来てしまった。また、ぼくは、ここに来てしまった。もう、よそう、もう、よしてしまおう、と、何度も思ったのだ .... 臨終の時が迫ってきていた

母と娘で長年過ごした
平屋のあばらやで
床に臥せっていた母は娘に言った
今まで苦労を掛けてごめんね
一生貧乏な暮らしで終わった
自分の人生に付き合わせた娘に
 ....
草は
大地(ほし)からあふれるエネルギーの現れ
こんなにも草が育つ
私たちの国

水が豊富な
土が肥沃な
明るい
恵まれた土地なのだ

砂漠化が進む
この地球(ほし)の上で
特 ....
  
ちいきをまもる
ぐりりとぐらら
りんせんたいせい
すいかのもよう

ちゅうかんかんりの
ぐりりとぐらら
りそうのゆめは
すぐそこなのに

ゆめのような
うつつのような
 ....
新聞屋は忙しい
その日のうちに記事を書き上げて印刷する
日が明けてまだ暗い夜明け前、遅くとも2時までには配送される
各々集積所から各家庭に配らなければならないからだ
だからといって投稿欄の ....
 ホントに海なんだって
 あるつってんだよね車座のばあちゃん連が
 あの丘をこえたらザザザ

 と、むかし たぶん一度きり
 お波とお供からあっとさらわれると云い
 舟のり達なら躊躇うわず ....
ひだかたけしさんのおすすめリスト(7719)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
秋近く- けいこ俳句3*23-8-10
ファ- wc自由詩10*23-8-10
甘夏(再掲)- 渡辺亘自由詩3+23-8-10
こどものせかい- soft_machine自由詩9*23-8-9
野ばらの記憶- リリー自由詩8*23-8-9
海にきて- けいこ俳句1*23-8-8
水をおもう- soft_machine自由詩3*23-8-8
雪女2- リリー自由詩5*23-8-8
- 医ヰ嶋蠱 ...自由詩323-8-7
夏の庭にて- 塔野夏子自由詩15*23-8-7
シロイルカとの日々- そらの珊 ...自由詩8*23-8-7
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩15*23-8-7
夏の終り- けいこ俳句2*23-8-6
- soft_machine自由詩2*23-8-5
短歌雑詠- 朧月夜短歌2*23-8-4
風のシネマ- soft_machine自由詩4*23-8-3
小悪魔- リリー自由詩8*23-8-3
殺人者- 医ヰ嶋蠱 ...自由詩423-8-3
なんとか夏を過ごす- けいこ俳句3*23-8-1
緑葉- Giovanni自由詩11*23-8-1
八月の幻影- ryinx自由詩11*23-8-1
さようなら- やまうち ...自由詩1*23-8-1
黒い波- リリー自由詩9*23-8-1
夜風/よるかぜ- ちぇりこ ...自由詩7*23-7-31
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩12*23-7-31
天使__(群馬県館林市にて)- ばんざわ ...自由詩123-7-30
- 日朗歩野自由詩5*23-7-29
虫送り(チグリス_チグリス_ユーフラテス)- AB(な ...自由詩1023-7-29
太郎新聞が行くよ- アラガイ ...自由詩9+*23-7-29
ザザザ- soft_machine自由詩9*23-7-28

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