ユスリカが進行方向に
いくつも柱状の群れをなしている
どうして顔の高さにあるのか
群れに顔を突っ込む度に
うえっうえっと言いながら
手ではらうも少しも散らない
足元は泥濘んで汚れていく靴
....
消えないことが
したかったんじゃないでしょうか
何、犯罪というんじゃない
運命を決定づける行為
タトゥーもそういう衝動から
という面もある
やめたほうがいいですよ
犯罪に堕し ....
今日もパソコン画面を相手に、老いた老人のように腰を歪め、片手でマウスを弄りながら、画面を物珍しそうに眺める猿のような私がいる。
ネット詩は個人主義の時代を象徴する独白のようで、その組織力不在の表 ....
寛容を押しつけられて
不寛容の果実を齧った
依存の強い甘味を受け取り
憤ることの快楽
正しさという安心感
簡単にひっくり返る世界
かつては鮮やかだった景色
瑞々しさにあふれた手触り
....
高値付く伊予柑奮発して{ルビ夕餉=ゆうげ}
草刈る{ルビ漢=をとこ}畑に残す仏の座
春の日のぬくもり残る衣を畳む
スーパーの開店うれしむ四月とや
最初の出だしはこうよ。
ポプラ並木に寒すずめが四羽、
正しく話してると、
うつくしい獣たちが引き裂くの。
クレープが好きだと言ったわ。
魚座の男が好きだとも言ったわ。
鉄分の多い多汁質 ....
至らなかった
選ばれなかった
魂を注いだのだから
それはまだ生きている筈だ
どこが至らなかったのか
どうして選ばれなかったのか
分析するとそれがヒリヒリする
それでも魂はあるのだから
....
遠くからこちらを窺っている
目を合わせるとシャー!と警告してくる
ノールックで気配にアンテナだけ立てておく
決まった時間にパッケージを開け
振り向くとすぐ近くまで来て
つぶらな瞳がこちらを真 ....
いつもと何か違う
心を澄ましていると
心のポケットがモゾモゾしている
正体不明の動くものがいる
いつもより大音量
耳を澄ましていると
火花の気配がチリチリしている
浮き出た血管が喧嘩 ....
一時間に一本のバスに乗り運ばれてゆく。途中川を渡りバスが走るには狭すぎる道を運転手は器用にハンドルをさばく。道は上り坂になりうねっている。調べても詳しい情報が見つけられない町にさしかかると広い空に映え ....
綴られた言葉を上辺だけなでて
くしゃくしゃに丸めて放り投げた
毎日の目の前からは
テクストの存在を忘れさせられた
公共電波の中で為政者が
テクストを書きかえようと言っていた
そ ....
もう二度と会えないなんて
思いもよらず
雑な態度や言葉
思いだすだけで
苦い水が込み上げてくる
たらればに縛り上げられ
堪えることができずに
弱音を吐くよ
さようならを喉に詰ま ....
風の中凛と白梅七分咲き
とんねるを抜けて菜の花伊予街道
今年初庭一面の春の雪
曇天や部屋干し続く冬隣
砂場に散らばるコトバを見ている時に
私は居ない
コトバは私の方をじっと見ている
私を見ながら
私の名前を砂場に並べてみせた
私は後ずさりする
後ずさりする時にも
私は居ない
コトバ ....
難き人 私は、難き人
分かりづらき人 救い難き人
変形し、変色し、変声する
湾曲し、歪曲し、発露する
変名し、変態詩、投稿する
恋愛し、偏差値、否定する
矛盾さえ、理不尽さえ、肯定する
....
一本の枝
横にして左右
縦にして上下
枝ををひっくり返すと
左だったところが右
右だったところが左
上だったところが下
下だったところが上
左を右を上を下を切っても
左右上下はなくな ....
己の欲せざるところ人に施すなかれ
これは真だろう
では、では
己の欲するところ人に施すべし
これは
やめたほうがいいだろう
なぜと言って
人が喜ぶとは限らないからだ
音楽を ....
森に割り込んで
殺戮伐採を繰り広げた
新しい外来の秩序は
都合のいい当たり前を
植え付け蔓延らせ
多数に達した思想が
現実をつくりだした
森を連れてやってきた
本来の姿に
多数の ....
あべこべにくっついてる
本のカバー、そのままにして読んでた、ズボラなぼく。
ぼくの手には{ルビ蹼=みずかき}があった。
でも、読んだら、ちゃんと、なおしとくよ。
だから、テレフォン・セックスは ....
河豚みたいで
可愛くって
指でつついてみる
吹き出した後のえくぼ
可愛くって
また指でつついた
足りないということは、あるもので補うということ
そのための創意工夫をするということ
不満があるということは、満足までの道のりの楽しさがあるということ
不満なき人生は、虚しい 道のりなき人生は悲し ....
梅の香りに撫でられ
リマインダーが発動する
まだ甘酸っぱい関係性
二人ともはにかむ
素直な気持ちを
思いきって囁き合う
赤いリボンの端と端を
二人でつかんだ
人肌にとけて
舌 ....
目が覚めたときの感覚
空虚が僕の胸を塞いでいる
腹の底にある悪い虫
乗っ取られて
理性を失う
力任せに振り回す
拳が当たった
その瞬間から
僕は血の気を失う
実際は信頼を失う
僕は ....
街が目覚める頃
電車に詰め込まれ
肩が触れ合う
一瞬の繋がり
それぞれが抱える
一日の憂鬱や希望
窓の外には
刻々と変わるビル群
プラットホームに
爆破したみたいに
飛び出す
そ ....
餌を与えられ
自ら探すこと
狩をすること
広々した大地
境のない大空
忘れてしまい
また最初から
ここに生まれ
餌はもらう物
疑いもしない
発情するのを
固唾をのんで
見守るや ....
クズ多し
あぁ、然るや
クズ多し
多ければ
クズを向こうに
戦えるかや
人を指さす前に
君の手が汚れてないか
確認してくれ
あ、さよう
我もまた
クズかもしれぬ
....
風がさらさら
光がゆらゆら
気持ちに音符が芽生える
葉形の影はベース
踊る光はメロディ
影と光を聴きながら
行きたい方へ行こう
これまでSNS上で過去については多少語ってきた。
最初ネットで文を書いていた時自分がなにであるか書かずに音楽についてのコラムを綴っていた。
統合失調症として福祉施設に通っていること。それまでに家庭 ....
にんげんは
しぜんをこわしながらいきている
かちくはふえたがやせいはへった
それにきづいてかんきょうをかんがえる
そんなながれにはなっているけれど
いままでのはかいをかいふくするには
ぼう ....
ちっともさびしくないって
きみは言うけれど
きみの表情が、きみを裏切っている。
壁にそむいた窓があるように
きみの気持ちにそむいた
きみの言葉がある。
きみの目には、いつも
きみの鼻の先 ....
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