火をおこし護摩木が焚べられる
般若心経が唱えられ
炎が燃え盛るにつれて読経は速くなる
一緒に唱えていると
息継ぎをするのが難しい
滑らかに歌うような僧侶は
どうやって息継ぎをしているのだろ ....
家を忘れ、道を忘れ、記憶を忘れ 怖ささえ忘れたならば
もう、引き返す道さえ ありはしない
家を忘れ、道を忘れ、記憶を忘れ 怖ささえ忘れたならば
もう、たどり着く道も ありはしない
メモを忘れ、 ....
皮を剥くと香りが広がった
爽やかで甘い匂い
瑞々しい甘橙色
口の中を果汁で満たす
弁当の揚げ物で
荒んでいた胃が喜んでいる
かったるい月曜日の
気分を変える救世主
安心基地を君の胸の中に置かせて
命に活力を注ぐからまだ寝かせて
運命はキャスター付きで転がせて
縁は異なもの味なものと言わせて
恩は忘れずに必ず返すと誓わせて
 大岡 信先生のもっとも印象的な思い出は、ぼくの目をまっすぐにお見つめになられたその大きなお瞳です。その先生とはじめてお目にかかったときに、つぎのような言葉のやりとりがありました。先生が、「きみが ....  主なる神はその人に命じて言われた。「あなたは園のどの木からでも心のままに取って食べてよろしい。しかし善悪を知る木からは取って食べてはならない。それを取って食べると、きっと死ぬであろう」。
(創世記 ....
やらなければならない事がないと
思考は外側や内側を探求する
ジャンルは作らない
たとえ主観が
どんよりとしていようとも
蓋をしていた記憶の中から
素手で取り出した
生臭い瞬間の数々を
 ....
彼が暗殺されたのか自死したのかは
今となってはわからない
彼の作品にそのヒントはあるだろうか
ふとした好奇心でふらり図書館に寄り
ベンヤミンの本を手に取る
軽かった気持ちが不意に重くなる
 ....
旅人:なんで君は僕と一緒にいたくないの?

村人:ううん、私考えるの苦手だから。考えさせられることが辛いの。

旅人:違うよ。君は答えがあってそれに合わせる人生を歩みたい。それに対し僕が問いを ....
炎散らして怒るあなたと
白い凪のように密やかなあなた
どちらが本当のあなたなのか

どっちもというのは
もっともらしいけれど
やっぱり
こうして二人が今でも
一緒にいるからには
松林 ....
キッチンカーの日替わり丼
いつも行列ができている
社内では手作り弁当持参が多数
外食や買い出しは少数
少数派の僕はキッチンカーの列に並ぶ
順番が来るまで
まるで今までそこになかったかのよう ....
故人の手紙を何度も読み返しては
そこから滲み出る慈しみに
自分を抱きしめさせて
水曜日
逝ってしまった時の空気が
毎週巡って心を冷やすのを
線香一本分の煙で温める

繰り返す

毎 ....
 先生にはじめてお目にかかりましたのは、もう十年ほども前のことになりましょうか。ユリイカの新人に選んでいただいた年のことでした。場所は、新宿の駅ビルにある PETIT MONDE という喫茶店の中でし .... 日暮の空は劫火
暗い雲で煙り
雨を予告していた

あなたが乾いた唇
開いた途端

どうしようもなく土砂降り
とびきりの笑顔
雨に打たれ
化粧が崩れて歪んだ
雨に紛れ
こぼしてい ....
最低ラインにぶら下がって
落ちてきた距離を見上げる
最高だったあの頃は
過去の星の煌めき
急に落ちたわけではない
少しずつずり落ちていた
気づかない速度で

やっと地球の上に立つ
気 ....
雪降る寒さに紛れて
一緒のポケットに手を入れて歩いた
絡まる指が僕に歩く勇気をくれた

ずっと一緒にいられると思っていた
けれどいつの間にか
同じ空の下で違う星を見ていた

春の大三角 ....
 あるとき、atom、つまり、「原子」という言葉が、ディキンスンとホイットマンの二人の詩人の詩に使われているのを発見して、これは、おもしろいなと思ったのである。それというのも、当然、この二人の詩人 .... 一行目が二行目ならば二行目は一行目ではないこれは偽である

二行目が一行目ならば一行目は二行目であるこれは真である

三行目が一行目ならば二行目は二行目であるこれは偽である

四行目を平行 ....
外に出る時は仮面にマント
オレの正体は誰も知らない
家に帰って気づく
マントからはみ出たガーターベルト
誰かに見られていたかもしれない
仮面を外せば
瞳が見えないくらいのつけ睫毛
そんな ....
破壊と再建の繰り返しで
歴史は編まれている

恐怖 ショック 残念
悔しさ 闘志 アクション

様々な編み方が共存しながら
延々と編まれ続け
時点時点の結果がそこにある

今日は三 ....
気づくとたいてい
じゃがいものくぼみから芽が出ている
ほっとくとそれらは
すくすく伸びて
じゃがいもをだめにしてしまう

わたしの毛穴からも芽が出て だけど
それは空なんかは目指さない
 ....
逃げても逃げても追って来る
明日という時間に
悪い想像ばかりしてしまう
明日に捕まったら
地獄が待っているきっと

きっときっとはカットしよう
KitKatを食べながら
どうにかなるは ....
図星がストライクゾーンに入る
黒目がおたまじゃくしとなって
白目の中を慌ただしく泳ぎまくる
いっそここから抜け出し
白目剥き出したぁい
手足よ早く生えろ
 いま、わたしは、西院というところに住んでいるのだが、昨年の三月までは、北山大橋のすぐそば、二十歩ほども歩けば賀茂川の河川敷に行けるところに三年間いた。その前の十五年間は、下鴨神社からバスで数分の距離 .... 奇跡と奇跡が重なって
僕は芽生えた
勾玉のような魂と肉体
トンネル抜けて
命の泣き声をあげた

今は暗闇で泣いている
八方が塞がって
どこにも居られない焦燥感
僕が僕を否定する
鏡 ....
 {ルビ形象=フオルム}を一つ一つとらえ、それを書物のなかに閉じこめる人びとが、私の精神の動きをあらかじめ準備してくれた
(マルロオ『西欧の誘惑』小松 清・松浪信三郎訳)

 言葉ができると、言 ....
君が去って行った方角から
雪の匂いがする
さようならと引き換えに
雪雲を連れて来る
笑い合った日の空気は
すっかり消えてしまった
どんなに懐かしんでも
現実に戻ることはない
儚い夢のよ ....
金など要らぬとか 愛さえあればとか
それなんの真似? 雑な論
抱くはマネー まっ、そんなもん
頑張りすぎじゃないの? 少し、お休みなさいよ
重たい荷物抱えて 頑張る
それは、君のため 僕のた ....
世の中に切れ目はなく
絶え間なく変化する
グラデーション

僕が生きてる限りは
一日の中でも変化する
グラデーション

世の中の色と僕の色
馴染む時馴染まない時
重なり混ざり合う色 ....
「私の生涯を通じて、私というのは、空虚な場所、何も描いてない輪郭に過ぎない。しかし、そのために、この空虚な場所を{ルビ填=うず}めるという義務と課題とが与えられている。」(ジンメル『日々の断想』66、 ....
ひだかたけしさんのおすすめリスト(7912)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
火曜日の護摩- 自由詩4*25-1-28
いつか、きっと風になる私- 鏡文志自由詩4*25-1-27
月曜日の甘橙- 自由詩5*25-1-27
日曜日のあいうえお- 自由詩5*25-1-26
まっさらな直線、「凧の思想」_──大岡_信のこの一篇- 田中宏輔自由詩11*25-1-26
イヴの手が触れるアダムの胸の傷あと_──大岡信『地上楽園の午 ...- 田中宏輔自由詩9*25-1-26
土曜日の探究- 自由詩5*25-1-25
金曜日の図書館- 自由詩6*25-1-24
旅人と村人- 鏡文志散文(批評 ...4*25-1-24
あなたに- Giovanni自由詩7*25-1-23
木曜日の丼- 自由詩10*25-1-23
水曜日の手紙- 自由詩825-1-22
de_verbo_ad_verbum_/_nihil_int ...- 田中宏輔自由詩11*25-1-22
劫火の後- 自由詩5*25-1-21
The_Earth- 自由詩425-1-20
スピカ- 自由詩4*25-1-19
語の受容と解釈の性差について──ディキンスンとホイットマン- 田中宏輔自由詩10*25-1-19
百行詩- 田中宏輔自由詩11*25-1-19
正体- 自由詩6*25-1-18
永遠の編み物- 自由詩5*25-1-17
ソラニン- そらの珊 ...自由詩13*25-1-16
KitKat- 自由詩425-1-16
おたまじゃくし- 自由詩5*25-1-15
THE_GATES_OF_DELIRIUM。_──万の川より ...- 田中宏輔自由詩9*25-1-15
顔を失って- 自由詩6*25-1-14
LET_THERE_BE_MORE_LIGHT。_──光の詩 ...- 田中宏輔自由詩9*25-1-14
雪の匂い- 自由詩10*25-1-13
マネー_(原曲:ビートルズ/マネー)- 鏡文志自由詩4*25-1-13
グラデーション- 自由詩5*25-1-12
WELCOME_TO_THE_WASTELESS_LAND。 ...- 田中宏輔自由詩9*25-1-12

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