ハッジズがラーディガンと盟約を交わしたという情報は、
二か月遅れで各国にも届いた。
「なんと。アースランテはこの世の破壊を望んでいるのか?」
「ライランテを、魔物の闊歩する土地にするつもりか…… ....
アースランテがラゴスとの戦いに敗れてから、
二年余りの時が経った。アースランテは、
それ以来、急激に軍拡の道に突き走っていった。
アースランテは、ファシブルとラゴス、

二国の敵国をかかえて ....
その日
僕の存在は失われていた
川は何もなかったかのように流れ
まわりの人々は息をし、笑い
変哲もないことを話していた

できるものなら僕は
思考さえ失われた
本能だけの野鳥になりたか ....
ゴミ収集車が走り去るにおいを青空に運び去る春風 ボウ 遠のく作業員たちの掛け声
電線の雀たちが放つビーム
桜が咲いたね
ハロー ユース

/
遊びたりない わけない
風に育てられた髪 ....
蒸す日だった
私たちは山林の中の枯葉の上で
一服をしている
同僚の、ほぼ禿げた頭部が汗に光り
涼風が渡っていく

目の前の葉では
太さ一ミリに満たない、尺取虫が
長い首を伸ばし ....
川原に浮かんでいるのは
ほたる
闇の空気を纏い
黒い重みに浮かぶ
森の深遠のそばで
悲しみの傍らで
現実の重みから脱皮して
ほたる  ほたるよ
粘る闇が重い空気と連結して
夜をもてあ ....
しかし、この話には裏の話がある。
「これを、カシュガルさま」ヨランは、
ギボーシュのネックレスを差し出した。
「まあ、なんと美しい」カシュガル夫人はため息をもらす。

「しかし、このネックレ ....
クールラントは高価なものにあまり重きをおかない。
それはクシュリーが奴隷解放の魔法をつかって以来、
とくに顕著であった。ラゴスやアースランテのような、
他国に攻め入ることで領土を拡大してきた国と ....
光の螺旋が、天使の渦になってゆく春の音階で、白い洗濯物を汚すお仕事です、と、あなた方は、わたしの腕などするり、と抜けると、二階へと続く階段を、ぱたぱたと何往復もする、日がな一日飽きもせず、光る足跡をつ .... 「わたしは誰も持っていないものが欲しいのだ。
 ギボーシュのネックレスはそれにふさわしかろう?
 大丈夫だ。人前でそのネックレスをつけることはない。
 お前には何の迷惑も心配もかけない」

 ....
閑話休題として盗賊ヨランの話をしよう。
盗賊ヨランは、カシュガル夫人にギボーシュのネックレスを、
盗んでほしいと依頼されたことがある。
もちろん、盗賊ヨランは依頼されたことは確実にこなす。

 ....
どこかに
負の生命体が惹かれあう
磁場があるのだろうか

変化の胎動は
終焉の胎動でもあり
虫が先々を急ぎ
蠢きだしていたのだ

狡猾な罠に気付かず
煌く夢におびき出され
重鈍な ....
エインスベルには一つの覚悟があった。
この国を……クールラントを救おうと。
それはディペルスの街を救った時と同様であった。
恩は恩で返さなければならない。

「クールラントが我が命を狙うので ....
「そのヒスフェル聖国のオスファハンが、
 アースランテ国王と通じているとしたら、
 どうでしょうかな?」
ハザック・アザンは冷静に言った。

エインスベルは驚いた。
「ヒスフェル聖国は魔導 ....
二〇一九年十二月一日 「日付のないメモ」


 飛び降り自殺する直前に、窓の外から覗く、さまざまな部屋のなかにいる人間のことを書くというのはどうか。トラックにひかれそうになったときの時間感覚のこ ....
ヒスフェル聖国はクールラントの北西にある国である。
その国内にはガラセラの樹があると言われ、
小国のわりには魔法石が豊富であった。
そのため、周囲にある国とは一線を画した施政をしていた。

 ....
「クールラントは正式に、
 わたしを敵とみなしているわけではない」
そんなエインスベルに、ハザック・アザンは答える。
「時間の問題なのです。アイソニアの騎士が追放されたように」

「クールラ ....
「わたしはカーガリンデを裏切ってなどいない。
 ましてや、クールランの国とにあっては……」
「あなたは今、正魔導士の位にはありません。
 国家に仇名すやも知れぬ存在とされているのです」

「 ....
そのころ、エインスベルを訪ねてきた者があった。
それは、誰あろう、ハザック・アザンであった。
「一体、わたしに何の用か。
 祭祀クーラスとは、すでに縁が切れているのであろう?」
 
「さすが ....
いちにち単位で
暮らしている私だ

知った
忘却に希望を見いだすよ
忘れわすれて煩わしくはない、
明日も待ち遠しいよ


絶望はもう詠わない
きっと
エゴ―が見せている錯覚 ....
北はあじ変わらずミサイルそば。

東はロシアで冷酷プーチンそば。

西はキンペイちゃんの中華そば。

南はタイワン有事で戦場そば。
なぜかマルチチュードが、開示している。

スラヴの内戦の渦中で。

弱者よ、犬死するな。

これは革命かもしれぬ。

ひるむな。

権力を無化せよ。

知を超越するのだ ....
ぼくは宇宙の一過性のノイズに過ぎないが
きみも深海生物の末裔に過ぎないではないか

とりあえず会話は成立するが
ちっぽけな男が地球を見降ろしている
この世界の現状に最後まで抵抗する民衆であり ....
この模造を容認して欲しいのだ
誰も狂気を取り扱えないのだけれど

この贋作を許容して欲しいのだ
せめてものきみのへ土産として

収監されるきみへ残り少ない愛を

僕たちはじゅうぶんに生 ....
二〇一九年十一月一日 「断片」


彼の顔に答えをさがしていたが、いっこうに見つからなかった。


二〇一九年十一月二日 「断片」


彼は自分の考えのなかで方向を失い、迷子になって ....
欲する
私の欲望にキリは無いことが分かった
え、こんなことはとっくの昔に分かっていたでしょ
私は欲望の権化なのだと
とうとう認めたね
「いのちは原初から欠けている」
と繰り返し言う私の魂と ....
六月の水で世界が浸される頃
どろどろに泥濘んだ地面から
ごんごちーが現れて
悪い子どもを地の底へ引くんだって

「ばあちゃんがゆってたもん!」

赤い顔をしながら稲村さんは言う
今日は ....
ひろい町の
狭い世界で暮らしています
今は
今も、ずっと・・・


山々は霞み
あとは人工物しか目に映らず
この
木造アパートメントは
森林で
あった頃の夢をみている
みつ ....
 昨日朝、山に向かおうとしていたが、気は進まなかった。空は曇り、山岳は霧に覆われていた。つまり一定の高度以上は悪天ということは予想できた。
 家人に準備してもらっていた握り飯はすでにできていた。私は ....
星空に煌めく
数の論理で死んだ人々

前奏のないヒット曲に
心を毛羽立たせては
うなだれる毎日

萎んだ熱気球は余熱だけを残して
二度とは戻らない

そういえば春
故郷は湿った雪 ....
ひだかたけしさんのおすすめリスト(7719)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
アースランテの軍拡(二)- 朧月夜自由詩1*22-3-31
アースランテの軍拡(一)- 朧月夜自由詩1*22-3-31
できるものなら僕は- 山人自由詩3*22-3-31
ユース- 末下りょ ...自由詩4*22-3-30
山林にて_'18/05- 山人自由詩3*22-3-30
- 山人自由詩4*22-3-30
呪いのネックレス(四)- 朧月夜自由詩1*22-3-30
呪いのネックレス(三)- 朧月夜自由詩1*22-3-30
幼子たち- ちぇりこ ...自由詩622-3-29
呪いのネックレス(二)- 朧月夜自由詩1*22-3-29
呪いのネックレス(一)- 朧月夜自由詩1*22-3-29
変態- 山人自由詩6*22-3-28
来訪者(六)- 朧月夜自由詩1*22-3-28
来訪者(五)- 朧月夜自由詩1*22-3-28
詩の日めくり_二〇一九年十二月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*22-3-28
来訪者(四)- 朧月夜自由詩1*22-3-26
来訪者(三)- 朧月夜自由詩1*22-3-26
来訪者(二)- 朧月夜自由詩1*22-3-25
来訪者(一)- 朧月夜自由詩1*22-3-25
自由詩「光りの方を目指す」_2022.03.25(金)- 田中恭平自由詩322-3-25
四面そば- ナンモナ ...自由詩4*22-3-24
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信仰- マークア ...自由詩922-3-22
葛飾慕情- マークア ...自由詩622-3-21
詩の日めくり_二〇一九年十一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩11*22-3-21
欲する私- こしごえ自由詩2*22-3-20
ごんごちー- ちぇりこ ...自由詩422-3-20
自由詩「アパートのみる夢」2022.03.20(日)- 田中恭平自由詩8*22-3-20
昨日、私は山に向かった- 山人散文(批評 ...3*22-3-18
寝たきり- TwoRivers自由詩6*22-3-17

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