愛するということは
海にもぐるということ
一分もしないうちに
ぼくは息が続かなくなる
水面に引き返すか
でなければ溺れてしまう
でも君は
生まれたままの姿に
鰓と鱗をまとっている君 ....
泣いてない
青鬼のリタ
に憧れて
愛して馬鹿みて
なにが悪いか
リタって利他。
本当に存在するか知らない。
じぶんは、わるもので
他人を助ける
青鬼 ....
落ち着かないんだ
四六時中空気のある所にいないと
落ち着かないんだ
公衆トイレで用をたしていても
ついつい詩が思い浮かんで
落ち着かないんだ
彼女とメイクラブしてたのに
急に詩か ....
毎日ぼくは
きづかずに
多くの幸せに
囲まれていた
幸せは
どこにでも
かくれている
君が淹れてくれた
コーヒーの香りのなかにある
幸せ
いつも横取りし ....
草原で踊りもせずに、海岸で泳ぎもせずに読書に耽る人を馬鹿にしていた、そんな夏に
好きになった少年が
寂れた展望台で静かにひらいたタイトルをひそかに探して
わたしはあまり踊らなくなって、あまり ....
相合の傘
二人は肩を並べて歩いていた
その時
勢い後ろから車が走り過ぎた
何の配慮もなく
水しぶきをあげて通り過ぎたから
外側を歩いていた人は水を被ってしまった
お互いが好きあい
....
自分らしさを
信じない
個体の差など
とるにたりない
幻想としての
自己の表象
個性の主張の
おごりと空虚さ
個人といえども
起源は同じ
始まり終わり
....
わたしの前の席が空いたけど
今しも都市のかなたに沈もうとする大きな夕陽を
見続けていたかったので
座らなかった
燃え滾る線香花火の火球のような
太陽だった
それを反射して真紅に光る壁面 ....
昏い海の波間で
人魚にもなれなかった
青白き亡霊たちは
海よりも深い森のなか
銀竜草の霧のなか
木漏れ日のような朝露から
こぼれ落ちたのだ
月の投げた銀の網が
のたり、と揺れて ....
逢魔時に貨物列車がガタンゴトン
その向こう側
それはいつの日も
青い幻、淡い眼差し
生憎の、雨
4.7inchの水槽を
ただ、漠然と覗き込む
上へ、下へ、奥へ、奥へ
気づけ ....
死ぬのは怖い
死ぬのは怖い
死ぬのは怖い
なんとしても死ぬのは怖いから
何とか死を回避する方法はないものかと
あれやこれやと思いを巡らしながら
何とか今日まで生きてきた
死ぬのは ....
とてもシュガーレスで甘い日々に乾杯
いつかか叶うかもしれない幸福論にさよなら
すといっくなクラプトンが好きだったな
ちょっぴりうち間違えをしたタイピスト
シドビシャスみたいな素直な凶暴 ....
{引用=
こわれた家で待っています
むかし きいたことのある
こんな声、です
「死んだ子たちはけだかいので
星になったりしません
晴れ空に光がみちるだけです」
(おし ....
うつろう時
黙りこむ
こころ
生まれない
詩たち
言葉にならない
こころの襞
たしかめ
たぐり寄せ
結びつけ
ひも解き
書きうつす
風がはこぶ
花のかおり
乙女のま ....
待ちわびた黎明だ
太陽でも月光でもなく
果てない夜を終わらせようと
吹き荒れた嵐の向こうに
生まれ落ちた黎明だ
君が
ふるえる玻璃の瞳に閉じ込めた
青い一迅のそよ風に
ひとつの嵐が ....
天気予報は雨でした
なめられっぱなしのなめくじが繁華街へ向かう
あなたの名前は何ですか
えっ 名前 何だろう
名前のない なめくじ
かたつむりのように背負うものもない なめくじ
ガ ....
俺の子供でも
おかしくない
若い男が
いきなり
「俺はお前の慣れの果てだ。」
と言ってきた
若い男は
公園のソファに横になると
「こっちに来い。」
と手招きした
野ざらしの ....
身なりに
気をつけてか
舗装されたばかりの
黒く沈み込む道を
歩けない
カミナリリュウ
ADAM-Y染色体はもう
消失しましたか
空窓を見ながら
新しい男は
シダのプランタ ....
虚しさは、ろうそくの炎のように揺らめいて
正体を見失う
スマホをスクロールさせても、行き過ぎてしまって
たどり着きたい所にはいけない
私たちは正しく嘘を、粉飾できないでいる
街灯ひとつで ....
しゃがみ込み透明な水を掬いあげる
これくらいの仲がちょうどいい
と思える、この場所にながくいすぎた
不純物がひとみの中に入った
ズルい人になりそう
心の空を飛んでいる人たちで
いっ ....
やまどりの
朗読するように
心涼やかに
鳴く声を
聴く
山頂の展望台好きな
ヤマノムスメは
深い谷川に
落とされて
沈められ
あられもなく
ただ死にゆく
そんなさだ ....
l'impromptu, révisé un peu
本日の紅茶が美味くない訳は
議論がつまずいた為である
ぼくたちは相変わらず
オトナになれない
....
照明の脆い洋食屋
「鮪のスペアリブと海老のステーキを……あとジントニックを」
「かしこまりました」
それで、わたしは待ちました
待っている間、色々なことを考えました
仕事を辞めて ....
カエルのタマゴが
食べたくなった
ジュンサイが
涼しそうだから
窓枠の中は
梅雨の雨
暗くなる
額の流れ
食したい
女の卵巣
DNAの98%はクズだと、
以前は思われていたらしい。
遺伝子って言うのはこの残り、
2%であろうと学者たちは、
認識していた・・・
ところが最近になって、
遺伝子をおぎなうD ....
よるのうみべの街でおぼえた
すがりたいじぶんへのはがみを
こおった電波にのせてうたった
つめたいおんがくしを刻んだ
むかしのくんしょうを棄てて
なぞは白兎のあかめで泣く
....
有精のそれがこの体に宿った夜
わたしは
高い梢に身を寄せう番のコマドリを
ヤドリギの茂みから見つめていた
無垢で美しい二羽の囀りが
森の向こうへ遠のいてから
わたしは
花落ちた虚 ....
前庭に鯨が打ち上げられて
砂が、チョウ砂が舞い上がれば
世界は揺れて空と大地は
ぐわぁんぐわぁんと回転しながら
遠ざかったり近づいたり
もしチョウ砂が黄砂のように
気流に乗るなら、あの ....
育児は神業のようなものだから
30点くらいでちょうどいい
疲れた時は 衣食住のお世話だけでいい
自分の子供ではなく 地球人を育てている
と思えば 程よい距離感が生まれる
子供に振り回され ....
接吻は静かに交わすべきだ
君が蛾の繭から孵って
僕がコマドリの巣から落とされて
ここに飛んでくるまでかかった
全ての年月よりも
遥かに長い時間をかけて…
愛撫は静かに施すべきだ
露悪 ....
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