「よう、家は見つかったか?」
とある酒場で、エインスベルはアイソニアの騎士に声を掛けられた。
その場にはオスファハンも同席していた。
「どうして家のことを?」エインスベルは尋ねる。

実は、 ....
アスペルの街には、当時老魔導士オスファハンが住んでいた。
エインスベルは彼を訪ねて行ったのである。
「なぜ、ここに来た?」オスファハンは尋ねる。
「家を買いに」エインスベルは答えた。

「は ....
一面の雪。雪原である。
実はオスファハンに紹介してもらう以前、
エインスベルはアイソニアの騎士に出会ったことがあった。
アスペルの街へ向かう途中でのことである。

雪原に突き刺さる矢。どこか ....
物はかたちに応じてもちうべし人も同様なり

魂魄は困難を内包している
詩人は血を吐かない程度の筆圧で

如才のない道化師は盛り上がりの
緩急などばかり考えているが

誰にも優しくなれな ....
君はゾフィアスの剣について知っているか? いや知るまい。
ゾフィアスの剣は、アイソニアの騎士が常に身に付けている魔剣だった。
少しでも携帯者の力がなければ、すぐにでもその魂を食らってしまったのだ。 ....
エインスベルがわたしの元に入門したいと言ってきた時、
わたしはその理由に驚いた。
いわく、彼女は姉と母の仇を討ちたいと言うのだ。
そのような理由で駆使する魔法などない、わたしは言ってやりたかった ....
我が名はオスファハン。ヒスフェル聖国の正魔導士である。
しかし、今日語ることは我が事ではない。不詳の弟子、エインスベルに関することだ。
彼女は四〇歳を前にして、彼の地へと逝ってしまった。
師より ....
二〇一八年十二月一日 「詩」


 若いときに書いたものを、文学極道の詩投稿掲示板に投稿した。30代だったろうか。はてさて40代か。ぼくは、自分のすべての作品を一つのストーリーにまとめよ ....
祭司クーラスの陰謀は、戦士エイソスにまで及んだ。
というより、戦士エイソスこそが、祭司クーラスの最後の標的だった。
すなわち、戦士エイソスにアイソニアの騎士を殺させるのである。
祭司クーラスは、 ....
祭司クーラスは、時折国王に報告を行っていた。
アイソニアの騎士について、魔導士エインスベルについて。
国王は、彼らが国に害を為すものかどうかを、判然とさせ得なかった。
利用出来る間は利用しよう、 ....
生きていたらね
冬を越えて
桜を
見よう
光と共に




{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
祭司クーラスは、アイソニアの騎士たちにとっては、影のような存在になった。
いつもどこかで、その目が彼らを見据えていた。
国王の加護があるとはいえ、祭司クーラスは不安だった。
アイソニアの騎士は、 ....
魔導士エインスベルと、アイソニアの騎士とは、
互いに無二の絆で愛し合っていた。
しかし、その床を共にしたことはない。
エインスベルは、どちらかと言えば男勝りの性格であったのである。

祭司ク ....
ここで{ルビ祭司=ドルイド}クーラスの話をしても、良いだろう。
クールラントの王は、アイソニアの騎士やエインスベルたちの活躍に、
難色を示していた。彼らがいつかはこの国を、
乗っ取ってしまうので ....
雪くもり一枚厚着のクリスマス
唐揚げ買って恵比寿で家路
{引用=ひえびえとする
部屋の冬
ふゆとよぶものか
ぶるぶる
ふるえながら
つめたくなる
部屋のなかで
るびを
ふり
ながら
ふるえだす
たとええない
わたし

ちぢ ....
梅雨が明けた
夏の
青空に入道雲が
わくわくとしている。
空気の匂いが
夏を知らせる
夏を歌う私の魂
とくんとくんとくんと……
脈打つ

どこかで今
雨は降っている。私の
悲し ....
銀河の岸で
小鬼の私
星の亡骸に
歌を歌う
「さようなら ありがとう」と




{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
ルクソスの街の反徒たちは、オークの兵たちの支援を待っていた。
いつか、彼らが自分たちを助けに来ると。
しかし、レ・スペラスのオークの兵たちは、
わずか五十名ほどが送られてきたに過ぎない。

 ....
クールラントの歴史のなかで、もっとも厄介だった出来事の一つが、
ルクソスの街の反乱である。
ルクソスの街の反徒たちは、オークの国レ・スペラスの後援を受けていた。
そして、自分たちこそがクールラン ....
笑えないのがいけないのか
笑われることがだめなのか
春の夕陽が斜めに校舎を切り取って
ぽかん、とそこだけ取り残されたような
学童保育の真ん中で
君は三角形に座ってぼくのお迎えを待っていた
 ....
カーガリンデの土地では、
エインスベルが結界を張って街を守っていた。
そこにはもちろん、アイソニアの騎士の姿もあった。
エインスベルの張る結界は特別なもので、誰にでも作り出せるものではなかった。 ....
この地ヨースマルテには、エインスベルのグループと同じほどの、
武勇を兼ね備えた集団がいくつもあった。
その一つが、ラディアの街の黒色槍兵団である。
ラディアの街とは、もちろん軍国ラゴスの都のこと ....
おお、生命よ、おお、死よ。
お前たちは一続きの存在であるのか。
わたしたちが四つの天国、あるいは四つの地獄に向かうとき、
わたしたちは生命という糸を手放すのだろうか。

そして、死はわたした ....
{ルビ理解=ゎゕ}るのは家族と飼い犬それだけの歌をうたふる土人の世界

明日の果て所有非所有無に帰して光りの海ゑ還る{ルビ詩=ぅた}ゐ手

指紋あり声紋ありて{ルビ言=こと}の{ルビ葉紋=はも ....
手のひらにすっぽり
おさまった石
しばらく握りしめていた
握るものがあるだけで
力をぐっと込められた

あなたに渡すと
温かいと言う
返してもらうと
たしかに温かい

わたしの手 ....
愛を知らなかった
愛を知らない僕は
絶望、乾き、寂寥、孤独
に満ちていた
笑うことさえ忘れて
愛のない暗闇を
ひとりで彷徨っていた
この地獄化した世界で
生きてゆけるのは
イザベラ、 ....
冬晴れの
光あふれる
居間にいて
母の背中と
光をわける




{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
さみしい風が背中を押して
私は星空を游ぎたくなる
真冬の澄んだ空気に包まれて
星から星へと旅をする

煌めく星々はシナプスそのもの
繋がり点滅し
やがて内在する宇宙へと導く
内側は外側 ....
     1
あなたは確かに

削り出された回廊も
水滴したたる洞穴も
鈍色に輝く捨てられた斧も

あなたは確かに

美しい人よ 
眼差しの涼やかさよ
あなたは一つの奇跡
空蝉 ....
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