「ハーレスケイド? そんな幽冥界の名は聞いたことがありませんが?」
「それもそのはずだ。他国の文献には載っていまい。
 ハーレスケイドは、時間が止まった冥界、とも呼ばれている」
「冥界? それは ....
「エインスベル様は今、虹色の魔法石による結界によって、
 リーリンディアの監獄に封じ込められているのです!」
ヨランは勢い込んで言った。その急な変化に、エイミノアも圧倒される。
「どうかわたしに ....
精神が折れている
水道のカランの水漏れを修理するのを
交換の必要な内弁と
修理の為の工具を買ってきてから
二週間以上も先延ばしにしてしまった
確としたやる気が起こらない
明日野郎はバカ野郎 ....
「それは出来ない。ライランテの諸国家では、内政干渉は禁じられている」
「それは平時の場合でしょう。今もしや、再び戦乱が起きたとしたら?」
「それはない。アースランテもファシブルも、今や戦いをする余 ....
そこは、地下室のような場所だった。辺りは薄暗い。
しかし、盗賊ヨランには暗視の能力があった。
その隣で、エイミノアは逡巡している。
「ここは、きっと牢獄のようなものでしょう」ヨランが言う。

 ....
指に指の毛が生えていること
永いあいだ、すっかり忘れていた

まだ僕に夢も希望もあったころ
いつかの祖父らと田植えをしたのに
チーズ

雪解け

かりんとう
未舗装の砂利道の上、うろ覚えの英語でルー・リードのWalk on the wild sideを口ずさもうとするんだけれど、あらぬ方向へ跳ね回ってどうにも様にならない

緩んだままのスニーカーの靴紐 ....
その時、窓ガラスの割れる音を聞きつけた衛兵たちが、
部屋のなかに駆け込んできた。「オスファハン様、どうしたのですか?」
「遅いぞ、お前たち」「はっ、申し訳ありません。そして、その者たちは?」
「 ....
(この短時間に、話をエインスベル様のことへ持っていくとは……)
エイミノアは、感嘆していた。盗賊ヨランは、ただ者ではないのかもしれない。
エイミノアは、ヨランとオスファハンとを交互に見つめた。
 ....
{ルビ朝=あした}の香りはかそけく、まだ醒めやらない眠りのなかのように。

梅の実がオレンジに色づいている。母は、その二つ三つを手折り。

そよ風に吹かれて、体の熱が解かれてゆく。ああ、わたし ....
目をつむり
こころの
闇を見つめると
聞こえてくる
光もある



どこを見るともなく
宙を
ぼんやりと
見ている時がある
どこかのここで



宇宙が生まれてからずっ ....
ヨランの後に続いて、ゆっくりとした足取りで、
エイミノアが執務室の床に飛び降りる。
「おや、これは何の真似かね? 戦士をわたしに差し向けるとは?」
オスファハンは、いささか困惑したように呟いた。 ....
オスファハンの周りで、いくつもの炎が揺らめいた。魔法の衝撃弾である。
これならば、窓ごとヨランたちを吹き飛ばすことができよう。
ヨランはにやりと笑った。そして、窓のサッシに手をかける。
エイミノ ....
「ヒスフェル聖国でも、エインスベル様は戦犯なのだな?」
エイミノアが囁いた。ヨランはゆっくりとうなづく。
「それで、お前はいったい何をしようとしているのか?」
「それは、時が来れば分かります。エ ....
エイミノアとヨランとは、オスファハン邸の壁を昇って行った。
時折、窓から中の様子が見える。そこでは、
侍従たちが始終忙しそうに立ち働いていた。
それもそのはず。オスファハンはヒスフェル聖国の筆頭 ....
人間は一人立つ余地があればいきてゆけるものだ
人間は愛するものをうしないつづけてつよくなれる

だれもふりむかない路地裏の暗闇のなかに人生があったり
戦場を迎える兵士は誰に誕生日を祝ってもらえ ....
二〇二〇年十三月一日 「学園紛争」


 ぼくは同志社大学の1980年度生だ。1980年度に入学したって話だけど、ぼくの大学一回生の後期の授業は、学園封鎖で潰れた。後期テストはレポート試験だった ....
その人の思い通りに
ならないからって、
私が気に病むことはない。
遠雷
今日も私を生きる



いろいろと会話したら、
他の存在のために七割位
自分のために三割位の
力などを注ご ....
盗賊ヨランと傭兵エイミノアは、
オスファハンの邸宅の前に佇んでいた。
「おい、ヨラン。オスファハンへの取次はもう済んでいるのであろうな?」
「取次ですか? そんなものが必要でしょうか?」

 ....
「祭祀クーラスは何よりも政治を重んじる人間です。
 ですから、前言を翻せば、多くの者が彼から離反すると心得ているのです。
 今、エインスベル様は、アースランテとの戦争を引き起こした、
 政治犯と ....
さんがつに 
ひさびさ
にほんのつちを
ふみしめた
あなたは
とてもあたたかかった
いっしょに
ふとんに
はいっていると
ゆたんぽつかおう
なんて
おもいもしない
だから
そ ....
いろんな事が
次第に
しまわれていく

いろんな事が
くすんで
薄まっていく

病むこと
悩むこと

立つこと
断ちきること

見ること
省みること

言葉を ....
「どうやらお前は、わたしの知らないことを知っているようだな」
エイミノアが静かな声でヨランに話しかける。
二人はすでに、夜の森に向かって歩き始めていた。
もちろん、野営の跡は消しておく。誰が疑心 ....
盗賊ヨランはにやりと笑う。
その笑いの意味を、エイミノアは推し量れなかった。
「くそっ、これはエインスベル様を助けるための旅ではないのか!」
「あなたにはまだ焦りが見えます。エイミノア様」

 ....
もしもの時も
何とかなるよ
だめな時はだめになるだけ
だけど終りが来るまでは
またね



{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
強烈な光が瞬いている間に、エイミノアは三体のグルレッケを葬った。
(敵にも焦りが出てきている。人の造りし物に怯えているのだ)
ヨランは、盗賊にしては不気味なほどに落ち着いていた。
(これが、エイ ....
エイミノアはヨランの皮肉など意に介さなかった。
続いて、第二、第三のグルレッケへと向かってゆく。
狙うのは喉元。致命傷になる部位だ。
「ヨランの攻撃と合わせて、これで半数のグルレッケは葬った」
 ....
今日も
色々とあった
でも
何とか今日も
おやすみできる



{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
・溜まる夜、純度の高いチバの声

・サーストン、ムーアの覗く錆びた海

・処方箋、カート・コバーンの夜は更けて

・膝小僧、覗いた先のシド・ヴィシャス


・ライダース、Oiた身体で ....
ひだかたけしさんのおすすめリスト(7753)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
オスファハンと盗賊ヨラン(十一)- おぼろん自由詩1*22-7-8
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田植え- クーヘン自由詩10*22-7-7
令和4年7月7日(木)- みじんこ自由詩2*22-7-7
夏の始まり- ちぇりこ ...自由詩322-7-6
オスファハンと盗賊ヨラン(七)- おぼろん自由詩1*22-7-6
オスファハンと盗賊ヨラン(六)- おぼろん自由詩1*22-7-6
短歌雑詠- おぼろん短歌1*22-7-6
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オスファハンと盗賊ヨラン(二)- おぼろん自由詩1*22-7-4
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詩の日めくり_二〇二〇年十三月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*22-7-4
※五行歌_三首「宙の月」- こしごえ自由詩3*22-7-3
オスファハンと盗賊ヨラン(一)- おぼろん自由詩1*22-7-3
盗賊ヨランの旅(十二)- おぼろん自由詩1*22-7-3
あなたはあたたかい- Giovanni自由詩4*22-7-2
おしまい- シホ.N自由詩122-7-2
盗賊ヨランの旅(十一)- おぼろん自由詩1*22-7-1
盗賊ヨランの旅(十)- おぼろん自由詩1*22-7-1
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盗賊ヨランの旅(九)- おぼろん自由詩1*22-6-30
盗賊ヨランの旅(八)- おぼろん自由詩1*22-6-30
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Rock'n_川柳- ちぇりこ ...川柳4*22-6-29

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