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終章 「冬日和」
「豪州産切落とし牛でいいんよ! これと、鶏のモモ肉にしよ」
「お肉、八百円いってないわっ」
「タレはさ、こっちの使い切りサイズで料亭の味っていうフレーズの ....
第八章 「戦力外通告」
私を乗せる診察ベットのキャスターは、真夜中の廊下をキュルキュル滑
りながらレントゲン撮影室へ向かう。再び救急医療診察室へ戻って来ると、
若い当直医はデ ....
第六章 「死の砦①」
「な、見て。またやってはるわ……『松の廊下』」
「ほんまやなぁ」
午前の館内清掃へ向かう若手職員らが足を止める視線の先には、主任と
副主任の姿。 ....
第四章 「メモワール」④
「なんなん? あのベット」
四歳年上の先輩の木崎さんが、病室の西側の壁へピッタリ寄せて在る空
ベットに目を向けた。敷かれる古びたスプリングマット ....
序章 「橋」
瀬田川に架かる鉄橋に軋む音。光の帯は今を、過ぎた。
友人の引っ越し祝いで新居を訪問した帰り、瀬田唐橋の欄干から眺める
そこに拡がるものは、時の流れすら呑 ....
Introduction :
冬の風がもうひたひたと吹きつけています。そんな季節になったのかと、なんだか意外な思いのように感じながら、書き始めています。いま、コンタクト・レンズでは ....
*1つのティーカップ1
整理するとこういうことになる。
まず、彼女は交通事故にあった(それは君の元ルームメイトから後で聞いた)。そして、幸いに怪我は軽症で済んだのだが、君は ....
*レモネード1
初対面の君とあんなにも長く話し込んでしまったことが、僕にとっては意外だった。でも、案外芸術家というのは皆そういうものなのかもしれない。自分以外は皆お客さん、そういう ....
このせまい場所をそっと歩いて下さい
豊饒な広い土地も
このエメラルドの光が囲む
この胸ほど広くはない
――エミリー・ディキンスン
....
その日、二ヶ月に渡る療養の挙句に会社に見捨てられた私は、まっすぐ家に帰る気にもならず、電車にも乗らずに当てもなくぶらぶらと歩いていた。田舎の高校を卒業して六年間、特別な野心も意欲も無いまま働き続けた仕 ....
7.コーダ
その数日後、葉子は数カ月ぶりに弟に連絡を取った。あの日起こった出来事については、自分の幻覚か幻想か分からなかったので、話さなかった。ただ、自分の気持ちだけを素直に話すこ ....
4.退屈な仕事
結局、葉子が次に就いたのはやはり退屈な仕事だった。中学校の非常勤講師。それを選び取るのにも数カ月かかった。弟は姉が再び音楽の仕事に就けることを喜んだ。ただし、葉子に ....
憂鬱のかげのしげる
この暗い家屋の内部に
ひそかにしのび入り
ひそかに壁をさぐり行き
手もて風琴の鍵盤に觸れるはたれですか。
――萩原 ....
*夜明け
ニュース屋が言ったように、一面識もない人間の生死のことなど、他人が分かるものなのだろうか。そう考えながら、Lは夜の間も歩き続けていた。S市の繁華街はそれほど広くはない、い ....
*精神病院
今から1年ほど前、Lは精神病院に入院していた。そこでは何もかもがおかしかったし、何もかもがおかしいことが正常だった。
人というのは、その置かれている環境にすぐに ....
……小曲は終わった。
木枯のような音が一しきり過ぎていった。
そのあとはまたもとの静けさのなかで音楽が鳴り響いていった。
――梶井基次郎「器楽的幻覚」
....
ふたが空いてしまう。
でも、鍵はしていなかった
おもたいふたでもなかったし、
あかない理由もなかったのだ。
蓋が開いてしまうと思う。
水がたくさん入っている。
それから間違えも入っ ....
物心ついた頃にはTVがウチに居座っていた。
自分の運命よりも他人の運命を察しては笑い、憂う…
そんな日々を疑うことなくたぶん、続けているのだと思う。
こんな環境を半世紀以上続けられていること ....
ホロウ・シカエルボクさんの詩について。氏の詩は長いです。そして起承転結もはっきりしていない。そのことが氏の不人気につながっていると思うのですが、ここは忍耐力を身に着けて、氏の詩を最後まで読んでみるべ ....
感情なんて、ずっと奥深くで眠らせていたのに、
なぜに、君は、それを起こそうとするのですか?
私は、まだ理性だけでいたいのに。
男でいたいのに。
君は、私の中の女を目覚めさせようとす ....
8月19日(土)、
セミの、声がする。僕には、認識出来ないことが多すぎる。分からないことは、ほとんど想像力で補っている。セミは風鈴のように、ただ自然音として鳴いているのか。それとも、あるべき寿命の ....
電気ポットの内側に、「ここまで」という表記があり、いつもそのずっと手前までしか水を入れられない。なぜきちんと水を満たさないのか、と言いながら、夫がコップから水を注ぎ、ぴたりと「ここまで」に合わせて ....
ボクの住む街の駅前にナントカ銀行がある。建物のガラス窓にはポスターが貼られていて、たぶんイメージキャラクターなのだと思うが、若く溌溂とした女優さんがこちらを見て笑っている。でもこの女優さんは、小学校か ....
日差しは木漏れ日のなかに差し、青葉は道を確かめてゆくように私の歩みの中に風と戯れていた。
新しい日々が、五月の若い初夏に緑は深くまた私を誘っている。
私は永遠のなかの刹那になかに生きている。
....
ねーもし美容院がプールだったらどーする?(水着きて行くね)じゃーもしはーちゃんのほっぺがなくなっちゃったら?(ほっぺ早く生えてくるようにごはんたくさん作らなきゃだね)もし女の人同士が結婚したかった ....
おわりに……人は何をもって詩を書くのか?
この文章において二度、「批評は批評論である」と書いたように、批評とは一個の創作たらざるを得ないものです。批評とは、作者が同意するにせよ、し ....
第七章……そもそも詩とは?
再び、秋の夜です。「〈根源悪〉の原体験/異邦の恐怖(改訂8)」」という詩を批評し終えて、わたしは少なからずほっとしています。この批評はリアルタイムに書き ....
第六章……詩との対決
さて、ここまで書き進めてきて、読者諸氏はこの小論に何を見出したでしょうか? ひだかたけし氏の作品の卓越性でしょうか、あるいは詩というものの歴史的な側面でしょう ....
第五章 詩心の行方
ここまでお読みくださった読者諸氏(とくに、その原典を当たってくださった方々)には、ひだかたけしという詩人の作品を読み解くことのスリル、そしてその詩心について、い ....
第四章 詩の価値とは?
批評というものは、長ければ長いほど良いというわけではありません。わたしが、長めの批評を書くのは、ある対象について書くのに、一言では言い表せないものがあるから ....
ひだかたけしさんの散文(批評随筆小説等)おすすめリスト
(204)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
鏡像_【改訂】
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リリー
散文(批評 ...
6*
24-3-25
鏡像_【改訂】
-
リリー
散文(批評 ...
5*
24-3-23
鏡像_【改訂】
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リリー
散文(批評 ...
6*
24-3-20
鏡像_【改訂】
-
リリー
散文(批評 ...
6*
24-3-19
鏡像_【改訂】
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リリー
散文(批評 ...
5*
24-3-16
いんとろだくしょん&アレグロ①
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おぼろん
散文(批評 ...
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24-3-6
青空とレモネード④
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おぼろん
散文(批評 ...
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23-12-29
青空とレモネード②
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おぼろん
散文(批評 ...
4*
23-12-26
青空とレモネード①
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おぼろん
散文(批評 ...
4*
23-12-24
水の行方
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ホロウ・ ...
散文(批評 ...
4*
23-12-23
音楽と精霊たち③
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おぼろん
散文(批評 ...
2*
23-12-22
音楽と精霊たち②
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おぼろん
散文(批評 ...
1*
23-12-22
音楽と精霊たち①
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おぼろん
散文(批評 ...
1*
23-12-22
Lの昇天③
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おぼろん
散文(批評 ...
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23-12-19
Lの昇天②
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おぼろん
散文(批評 ...
2*
23-12-19
Lの昇天①
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おぼろん
散文(批評 ...
2*
23-12-19
メモ
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はるな
散文(批評 ...
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23-11-13
いまはもうだれもいなくなった
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ナンモナ ...
散文(批評 ...
3*
23-10-25
ホロウ・シカエルボク氏の詩について
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おぼろん
散文(批評 ...
5*
23-9-22
眠り姫
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ルルカ ...
散文(批評 ...
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23-9-6
日記、あるべきことの哀しさ
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由比良 ...
散文(批評 ...
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23-8-24
メモ
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はるな
散文(批評 ...
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23-7-3
死んでゆく爺ちゃんや婆ちゃんたちへ
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atsuchan69
散文(批評 ...
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23-6-22
木漏れ日と風
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荒井 修 ...
散文(批評 ...
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23-5-31
メモ
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はるな
散文(批評 ...
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23-5-20
読むことのスリル──ひだかたけし小論(9)
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おぼろん
散文(批評 ...
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23-3-24
読むことのスリル──ひだかたけし小論(8)
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散文(批評 ...
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23-3-23
読むことのスリル──ひだかたけし小論(7)
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23-3-23
読むことのスリル──ひだかたけし小論(6)
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散文(批評 ...
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23-3-17
読むことのスリル──ひだかたけし小論(5)
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2*
23-3-17
1
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