いまさらで
死ぬの生きるの気が引ける
恋の終わりって遠くを見るよね
旗をふれ
白く正しく潔く
あすはこの手でさわれない恋
酔ってみた
ほんのり赤いほお撫でて
酔 ....
うれしくてうれしくて
とてもさみしげな青空を背景に
ひとりバカみたいに
笑ってる
とおい記憶をたよりに
あの海へ行けるのか
子どものころなんども行った
あの夢の中
のろいなど
....
茂みから覗く瞳に偽りはないけれど、誰がそれを信じるだろう。
瞳から涙がとめどなく流れてゆく。
何もかも失った訳ではないけれど、愛するといったところの愛とは一体何なのだろう。
信じるも ....
扇風機がまわる まわる
風車のように まわる
地球のように 天体のように
くるくると まわる まわる
風をおこし 夢見るように
まわる まわる
まわり 立つ
止まれば たおれる
May ....
おにヤンマを捕まえて
その片方の足に糸をくくりつけて
飛ばした
それは
ほんの遊び心だった
子供の頃の
無邪気だったから
その残酷さに
何も気づかなかった
そうこうしてい ....
廃墟化した団地に蝉しぐれが木霊し
紫外線にへこたれない夏草が生い茂る空き地
眼をやれば月見草が微笑んでいる
幸せも 不幸せも 絶望も 希望も
混濁し合いながら曖昧な執着へと向か ....
驟雨が街を過ぎ
それから爽やかな風
陽の光が差し
窓の外から深く青い空
この大地で
たくさんの戦いがあって
たくさんの人が消えた
ああ 思い出したくても
決して思い出せない
....
開けた勝手口へ涼風が届いた。
胡瓜と茄子のお礼にと、今朝早く。
三日前から、とある乙女の目のまえで
ユニコーンの角を
風が撫でていたのでしょうか。
その風がわたしに届いてくれたころ
吹きさらされた
こころの扉を叩く音が聴こえます。
....
さよなら ´
入り口も出口もなく 近さも遠さもない声の内にあなたの裸体は張りついている
通り雨のような服のなかをあなたは歩いて帰り 、わたしは通り雨のような服の袖口であなたを見失う
....
今日のKQ電車はゆれる
こんな日に限って
いつも以上にゆれてる
ゆれてなんぼなんやろか
ゆらしてなんぼやろか
こころは、こころは
かっくんって
こころが、こころが、
かっくんって
....
覆水盆に返らずなんて言う
盆があるだけ良い
あわてて水を掬いにいったら
盆を膝で割ることもある
かなしみのふち
小さなことが気になって
大きなことがどうでもよくなって
大きなことに気 ....
雄と雌の蝶々が交尾しながら
日向臭い宙を飛び回っていた
周囲はいちめんの花
公園のベンチ椅子は壊れかかっていた
私もいつか死ぬに違いないが
今は死にたくない
壊れかかったベンチ ....
寂しげな
潤んだ瞳がポケットの
奥に見えてる、天涯孤独の
奔放な夜を過ごして目覚めたら
ふたりのベッドの
横には姿見
溶けるように
銀河の底に沈ませたい
三日月、 ....
あたしが
まだ赤ちゃんだった頃
産んでくれたかあさんの乳房は
あたたかい海のようだった
あたしが
まだ赤ちゃんだった頃
とうさんは
ただの一人の男の人だった
あたしがまだ赤ちゃ ....
初代ネットナビゲーターの某氏が亡くなったらしい。
高校野球・第三試合が終わった後のNHKニュースで知った。
投資家で大学教授・・・著書のタイトルは平成生まれウケを狙ってか、
「僕は君たちに武 ....
遺影などに目がとどまると、
この世の者ならぬ者となられた者の、
超自然的な力にすがりつければ、
などと虫のイイ妄想をつい抱いたりしてしまう、
事がしばし多くなってしまった気もする。
自己不安 ....
憎しみも
羨望も落胆も
今は山道の腐葉土やゴミムシの糞となって
ころがしておこう
葉がはかすかにさざめき
木の樹皮はなめらかにひかり
木漏れ日はさらさらと山道に塗されて
山道を歩く人 ....
しじみに砂を吐かせた。
僕もそろそろ白状しないといけない。
時間は鏡に写らない
写す事はできない
だけど
今こうしている間にも
刻々と経過している
人間はそれを計測するために
時計を発見し発明した
日時計
砂時計
などの原始的な時 ....
お日さまをつかんだ
ちいさな手、まだ開かない開かない
蛍になるか、星になるか、それとも
お月さま、猫の瞳かもしれません
お日さまをつかんだ
ちいさな手、まだ開かない開かない
ギュッと握 ....
張り詰めたガラスはため息を吐くように割れていった。冬の静寂にすべて諦めたように、身を投げた人びとのように、ひと息に去りゆくものの気配に、なにが言えようか。握りしめた石を凍った池に投げつけていた幼い記憶 ....
日曜日、忘れないように。
天使の羽より軽いエアコンの風を
貰って来たのです。
さんまんきゅうせんはっぴゃくえん。
でした。
それでも、心は、冷えません。
憎しみばか ....
閉めたブラインド
風が隙間を探してる
湿ったコットンが
乾く場所を探してる
少し開くと一気に
夜行列車のように
光の数珠が流れて来る
一瞬見える青空に
涙を吸った雲が浮いてた
....
母方の墓参りを済ませて
自転車で80分
父方の墓へ向かう
記憶に残らない事柄を脳の表面で思い
たどり着いた私の感情はほぼ透明だった
リュックの中の飲み物をふたくちみくち飲みトイレを済ませて
....
君の幸せは、もう、静かな心臓へ帰るといい。
夜間飛行のともしびが、
寒い砂漠の夜空に灯るといい。
君の笑顔は、もう、私の部屋から出て行けばいい。
そこで砂漠の闇のような心と ....
さやかに聞いた
竹の花が咲くゆめを
みどりと土の色の混じる
薄暗いさなか
ちいさなとかげが
わたしのひふを すべる
魂が
つまっていたという
どうして うえつけ ....
立って見ていたんです
枯れた幽霊が言ったんです
真っ赤な薔薇の庭園に立って
ありのままの姿で生きられること
こそが人生の勝利だと
美しさを求めるのなら
人の醜さばかりを探し ....
ひかりのつくり方は だれも教えてくれない
水の配合を間違えたことで 白く霞む朝に
きみの浅い微睡みは
錆びたダイヤモンドのように 美しく堕ちていく
レースをまとった瞳の透過は
い ....
入道雲は白く眩しく
石鹸の泡のように
見上げる心を洗う
タンポポの終の棲家にも似て
どこからともなく聞こえる
蝉の声が弔いのようで
魂が白く丸いと気づく
飛べる気がする
あの雲に帰 ....
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