一方、そのころエインスベルも迷いのなかに包まれていた。
イリアスの所在は分からない……エイソスの報告では、
フランキスがイリアスを連れてどこかへと赴いたということだった。
アイソニアの騎士はその ....
 手をコピーする。左手をコピーして、右手を
コピーする。腕をコピーする。左腕をコピーし
て、右腕をコピーする。顔をコピーする。光を
見ないように、目をつむってコピーする。肩と
胸をコピーす ....
躓かぬように
丁寧に均した心に地平線はあるか

太陽はそこに沈みゆくのか
月はそこから昇るのか

それでお前は納得がいくのか
安らかに眠れるのか
みてみて あの二の腕、ボンレスハムみたい

黒レースのアームカバーの上に お肉が乗ってるわ

しかもあの表情はなに? 彼氏のイケ・メンタロウ君に向かって、仏頂面

きぃぃ なんなのよ なん ....
若い日は
友とゐること
愉しくて

言葉を選ぶ
こともなく

心をつなぐ
日々でした

ひねた大人は
難しい

かしましいひと
耳障り

マイナス思考も
お断り

 ....
新調の薄刃でカット瓜サラダ

鋏持つ手に群れ来たる藪蚊かな

実の重く曲りしままのとまと熟る

子のメール一喜一憂俄雨
舌鼓打ちつ鰻丼五つ口

昼寝覚寝起きの電話{ルビ喧=かまびす}し
 いつからか

 私のまわりを古びた影が踊るようになった

 冷たい唇を
 心臓にぴったりとはりつけて
 やがて
 血汐をすいとってしまうのではないか


   だが
    ....
 その視線はどこを見るでもなく
 誰を みるでもなく
 そして何に
 留まるでもない

 体になじむポロシャツと
 洗いざらしな作業ズボン姿のおじさん

 きっとシルバー人材センターか ....
{ルビ昨夜=よべ}の雨雫そのまま丸い瓜

空の青残る夕暮れ蚊遣り焚く
街では亡者たちがうろついてる
目的を忘れた間抜けたちの群れだ
どんなに掃除をしても街路は汚れ続ける
どんなに愛が溢れても醜い憎悪に変わる
焼き立てのパンにピーナッツバター
幸せの理由なん ....
 夜

月明り
独り暮らしが始まっていた
絶望も希望も寝静まり
生活が一つ転がっている

 朝

目が覚めて思う
生きていた
しかも快晴だ
何にもないので
布団を干した

 ....
ボクの住む街の駅前にナントカ銀行がある。建物のガラス窓にはポスターが貼られていて、たぶんイメージキャラクターなのだと思うが、若く溌溂とした女優さんがこちらを見て笑っている。でもこの女優さんは、小学校か .... フランキスを戸惑わせている事柄がもう一つあった。
それは、ライランテ大陸の東方にあるヤーコンの諸国家群の意向である。
彼らは、アースランテと足並みをそろえようとしていた。
そうして望むものは、も ....
フランキス・ユーランディアは戸惑いの表情を隠せなかった。
それを見て、イリアスが口を開く。
「貴方の面貌を察するに、交渉は上手くいかなかったのですね?」
「ふむん」フランキスは目を上げる。「貴女 ....
緑陰のベンチ二人{ルビ来=く}一人去る

遊び場の遊ぶ子居らぬ夏木立
 地元走るローカル線を無人駅で降り
 山裾へのぼる細い道で足を止めた
 通りすがりの一軒家

 茂る枝葉を被った鉄の門
 奥に木造の二階建て
 軒下には蜘蛛の巣が灰色の層になっている

 ....
たぶん、”世界-1”と記したって”世界”が分岐し、
もう戻ってくることはないのだと言いえないとも言えない。
どうせ、明日もたぶん地球は自転してもいるが、公転も
しているのだから。

 ....
夏陽がじっくりと焦がす
白い坂道の曲がり角
大樹の木陰、繁り合う枝葉
セミの声
見上げる少年と虫捕り網

身体を揺らしながら
爪先立って手を伸ばす少年
ぼくは坂を下り  ....
昏い山路の
{ルビ渓=たに}に来て
青葉の重く
なお青く

片は断崖
細い道
互いに気遣い
すれ違う

少女と来しは
いつの日か
ことし十八
大人だね

桜吹雪の
あの ....
くねりたる山路に安らふ木陰かな

渓流の水音高く身の涼し

夏山のけぶる稜線はるかなり
ふんぞりかえっても
かりもの
つぶでできたわたし
つながることで
ここにある

+++

わからないけど
わからないことが
あるんだろうな
ってわかっている
けんきょてそういう ....
 
 
 既に色褪せて重たく落ちている花片を
 踏みながら歩む林の中は
 もう黄昏ている

 椿林の木立
 わずかな隙間から
 聞こえる波濤のどよめき

 腰をおろしてみなさい
 ....
満潮の{ルビ潮香=しおか}いや増し裸の子

公園の大樹に涼むベンチかな

齧りたる李音なす程の熟れ
 「うまそうやなぁ!」
 いきなり頭上から降ってきた補佐の声
 昼休憩時
 開いたわたしのお弁当

 ほうれん草の胡麻和え
 切り干し大根の煮物に出し昆布の千切りまで入り
 かぼちゃの含 ....
先生は
ただ先に生まれたから
先生なのではない

先を生きているから先生なのだ
上にたつのではない
先を歩く
一番前を歩く
一番雨風を受け 一番苦しい道を歩く

そうして道を開いて ....
ダンボール箱の中に
座布団をしいてすわる

箱ごと横に倒れる
易しい

後ろは勇気が必要
でも易しい

前は難しい
膝があるから

前回りに一回転して
戻れたらクリア

 ....
 日本海に春の来た時は
 静かに 静かに
 目をとじてみると
 生命ない小石が激しい息吹をもらす

 波 寄せる毎
 丸くなり
 カラカラ カラカラ と
 妙に乾いた音たてて
 踊り ....
つい、さきほどまで
天国と地獄が
綱引きしてましたのよ。
でも
結局のところ
天国側の負けでしたわ。
だって
あの力自慢のサムソンさまが
アダムさまや、アベルさま、 ....
梅雨空の果てしなく続く闇を越え、野山の果てに虹を見るかな。

今年最初のアジサイを見た。それでどうとする、我もなきにして。

日々徒然な、なんともなしに歌を歌う。哀れはいずこ、我には無くして。 ....
ひだかたけしさんのおすすめリスト(7759)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
エインスベルの迷い(一)- おぼろん自由詩1*23-6-26
コピー。- 田中宏輔自由詩14*23-6-26
地平線- 印あかり自由詩4+*23-6-25
ボンレス・ハム子さん- 短角牛自由詩5*23-6-25
若い日は- けいこ自由詩8*23-6-25
今朝の状況句- けいこ俳句3*23-6-25
寛ぐ日には- けいこ俳句1*23-6-24
鎮魂歌- リリー自由詩4*23-6-24
朝のシャンソン[まち角9]- リリー自由詩9*23-6-24
今有るものは詠めないよ- けいこ俳句3*23-6-23
咆哮の特性- ホロウ・ ...自由詩4*23-6-22
One_Day_- 空丸自由詩1623-6-22
死んでゆく爺ちゃんや婆ちゃんたちへ- atsuchan69散文(批評 ...4*23-6-22
フランキスの戸惑い(二)- おぼろん自由詩1*23-6-21
フランキスの戸惑い(一)- おぼろん自由詩1*23-6-21
駐車場使用禁止の公園- けいこ俳句1*23-6-20
引幕(「廃家」[まち角8]改訂)- リリー自由詩7*23-6-20
なんでもない事- ナンモナ ...自由詩3*23-6-19
坂道と少年。- 田中宏輔自由詩12*23-6-19
渓の青- けいこ自由詩4*23-6-19
渓谷にきて- けいこ俳句2*23-6-18
ほーほけんきょ- 日朗歩野自由詩3*23-6-18
南の果の岬- リリー自由詩5*23-6-17
夏の日常- けいこ俳句3*23-6-16
愛妻弁当- リリー自由詩3*23-6-16
先生- 日朗歩野自由詩3*23-6-14
秘密- 日朗歩野自由詩1*23-6-14
橋立にて(「小石」改訂)- リリー自由詩7*23-6-12
メシアふたたび。- 田中宏輔自由詩11+*23-6-12
短歌雑詠- おぼろん短歌3*23-6-11

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