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一日中、降っては止みを繰り返した雨に濡れた街が、僅かな街灯の明かりに照らされて終末のようだ、新しい靴のソールは穴だらけの歩道の水溜りを完全に拒んだ、俺はそれをいい兆候だと感じていたんだ、風が弄るみ .... それは、どこから始まったのかわからなかった、部屋中に蚕の糸が絡みついているかのように白く、いつもそこにあるはずのものを認識することが出来なかった、いつもとは違うにおいがした、あまり適当な例えを思い .... 僅かな振動、それは肉体の中で生まれていた、リズムが求められ、理由は求められなかった、進展が求められ、完成は求められなかった、渇望は凶暴だったが、今夜はそのまま表現されることは望まれなかった、暴風の .... 暗く冷たい夜の中に
きみはわずかな羽織ものだけで
どうしてそんなふうに
軽やかに歩いていくのだろう
止まったままの時計台の針が
過去に溺れて行くぼくのようで
見送るのもそこそこに
静 ....
その日、二ヶ月に渡る療養の挙句に会社に見捨てられた私は、まっすぐ家に帰る気にもならず、電車にも乗らずに当てもなくぶらぶらと歩いていた。田舎の高校を卒業して六年間、特別な野心も意欲も無いまま働き続けた仕 .... ずっと鳴らしていた真空管ラジオが
ブツッと言ったきり黙り込んだから
彼の代わりになるようなものを探しに
電気屋に出掛けることにした
駅の近くの大きな店
ウンザリするほど照明の眩しい…
 ....
表皮を焼くような冬の陽射しの下で蛇玉のようにうろついた焦燥は冷蔵庫の中で鎮魂歌を求める、その下の段で賞味期限を数日過ぎたグラタンが世界を呪いながら変色していく、何も食べたくないと思いながらボ・ディ .... 停留所からバスが走り出した瞬間に、ずっと昔見た夢を思い出すような漠然とした感覚が迷子になっていることに気付いた、噛んでいたガムを捨ててあまり混んでいない喫茶店を探す、近頃じゃそんなことさえままなら .... 歯痒い思いをしたのか、それとも、迫り来る死に抗おうとしているのか、群青色の蛇がバ・ダ・ダン、バ・ダ・ダン、と、鞭のようにしなりながらのたうち回っている、俺は、リズムとしては一貫性の無いそれを、パン .... あなたの指先に出来た小さな傷は
血が流れるまであなたにそれを気付かせはしないだろう
あなたの内奥に苔のようにこびりついた疲労は
夜更けのベッドの上で初めて口を開くだろう

聖なるものは狂 ....
錆色の夕陽が世界を、血の雨の跡のように見せる頃、ゴム底に画鋲がひとつ刺さったスニーカーを履いて、ぼくは巨大な工場が立ち並ぶ海の近くの道を歩いていた―なぜ画鋲を抜かないのかって?それはゴム底を貫いて .... 求めているのは本当は音楽ではなく、無軌道な音の集まりなのかもしれない、それは一般的には、ノイズと呼ばれるようなものかもしれない、でもそれには制約が無いし、衝動について語る手段としては、最適なものだ .... 街では亡者たちがうろついてる
目的を忘れた間抜けたちの群れだ
どんなに掃除をしても街路は汚れ続ける
どんなに愛が溢れても醜い憎悪に変わる
焼き立てのパンにピーナッツバター
幸せの理由なん ....
粗悪な要素は瞬く間に蔓延する、そうなったらもうどうしようもない、知らない振りをして、絶対に巻き込まれないように細心の注意を払わなければならない、流されるものはつるんで騒ぎたがる、デシベルの値と真実 .... まとわりつく蛆のような概念を振り払って重湯のような朝食を啜ると世界は絨毯爆撃みたいに騒々しく煌めいていてウンザリした俺は洗面台を殴り殺す、拳に滲んだ血はホールトマトの缶詰を連想させたので昼飯はパス .... 凝固した毛細血管のような形状の幻が網膜の中で踊る午後、飛散した詩篇の一番重要な欠片で人差指の腹を切る、往生際の悪い具合で滲む血の赤は、どういうわけだか若い頃に会うことが無くなった誰かのことを思い出 .... 世界は崩れ落ちたりなどしない、その中で右往左往する無数の個が、語ることもままならず腐り落ちていくだけだ、眠ることのない二四時、薄暗がりの部屋の中空にそんな言葉が捨て置かれていた、後頭部を包み込む枕 .... その日、ボロアパートの一室に帰って来ると、玄関のドアを開けてすぐに、花が一輪投げ捨ててあるのを見つけた。俺は一人暮らしで、花などには興味がない。従ってこれがなんという花なのかもわからない。花を持っ .... どこかにそれがあるんだよ、きみが欲しくてたまらないときには
決まってきれいに隠れてしまうそいつ、油断大敵
見つけようなんて間違っても考えちゃいけない
探せば探すほどどこにあるのかわからな ....
舶来産のまがいもの、これ幸いとばかり抱え込み
国を挙げてのばら撒きショー、さながら非加熱製剤のごとく
テレビプログラムで胡散臭い、司会者と博士のプロパガンダ
いかに安全で素晴らしいものか ....
特にこれといって上手く続けられる仕事もなく、思い出したように働いては数日後には辞めている俺たちにとって、のんびりとしけこめるモーテルなんかあるわけもなく、だから俺たちはいつでもなんとかガソリン代だけを .... 世間、世間、世間世間世間、あんたら世間好きだねぇ、世間っていったい何だい、そいつは実体のあるものかい?そんなにムキになるくらい、素晴らしいもんなのかい?まったくどいつもこいつも二言目には世間ってそ .... 滑落し、転がり、露出した幾つもの岩石に研磨されながら、激突し、砕かれ、折れ、失い、果てしない距離を、途方もない時間を、次第に確固たる死へと導かれてゆく、ただの夜に迎える感情のおおよそにはそんなビジョン .... ときおり
訪れる
叫びの衝動
だけど
そいつを
信じてしまったら
たぶん
終わりの始まりだろう


暖かいとも
冷たいとも
言いがたい
どっちつかずの夜
寝床の中で
 ....
雨こそ降りはしなかったが、街はどんよりとした雲と湿気に満ちていた、人と擦れ違うのが煩わしくなり、小さな道へと逃げ込んだ、歩いているうちに、その先に昔、数十年は前に、死に絶えた通りがあることを思い出 .... おまえはやわらかなうたを抱いて

音のない振幅をくりかえす

サンデー・モーニング、ディランは60年代のまま

新しい世紀にまた産声をあげる

高圧電線のそばで甲高い鳴声をばらまく ....
おまえの首筋は、薄氷のような
心もとない血管を浮き上がらせて
口もとはうわ言のように
ニール・ヤングの古いメロディを口ずさんでいた

空はどぶねずみの
毛並みと同じ色をして
悲しみに ....
もしもあなたが詩人になるというのなら
その時点で未来はすべて捨てなさい
あわよくば名を上げて、などと
考えるのならはじめからやめておきなさい


もしもあなたが詩人になるというのな ....
十四歳のある日
ぼくは
あらゆるものが
きっとこのままなのだ、ということに
気がついた
ひとは、ある種の
限られたコミュニテイは
このまま
もう
どこにも
行くことはないの ....
きみはぼくが
スラックスに隠した
キャンディがだいすき


いつでもどこでも
頬張りたがって
ねえ、ねえ、とおねだり


ぼくは、待ってね、と言い
人目を避けて
さっと取り ....
ひだかたけしさんのホロウ・シカエルボクさんおすすめリスト(102)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
三文芝居の夜- ホロウ・ ...自由詩4*24-2-19
Rend_Fou- ホロウ・ ...自由詩2*24-2-10
密度流- ホロウ・ ...自由詩3*24-1-17
Slip_Away- ホロウ・ ...自由詩5*24-1-10
水の行方- ホロウ・ ...散文(批評 ...4*23-12-23
ラジオが死んだ夜- ホロウ・ ...自由詩5*23-12-12
腹じゃないものが飢えてる- ホロウ・ ...自由詩2*23-12-10
Time_Was- ホロウ・ ...自由詩2*23-11-23
真夜中、路地の終わりで- ホロウ・ ...自由詩4*23-10-17
寝不足- ホロウ・ ...自由詩2*23-9-5
Transit_Time- ホロウ・ ...自由詩2*23-8-14
ノイズの中でなら上手く眠れる- ホロウ・ ...自由詩4*23-7-17
咆哮の特性- ホロウ・ ...自由詩4*23-6-22
詩情よ、その街路を- ホロウ・ ...自由詩3*23-5-12
しらふで死にな(毎日は降り注ぐ)- ホロウ・ ...自由詩4*23-5-8
だからもう一度、初演の舞台の中に- ホロウ・ ...自由詩5*23-5-2
mechanical_ventilator(人工呼吸器)- ホロウ・ ...自由詩4*23-3-20
どうか咲いていて- ホロウ・ ...散文(批評 ...4*22-12-12
欲望のピープサイト- ホロウ・ ...自由詩1*22-9-7
World_quake_sick- ホロウ・ ...自由詩2*22-7-24
ボロボロの壁- ホロウ・ ...散文(批評 ...4*22-2-6
頼むから一人にしてくれ- ホロウ・ ...自由詩6*21-11-27
The_Root_Waste_Disposer- ホロウ・ ...自由詩3*21-10-10
ありがとう、おやすみ- ホロウ・ ...自由詩4*21-10-7
ボロ布のようなマリア- ホロウ・ ...自由詩6*21-6-20
サンデー・モーニング(ダンス)- ホロウ・ ...自由詩3*21-6-20
ヘイ・ヘイ・マイ・マイ- ホロウ・ ...自由詩2*21-6-8
もしもあなたが詩人になるというのなら- ホロウ・ ...自由詩11*21-4-19
十四歳で死んでいったやつらに- ホロウ・ ...自由詩16*21-4-6
キャンディ_アイラブユー- ホロウ・ ...自由詩5*21-3-31

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