アハッ


雨のなか、走ってきたよ

出された水をぐっと飲み込んで

プロポーズした

でもきみは

窓の外は目まぐるしく動いているから

せめてわたしたちはこのま ....
 その日の空は画用紙に、水彩絵の具の青を薄めに溶いてから
 ほんの少し白を混ぜて丁寧に塗った様な色だった。
 山裾を走る県道の側に建つ総合病院で、予約の外来診療を終えた僕は
 急な傾斜が緩やかに ....
高原で野営する
鋭い冷気に
脚を震わせる

焚き火台で
爆ぜた火の粉が
ひとつ ふたつと
空へと昇り
風に流れて消えていく
魂のようだった
僕は思い出す
毀たれた幼獣の宝物や
 ....

うすくのびてゆく
ぼくたちを惑わせる
白い道

やさしげに
解き放つ
未来は
いつだって
まぶしくて
みえない
きみの影さえも

忘れたくないな
忘れてしまうから
輪 ....
 川縁に一人立っていると
 背後を笑い声やら靴音がぞめき行く
 銀閣寺道

 並木続く小径に沿って
 川幅いっぱいを埋め尽くす淡い色
 水嵩を調節する一枚板で堰き止められた花片が
  ....
 週の半ばは通勤花見
 夕空に 陽のうたっている
 調調と 高く
 時に柔らかく触れて
 ずっと 長く

 昨日もそこに
 陽はうたっていたのだ
 ソメイヨシノの薫り優しく
 甘 ....
「私たちのそれぞれにある魂という命は、
宇宙の魂と今もつながっていると思う」
こう書き出した あなたへの手紙。
何気ない今がうれしくありがたい。
窓からの光を見つめて思い出す
たいせつな気持 ....
よすがなく飛翔の初蝶追うてをり

てのひらにはなびら受くや花の下

痛む歯を騙し喰いたる雛あられ
うちの兄は逆子でうまれたらしい。

あたまがついていたので、
たぶん7年後、じぶんも生まれることができた。

タブレットで「お経」を聴いている。

「オオタニ・オオタニ」と世間では騒 ....
いますこし
あなたのかたわらで
あなたのつくる木陰に
わたしをやすめさせてください

かつて
あなたから遠く
遠くはなれていったわたしを
あなたの幹にもたげさせてくだ ....
世界が広いと感じられるのは
未知のものがあると思っているから

悲しいことに今、私は
何もかもわかったと言う

宇宙の神秘、かのデルタ地帯の謎
冒険は終わった

しかしそして
私が ....
ふたり連れ来たり桜に魅せられて

さくら咲き子に送る荷を詰めにけり
あのとき語った
絶対的恐怖とは、
ただ
文明の恩恵を受けられずに
薬が無かったら
なになにで死んでゆく

という
恐怖です。


望月をかけない生を謳歌した
藤原さ ....
ピリピリした歯ブラシを
これでもかと、脇に挟んだ、狭い容器に手で触りきらない夜の掃除機に詰め込む
僕ら、プリントの端に懺悔の様な、なんでこんななんだろ?と潜在意識が思うような
言葉にならない老け ....
 先週は半袖でいられたのに急に
 風の冷たくなって
 靴下も履いていない あの子は
 三ヶ月くらいだろう

 膝でリズム取る
 まだ若い男
 の揺かごに ぷらんぷらん
 あの子のあんよ ....
行き止まり春の小川の瀬音かな

鶯の鳴き音くっきり藪の中
おわりに……人は何をもって詩を書くのか?


 この文章において二度、「批評は批評論である」と書いたように、批評とは一個の創作たらざるを得ないものです。批評とは、作者が同意するにせよ、し ....
距離を取りたいときに捨てコメントのセリフを載せるのは
勉強の足りないおつむから出てくる感情だけど
詩の世界の領域では逆になると感じたとしても、
それにしても個人としては人間性を疑う。

それ ....
貧しくても陽は昇る
と慰められたが
富を握る1%にも陽は昇る
ご来光は闘いだ

「もう武器は造りたくない」
と彼は日記に書いた
書いただけで
今日も陽が暮れた

舗装された道路で
 ....
僕の部屋は世界の一部を切り取ってできた図書館
明るい修道院でフィヨルドの冷たさを内包している

戦争でたくさんの僕が死んでゆく
たくさんの君が失われてゆく

誰も混沌からの道筋を知らない
 ....
第七章……そもそも詩とは?


 再び、秋の夜です。「〈根源悪〉の原体験/異邦の恐怖(改訂8)」」という詩を批評し終えて、わたしは少なからずほっとしています。この批評はリアルタイムに書き ....
第六章……詩との対決


 さて、ここまで書き進めてきて、読者諸氏はこの小論に何を見出したでしょうか? ひだかたけし氏の作品の卓越性でしょうか、あるいは詩というものの歴史的な側面でしょう ....
カツを喰ふ独りの席や春の雨

未だ固き桜のつぼみ雨しとど
 小路を下り来た足が
 民家の庭先にある酔芙蓉の木に
 止まってしまいます
 日差しを浴びる幾つもの
 いくつもの花を
 見てしまう
 どれもがすっかり
 酔い心地
 
 木は通 ....
世界は崩れ落ちたりなどしない、その中で右往左往する無数の個が、語ることもままならず腐り落ちていくだけだ、眠ることのない二四時、薄暗がりの部屋の中空にそんな言葉が捨て置かれていた、後頭部を包み込む枕 .... 順番がきて
名前を呼ばれて立ちあがったけれど
なんて言えばいいのか、なにを言えばいいのか
わからなくって、ぼくはだまったまま
(だまったまま)うつむいて立っていた。

しばら ....
 机の上で
 アレはこうして
 コレはああして
 この角度は写りがよくて
 ここにはフタをして

 ああ、貴男は
 いつもいつもそうだった
 かっこよく 生きたいのですね
 その ....
母の愛ねがい叶うや卒業式

種蒔いて育つうれしい今年春

さくら咲く開花宣言十五日
甲子園出たら親戚増えちゃう現象とか
好きくない

太宰さん出たら親戚慌てちゃう現象とか
好きくない

太宰さん死んだら一族の誉れになっちゃう現象とか
好きくない

乗っかって来るなー ....
第五章 詩心の行方


 ここまでお読みくださった読者諸氏(とくに、その原典を当たってくださった方々)には、ひだかたけしという詩人の作品を読み解くことのスリル、そしてその詩心について、い ....
ひだかたけしさんのおすすめリスト(7752)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
RAIN_SONG。- 田中宏輔自由詩15*23-4-3
白椿- リリー自由詩9*23-4-2
Adieu- Giovanni自由詩7*23-4-2
春の霞- ゆうと自由詩123-3-30
白い川- リリー自由詩8*23-3-30
春の連弾- リリー自由詩4*23-3-29
あなたへの手紙- こしごえ自由詩3*23-3-28
うららか- けいこ俳句4*23-3-28
純粋不持続- ナンモナ ...自由詩2*23-3-27
いますこし、あなたの木陰に- 田中宏輔自由詩22*23-3-27
空に吸われし- りゅうさ ...自由詩3*23-3-27
さくら- けいこ俳句5*23-3-26
無尽蔵- 秋葉竹自由詩223-3-25
未来のわたくしに向けて- moote自由詩4*23-3-25
あの子- リリー自由詩4*23-3-25
てくてくと径ゆけば- けいこ俳句9*23-3-24
読むことのスリル──ひだかたけし小論(9)- おぼろん散文(批評 ...3*23-3-24
それはそれだよ。- 足立らど ...自由詩6*23-3-23
陽気な季節になってきた- 空丸自由詩923-3-23
フィヨルドと地球と弟と- マークア ...自由詩1223-3-23
読むことのスリル──ひだかたけし小論(8)- おぼろん散文(批評 ...4*23-3-23
読むことのスリル──ひだかたけし小論(7)- おぼろん散文(批評 ...3*23-3-23
春の雨- けいこ俳句4*23-3-21
積雲- リリー自由詩3*23-3-21
mechanical_ventilator(人工呼吸器)- ホロウ・ ...自由詩4*23-3-20
四月になると- 田中宏輔自由詩16*23-3-20
独白- リリー自由詩6*23-3-18
うれしい春- けいこ俳句4*23-3-18
人間的な- りゅうさ ...自由詩1*23-3-17
読むことのスリル──ひだかたけし小論(6)- おぼろん散文(批評 ...2*23-3-17

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