どれだけ着込んでも
どれだけ暖房を強くしても
寒さを凌ぐ方法をぼくはまだ知らない

寒いのは冬だからじゃない
寒いのは一人だからじゃない
氷点下を感じているのは
身体ではなくぼくの心
 ....
とにかくネットにいりびったって20年ほどにもなってしまいました。
HNもどれだけつくったのか、定かではありません。
「れたすたれす」っていうのが長かったみたいなんですけど、
「宗像現象」もけ ....
くるくると空が流転する。
葉がさざめく。
海の底を人魚が泳いでいく。

悲しみは積り、積り、
切なさで、
わたしはそれを胡麻化している。

あなたたちも同じでしょう?
細やかなことが ....
水はぼくという暗闇を通り過ぎていく
空気もぼくの暗闇の中で膨張したり縮小したりする
太陽と月の関係のように
光と影の螺旋は何処までも続く

独りで生まれ
独りで死んでゆく
生まれることは ....
  波間で
  花びらを
  持とうとする
  すごい 忘却の速さで


  水のように
  貴方の部屋にいた
  そのことのすべてを
  分かろうとするけれど
  とても ....
僕はあの日のように
ひとしずくの水に戻った
水の精に魅了されたピア二ストは健在だった

瀧のごとく
怒涛のごとく
自由に偏在し
現れては消える
彼の日は今に
今は彼の日に
打ち寄せ ....
通販番組のトマトは未だ切られたことに気付いていない。
事件は既に発生しているのに、この国の警察はまだ動かない。
俺たちは昔からの路をたどりながら
遠い国から来たらしい
ジプシーと蔑まれながら
謡いながら踊る
そうして生きながらえてきた
おまえにもその血はあると想う

旅をするっていうのは
その場 ....
秋過ぎて
名残の風は
漂泊の
想いで刻む
たむけ花

{ルビ荼毘=だび}に付したる
{ルビ骸=むくろ}には
五色に浮かぶ
{ルビ懸想文=けそうぶみ}

てのひらほどく
文様も
 ....
おそらく
この自然には同じといえる
事象はありません

天国と極楽が違うように

希望のシャロンに
輝く未来は到来しないように
さっぱりわからない
まま
死んだひとがいた

けっこう
にくまれていたのかな?

こっちは嫌いじゃなかったよ

けつえんなんだから

法事には行ってたでしょ?

なにかにやぶ ....
惑星は遊覧する
遊ぶ湖は波紋を広げる
目の星が言葉少なくなる
星の磁場が狂う
森の前に立ち尽くす
十階であると下を覗き込む
君の名前を読むことはない
石碑に歌の跡が残る
写真を撮る
 ....
唇を重ねていたら冬の揺れ

喪を忘れ投函したの?叱られる

隙間から寒気も入る倦怠期

いさかいの後に沈黙息凍る

店先に売れ残ってる寒椿

地下にある喫茶の店へ冬籠る

寒く ....
光のもたらす恵みは計り知れないのに
空気より空気感ないよな

太陽光がなくなったら
きっとパニクるぜ
ムーンライトがなかったら
暗黒の夜になっちまう

その昔
俳人松尾芭蕉は旅の途中 ....
パンはもうすぐ焼けると思う
夜が来たり
雨が降ったりする
人間の気持ちを傷つけたくて仕方がないときがあり
着替えて
街を廻る

そんなふうに
蓋をして
砂みたいになっていく
 ....
悲しみを癒してくれるのは
時の流れなのかもしれない

悲しみを救ってくれるのは
寄り添ってくれる愛なのかもしれない

しかし
ぼくらはただ知らないだけなのかもしれない
もしかしたら
 ....
近所の薬局の前の自動販売機。
明らかに避妊具を売っていた

その前を通るのはいつも深夜だったから街は寝静まっていて
暗闇の中にぼんやりとしか見えなかったのに。

ある日自宅アパートに帰宅す ....
言葉というのは
光の反射のよう
どこでどう突き刺さるのか
わからない

まるで迷子の心細さなど
味わったことない顔をして
いつか母になったとき
むかし言った言葉に
埋め殺されそうにな ....
冬の日はどこまでも喉に突き刺さり、痛みと共に脳味噌で弾けるシグナルはいつも、とてつもなく鋭利な刃物によってつけられた鮮やかで細い傷みたいで、呼吸によって生まれるものを俺は血だと錯覚してしまう、勝手 .... 出題例:パンはパンでももう二度と食べられないパンは?
解答例:あの子がトングで配膳してくれた給食の揚げパン。
冬の明け方
お風呂から上がって

ベランダに出て
冷たい風に当たるのが好き

夜空と
寝静まった街並みを見渡して
白い息を吐く

歌い出したいくらい
幸せだけど
気がふれた人み ....
391

  咲くな
      まだ散るな


392
そうしたら今でもって
僕らは僕らに戻って
月はまた月になる


393
えん っていうのかな
すぐに ....
今日は薄曇りのそら
部屋の隅のシクラメンが元気をくれる

ルーティーンには縛られたくない朝
シナモンティーでトーストを

型にはまった生き方なんてつまらないのに
いつの間にか繰り返す趣味 ....
明日が待てない僕の足

進んで 進んで

掴んだのが君の腕だった

見つけた希望に

気付くことのできない鈍感さを

君は鼻で笑ったけれど

あの時の僕は

明日に執着して ....
空っぽのパーティーの肉料理
こんもりとぶ厚い太腿

276,000回のキッスと
体裁のよいオードブル

雑誌のポケットにしまわれたゴシップ記事
インデントされたままの挨拶文みたいなラブレ ....
この街にも いつの時代にも
優しさを宿した瞳は見つめている

みんな人だから
その心の傷口をつつむように
ひとこと優しい言葉を
投げかけたいと
そう思っている

きっと

混沌と ....
朽ち果てて老いて行く
この骨肉をひきずり歩く日々

肉体があるから
しんどい
この幕屋をいでて天に行きたい
主のふところに抱かれて休みたい

弱さ 愚かさ 罪深さに泣くとき
近くにい ....
忘れられない最終の恋を
たいせつな思い出にするなんて
自己愛が強すぎる女みたいで
ちょっと引いてしまう

陽はまた昇るから
新しいまっさらな真っ白な心で
前を向いて恋をしたって、いいんだ ....
つづら坂のてっぺんが赤く燃えて
曲がり角のそれぞれに暗がりが生まれる
それがくねくねと蛇のように眼下の町へ
影法師が一組
手前の角の煙草屋の暗がりからあらわれて
穏やかな夕日にそっと目を ....
時間は止まらない
止めてから
後に戻せない

だから
後悔が生まれるんだ

時間はなくならない

人それぞれに与えられた時間が
日々目減りしてはいくけれど

足らない
足らな ....
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