云わないでねと頼んで生きてきた
あちらこちらに白旗を置いて
逃げながらも逃げずに
なぜ、を振り切って
あの子が笑う
あの子が泣く
あるいは
また泣く
天秤は正しく傾き
なみだ ....
古い本のすき間から
ハラリと一枚の写真が落ちた
見なければ良かったと気付くのは
そこに写る二人の姿を見た後の事
笑顔で写る十年程前の私と 、の姿
繋いだ手を離した日から ....
父は生きる 沈黙の中に
母は語る 夢のような言葉
私は横たわる 足りない絶望を枕にして
川の字になった 冷え切った水槽の中
打ち上げられた魚を三匹
飼って眺めて笑っていたのは ....
僕にとってとかわたしにとってとか俺的にはとか、そういうの無しで、ひとと話したい。君でもあなたでもなく、君でもあなたでもある、個人である、ひとと話したい。
耳を近づけて寄り添おうとするあなたの
頬に触れることは赦されない
私の醜さは
あなたの前では祝福となる
強風の吹きすさぶ耳の中では
秘匿こそが美徳である筈なのに
あなたは一枚一枚
そっ ....
言葉が解けないように
願うしか出来ない
今日もまた
思いが届きますようにと
そう 呟いた
もしも何か贈るなら
花よりもきっと言葉が良い
不格好でも あなたなら
呆れながらも ....
清らかな川辺に降り立った白鷺を見た。
しばらく彼の美しい立ち居振る舞いに目を奪われた。
彼はどこからやってきてどこに向かってゆくのだろう。
なせだか彼を自分と重ねてみた。
少しも ....
自転車のサドルが蝉へ化けにけり
飯盒に詰められるだけ残る蝉
人は皆一人前になると
船の一艘や二艘持つものだ
実際わたしの同僚たちも
それぞれの個性に応じた
それ相応の船を持つ
ある者はボート
ある者はヨット
ある者はクルーザー
ある者はカヤック ....
忘れていた
左側の肩甲骨の少し内側の背骨に近いところ
ここに熱を感じるときは高熱を発する前兆
気持ち悪さ
むかつき
身体中の節々の痛み
悪寒
種種雑多がごった煮されたように
悪いも ....
流民をへて流民にあう
きみは遠い昔の記憶の中の文学少女
すべての物語を読み切れないように
たとえばたった一人の歴史も解析できずに
やはり僕はでくのぼうにもなれない半端者
きみの洗礼を ....
呟きたい言葉はなんだろうか
優しい戯れ言
激しい罵り
慈しみの慰め
否
それとも沈黙
ただそこにいる
それだけでありがたい
だからもうしばらく
こうして居よう
芋
あんまり得意やないんやけど
て とむ がゆうて
しゃあないなぁ
て じむ が
箸をのばしてきよる
なにが 違たんやろ
せやなく
なんで変わらへんのかったんやろ
誰かの思い ....
じっと空間を見つめていると、
何かが聴こえてくる。
実際には何も聴こえないが、
目にうつるものが音を帯びてくる。
色にも音があるのか、
音に色があるのか、
空間は息吹を宿して、
この身体 ....
久しぶりに電話してみる
着信音が十回で、切る
内心ホッとする
まもなく向こうからかかってくる
少し慌てる
「なに?どうかした?」
声を聴いて安堵する
「いやどうもしないけど。今話せるの? ....
先週までのうだる暑さが嘘のよう
公園の木立は重い影を落とし
鬱蒼と風に吹かれているが
家々の庭に
咲き尽くした夏の花々が
どこか安堵したようにうなだれる
もうここからは秋
静かに目を凝ら ....
ゴロゴロゴロゴロ、ピシャー、とか、ドシンドシン、とか、キャーー、とか、ドゴーーーン!!!、のないところに行きたい。すべての悲しい音が音楽になればいい。
最後に故郷に帰った日
灯台に座って
風に舞うとんびを
いつまでも見ていた
神様の木のてっぺんに
命を抱えるとんびたちは
巣に近づくと魔法の笛を吹く
目が回るほど
螺旋に ....
古い温泉街の
しめやかな抜け道を思い出す
真上から照らされる焼けた道は
傾いた屋根の
濃い影ができている
つぶれかけのタバコ屋の角に
赤茶けた古いポストがあって
その手前を曲 ....
忘れかけていた痛みは
何度でも繰り返す
人に与えた痛みは
自らに降り掛かってくる
何度でも
何度でも
忘れさせてはもらえない
一生許されることはないのだと
針の筵の上で
今日も血を流 ....
やめてやれもう死んでいる蝉の声
Wi-Fiの届かぬ蝉となりゆけり
落っことされ踏み潰され地べたで
もんじゃ焼きになったタコ焼き
大量の蟻にたかられ
真っ黒になったりんご飴
未消化のイカ焼きと
未消化のソーセージを
マヨネーズとマスタードと
秘伝 ....
一緒に途方に暮れないか
店は閉まっていた
冷やし中華が食べたかったな
シャツは買わなかった
いいのが見つからなかったな
きっとどうにもならないだろう
誰にも相談できないだろう
ぼくの病気 ....
日に日にくまが濃くなる僕の隣で
彼女はいびきをかいて寝ている
薬をかっくらって意識を飛ばすと
そんなに深く眠りたいとなじられる
愛とか孤独とか夢とか縊死とか
みんな思考の玩具のようだ
恋して子供を作 ....
次郎さんの家は、火の山峠へとつづく
坂道の途中にあって、そのちいさな車
は、登るときも下るときも、まるで不
機嫌な家畜のように、激しく四肢を踏
み鳴らすのだった。
直径八キロ余りの島の真ん中 ....
おちない眠りが揺らす
あなたにわけたのではなく 重ねたのです
星の明かり 電燈の灯り あなたの言葉
偽りが入り込む隙はない 一心
偽りを燃やし尽くし 開ける朝
■■■■■■■■■■
■〇〇〇〇〇〇〇〇■
■〇〇〇〇〇〇〇〇■
■〇〇〇〇〇〇〇〇■
■〇〇〇☆☆〇〇〇■
■〇〇〇☆☆〇〇〇■
■〇〇〇〇〇〇〇〇■
■〇〇〇〇〇〇〇〇■
■〇〇〇 ....
まる
さんかく
原始
くるくる
かたんかたん
とんとん
ぐわんぐわん
しとしと
原始
さんかく
まる
木洩れ日
さえずり
....
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