その視線はどこを見るでもなく
 誰を みるでもなく
 そして何に
 留まるでもない

 体になじむポロシャツと
 洗いざらしな作業ズボン姿のおじさん

 きっとシルバー人材センターか ....
街では亡者たちがうろついてる
目的を忘れた間抜けたちの群れだ
どんなに掃除をしても街路は汚れ続ける
どんなに愛が溢れても醜い憎悪に変わる
焼き立てのパンにピーナッツバター
幸せの理由なん ....
 夜

月明り
独り暮らしが始まっていた
絶望も希望も寝静まり
生活が一つ転がっている

 朝

目が覚めて思う
生きていた
しかも快晴だ
何にもないので
布団を干した

 ....
ボクの住む街の駅前にナントカ銀行がある。建物のガラス窓にはポスターが貼られていて、たぶんイメージキャラクターなのだと思うが、若く溌溂とした女優さんがこちらを見て笑っている。でもこの女優さんは、小学校か ....  地元走るローカル線を無人駅で降り
 山裾へのぼる細い道で足を止めた
 通りすがりの一軒家

 茂る枝葉を被った鉄の門
 奥に木造の二階建て
 軒下には蜘蛛の巣が灰色の層になっている

 ....
たぶん、”世界-1”と記したって”世界”が分岐し、
もう戻ってくることはないのだと言いえないとも言えない。
どうせ、明日もたぶん地球は自転してもいるが、公転も
しているのだから。

 ....
夏陽がじっくりと焦がす
白い坂道の曲がり角
大樹の木陰、繁り合う枝葉
セミの声
見上げる少年と虫捕り網

身体を揺らしながら
爪先立って手を伸ばす少年
ぼくは坂を下り  ....
ふんぞりかえっても
かりもの
つぶでできたわたし
つながることで
ここにある

+++

わからないけど
わからないことが
あるんだろうな
ってわかっている
けんきょてそういう ....
 
 
 既に色褪せて重たく落ちている花片を
 踏みながら歩む林の中は
 もう黄昏ている

 椿林の木立
 わずかな隙間から
 聞こえる波濤のどよめき

 腰をおろしてみなさい
 ....
 「うまそうやなぁ!」
 いきなり頭上から降ってきた補佐の声
 昼休憩時
 開いたわたしのお弁当

 ほうれん草の胡麻和え
 切り干し大根の煮物に出し昆布の千切りまで入り
 かぼちゃの含 ....
先生は
ただ先に生まれたから
先生なのではない

先を生きているから先生なのだ
上にたつのではない
先を歩く
一番前を歩く
一番雨風を受け 一番苦しい道を歩く

そうして道を開いて ....
ダンボール箱の中に
座布団をしいてすわる

箱ごと横に倒れる
易しい

後ろは勇気が必要
でも易しい

前は難しい
膝があるから

前回りに一回転して
戻れたらクリア

 ....
 日本海に春の来た時は
 静かに 静かに
 目をとじてみると
 生命ない小石が激しい息吹をもらす

 波 寄せる毎
 丸くなり
 カラカラ カラカラ と
 妙に乾いた音たてて
 踊り ....
つい、さきほどまで
天国と地獄が
綱引きしてましたのよ。
でも
結局のところ
天国側の負けでしたわ。
だって
あの力自慢のサムソンさまが
アダムさまや、アベルさま、 ....
 日本海に春の来た時は
 カラカラ カラカラ と
 生命ない小石が激しい息吹をもらす

 波 寄せる毎
 丸くなり
 妙に乾いた音たてて
 踊り上がりながら 転げこむ

 海の碧に惹 ....
 


それ は 、無言、の内に

、声 、を発する

なにも 語らない 、有機的な 沈黙 、

 そういうものに 触れていた

雨に、 打ちつけられて

 そうして佇んでい ....
 朝のスープの
 セロリの香り

 悲しかった様な気がする昨夜の夢を
 おぼえていない 朝の靄
 一匙ごと かるくスプーンを動かしていると
 一口ごと すくいとられて胸の中へ流れこむ

 ....
 六月はもう
 むし暑く
 医療用コルセットを巻くと
 腹部が汗でむれる

 窓の外を見ても
 空はどんよりと深い水の色
 濃すぎる緑に
 むせ返りながら
 ものうく

 大気は ....


どの、骨で
鳥をつくらうか。

どの、骨で
鳥をつくらうか。

{ルビ手棒=てんぼう}の、骨で
鳥をつくらう。

その、指は
翼となる。

その、甲 ....
 いく本かの 樹が
 チロチロ陽を洩らす太い枝に一羽きて
 また二羽が来る
 小さな頭を左右に振って
 最初にきた小鳥が身を投げ出すように低空飛行
 今し方 私達が登って来た細道へ向かう
 ....
雨の中 お弁当を食べた

山積みの木の枝を燃やす
離れられない仕事だったから

雨にぬれていくご飯 おかず
服に染みた煙の臭いは
ぬれるとちょっとおえってなる

思いがけず惨めさがこ ....
5月28日
黒いペンで書かれた
カレンダーのさりげない予定
几帳面な字

その翌日
あなたは
日めくりの裏のような
真っ白な予定の永遠に続く
向こう岸へと
踏み出してしまった

 ....
 
 仮設足場組立工事が始まると 
 いつの間にか ダークグレーな防音シートは 
 しのつく雨に暗く、まるで
 封建制度の時代にたてられた牢獄の様に
 そびえていた

 からだのモヨウが ....
 
 熱帯植物のあでやかな緑生い茂る中に
 消えていった友人の後ろ姿
 
 呼吸の度 緑の香が私の心染めてゆく

 樹々の名前など知らない
 私の身体中が
 心中が
 熱帯樹のしめり ....
ゆとりがある
こんなに静かで深くてよいのか

時は深く根を下ろし
かぜはなく 電気は通電している

精神の砂時計は脈々と時のなかに砂を落とし

溢れる歓喜の声は静かに躰中をかけ揺ら ....
日差しは木漏れ日のなかに差し、青葉は道を確かめてゆくように私の歩みの中に風と戯れていた。
新しい日々が、五月の若い初夏に緑は深くまた私を誘っている。

私は永遠のなかの刹那になかに生きている。
 ....
 花の時がすんで
 雨の時が来
 山の青く美しい時がすんで
 薄墨にけむる時が来

 それでも あなたがそばにいてくれると
 私の心は
 ブラインドカーテンから差し込む朝の光に
 床を ....
I あがないの子羊



I・I 刺すいばら、苦しめる棘


その男は磔になっていた。
目は閉じていたが、息はまだあった。
皹割れた唇が微かに動いていた。
陽に灼けた身体をさらに焼 ....
 僕の隣に立つ女は長身でショートカット
 切れ長の吊り目が奥二重
 パーマのかかった短いまつ毛
 手に布製のブックカバーを持っている

 ああ、どうして彼女は
 こんな下地の色に淡雪の様な ....
 灰色の空に
 厳しい線を画いている古城の天守
 何百年の年を支えてきた様に
 あなたは私へ
 愛を 支えようとしてくれている

 それなのに
 私は人の心を
 見つめられ
 ない
 ....
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