きっと夜空に映る
君に宛てられた
ひとつの恋とは
すべての愛のことだろう
きっと青空を想う
君に宛てられた
ひとつの運命とは
すべての宿命のことだろう
そっと静かに
君に奇跡 ....
企業戦士
業績不振
過剰労働
問題蓄積
疲労困憊
飽和状態
戦意喪失
意欲減退
睡眠不足
キャパ超えて
....
夕暮れどき
一日の仕事を終え
石段を弾むようにかけおりて
家路へと急ぐ、うしろ髪を簡素にたばねた初老の少女
時刻を告げるためのモノラルのスピーカーが
懐かしい音楽の一節で
夕暮れのあたり一 ....
わたしは、過去に、 とんでもない事柄を 発言しました。
『泪、涙、るるりら、る、は、私です。他にも使用しています。』と、もうしあげたこととが五年前にあります。事実ではありません。わたしは、るるりらで ....
「おとうさん、わたし、お話かいたの」
きらきらした目をして、澪は、大好きなおとうさんへ、書き溜めたお話の束を両手いっぱいに持ち走り込んできました。
にこりと笑むと、薄い眼鏡の下の目をやわらかく ....
行方不明の小学生3人が見つかった
そういうニュースのテロップが流れていた
冒険したかったのだという
公園で見つかったそうだ
騒ぎすぎだ、なんかへんだ、この違和感は
正 ....
ふと気づいたら
春が消えていることはないか
胸の中から
抜け落ちていることはないか
そして同時に
舞う人はいないか
真っ暗な舞台で
舞う人はいないか
桜色の花吹雪の中で
踊り狂う奴は ....
ゴミが接近して来ると
地獄の業火に彩られて
アンの娘リラが現れる
私語が多いリラは当然
理系進学コースを選ぶ
対戦相手は東大総長で
墨を吐かれて飛行機が
広い田圃に落ちリラは
負けるが ....
鏡に映る人は誰?
姿の無いそくらてすは、遥かな過去から
耳に囁く
――汝自身を知れ
机に置かれた器は何?
音の無い声でぷらとんは、透けた国から
耳に囁く
――ものの背後にいであ在り
....
搔くな といわれれば 搔く
掻きまくる むしろ 血が溢れ出すまで
搔き尽くす その痒みが 痛みに変わるまで
欠くな といわれれば 欠く
欠きまくる むしろ 満たされるまで
欠き尽くす そ ....
色あせたポインセチアの様に
私の心もくすんでしまった
愛も 喜びも 感謝もなく
日々をやり過ごしている
禁欲主義に陥り何をしていても
罪悪感に苛まれる
神の恵みに目 ....
在るべきものは
在るがままに
移ろうものは
流れるままに
人がひとり
岸辺で時を掬っても
何も変わらないことを知った
たとえその胸に
抱えきれない想いがあったとて
....
現実から
逃げて
放置ばかりしているから
どうしようもないところで
現実につかまる
子供のころ遊んだ影鬼のよう
私が私の
影を踏む
たわむれに足を
月あかりの水に埋めて
こがれて こがして
怖くてしわくちゃになったスカートさらに強く掴んで
寄る辺ない
やらせない女の子
インスタジェニックな戦記に酔いしれて
....
下弦の月から放たれたように
斜めに白い線が奔っていた
夜の飛行機雲
こんな時間帯に
ずいぶんと低空に飛ばしている
旅客機か
観測機だろうか、と、君がいって
わたしは感心してたちどまる ....
気のふさぐ冬の朝
落ちてゆく 堕ちてゆく
こころ ひとつ ふたつ
凍てつく川に浮かぶ悲しみは
思考を歪めながら笑った
冷たい風に吹かれても
答えは見つからない
....
仄か香に埋もれてしまいました
夢うつつのなかに
鬱々と引きずり込まれてしまいました
湯に足を取られたかのように
ゆるゆると絡め取られて
沈んだ湯のなかから、見上げたそらは
金の産毛 母さん ....
生きてるついでに
祈ってみよう
生きてるついでに
愛してみよう
生きてるついでに
笑ってみよう
生きてるついでに
学んでみよう
生きてるついでに
悩んでみよう
....
1977年
話しがピーマン
ことばの悲しみ
ぱりん
水溜まりが凍っている
それを指でもちあげる
変なスジがついている
透明だけど透明でない
鳩がなく ....
そんな風にときどき
ためいきをつきたがっている
ぐらいなのに
そんなところへ
Mさんのお話なんかされるものだから
まっ
しろ
になってしまって
いつ ....
俺か
って
嘆いて
頭を垂れたか
それとも
土下座したいのか
かつての自分勝手よ
誰に向かう
その冷えた眼の先
湧水の空
荒涼たる雲を捉えようとする矢は
己に滾る赤い涙は ....
潰してきた
気付かぬふりして
舗道の上の
見えにくい蟻を
踏みにじるように
見て見ぬふりして
胸の奥の
後ろめたさを
正当化するために
取り返しがつかない程
多くの時間 ....
小指ほどの小人が縫い付けているのは、
あかいボタンでした
繕いものは、みるみる整って
小人は、満足げに嘆息しました
小人は、やわらかな綿そのものを布団にしてくるまると
月を見 ....
スツールに置いたスタンドライトの明かりが
薄い紙を透かして
褪せた文字を
一ページさきに触れた指の影に落とす
あてどもなくゆれ 、よぎる
ライオンの夢
ー
眠りが獲物と結 ....
壁掛け時計の針が示す時間を鵜呑みにする前にこめかみに鉛筆を突き立てた、そう、それはまさにくたばる一歩手前のギリギリのところだったよ、ついでに言っておくけどそれは二三時を少し過ぎたところだった、 ....
粘土の
少し油臭くて
押せば形を変える
素直で
拘らないところが
好きで
柔らかいけど
ちょっとだけ固く
抵抗する素振りを見せて
ふにゃりと
沈む
そして
どこまでも受け容 ....
「ゴメンナサイ」
「ゴメンナサイ」
相手の顔も見ず
こうべを垂れて
吐き散らかす
「ゴメンナサイ」は
届こうが
届くまいが
本当は気にしてなんかいない
大量生産される
お気楽な ....
オレンジの冬の色
暖炉の明かり
部屋照らし
ホットミルクの湯気白く
曇る窓に雪が舞う
中古だったコートをネットで買って
私は歩き回る 街を
そんな日曜日の弱い日差しの中を
静かで寒い 一番 そんな日が落ち着くのだった
この先 私の人生はどうなるのかは
何もわからない今 ....
あのひとが脱皮するのを見た
鮮やか
に細く磨き上げた手
の甲
の上を走るふくよか
な血管
に見惚れた
美しさ
が屈託なく笑う声
に蹴散らされ
刹那
するり
と剥けた
....
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