憤るアイソニアの騎士を、盗賊ヨランは窘めた。
「騎士様、もしやあなたは祭祀クーラスを殺すつもりですか?」
「奴は、剣の切っ先でいくら八つ裂きにしても足りぬ。
 幼いイリアスを誘拐するなど、為政者 ....
アイソニアの騎士は、盗賊ヨランからの情報によって、
イリアスがフランキスの人質にあることを知った。
そして、今はアースランテの国内にいると。
「祭祀クーラスめ、奴は何を考えているのか。

  ....
 エロチックな好奇心と
 相性がいい音楽がある
 それは時にバッハでも構わない
 大切なのは

 踊ることだから
 何もかも棄て
 くるくる回り
 捩れ
 戻れ
 くり返すだけ
 ....
求めているのは本当は音楽ではなく、無軌道な音の集まりなのかもしれない、それは一般的には、ノイズと呼ばれるようなものかもしれない、でもそれには制約が無いし、衝動について語る手段としては、最適なものだ ....  よい父は、死んだ父だけだ。これが最初の言葉であった。父の死に顔に触れ、わたしの指が読んだ、死んだ父の最初の言葉であった。息を引き取ってしばらくすると、顔面に点字が浮かび上がる。それは、父方の一族に特 .... 夜の風
びゅうびゅうと吹いている
公園でお茶

遠い空に
花火
しばらくして
ドドーン

身体の力が抜けて
この感じ

少し眠たく
次の花火を待っている

遠い空に
花 ....
距離感の掴めぬ主や蝉の声

畑野菜力尽きたる炎暑かな

一つずつ叶わぬことあり老いの夏
アスファルトにフライパン置いて
目玉焼き焼けちゃうんですって
た、試してみたい
世間の奇人の評判を?
まぁいいだろう

暑い
しかし人間には耐性がある
こうして暑さに身を慣らせば
ど ....
 落ち葉をひろって
 たったそれだけのことで
 一日が眠りつく
 つらい、けれど大切な別離があって
 急にころがる
 あなたの ひとつぶ
 それを どうか嘆かないで

 中心に感じて
 ....
 飾る
 花を一輪、もう
 動かなくなる唇に

 飾る
 短い一生
 不意の熱交換

 飾る
 フレームいっぱい
 ただ ただ笑い

 飾る
 すべらかな不安
 幾何形体
 ....
インスタント闇屋さん
カップのなかで
泣き虫が笑っている
探し続けなきゃいけないものを
かんたんに手に入れようとしたことは
はっきりと罪だったと思うよ

カードは言う、
失う、だが ....
 チーズケーキなんかなかった
 ほんとうはトーフ(チーズのせ)だった
 ワインじゃないこぶ茶

 テーブルの夜を醤油で食べたくなった
 痩せた蝙蝠がいて
 壁のすき間で乳離れをはじめた
 ....
キュウリの青さ、私のアホさ
イメージは鮮烈なのだが水分が多い
こぼしてしまった醤油に漬けて

星の明るさ、私の悪さ
かたじけなかった光線を
分裂する前に結んだ

どぶ川でスイミングする ....
人間何も言わなきゃ
かかしと同じで
どこ吹く風と知らんぷり
烏と一緒に笑っている

一生懸命生きて
人を守ったりしない人が
いることが理解できない
俺は
かかしに頼るしかない旧い農夫 ....
鏡に映る自分
ずっと眺めていると
どっちが本当の自分なのか
分からなくなる

誰もが感じる
そんな感覚

私は目を閉じた
残像だけが残る
闇の世界
その向こうの
鏡の中の私は
 ....
眠れない夜 眠れない夜。
窓の外には月明かりが照らしている。
その一方で、
西の国では大風が吹いている。

雨は来るのか?
雨は来るのか?
期待と不安の狭間で、

心は風鈴のような微 ....
秒針が力なく明日を告げる、残骸だらけの街を抜けていくと海があるはずだ
けれどもあなたは空気の抜けた風船、口づけても口づけてもすうすうと抜けていく
今日のために買った靴を捨て 鞄を捨て 指輪を捨 ....
 あの……おれ、夢見るんですよね、海の。ときどき夢のなかに海がでてきて、おれはサーフィンやってるんです。でっかい波にのってると、そのままヒューッて空に飛んでっちゃったり……あと……パイプ・ラインのなか .... あれこれと計画を練る夏の畑

友来たる土産のメロン未だ固き

{ルビ青嵐=せいらん}や洗濯物の{ルビ翻=ひるがえ}り
部屋の中に集落ができた
小さな集落だった
本家、という男の人が話にきて
畑で採れた作物を
いくつかくれた
学校が無くて困っている
というので、近所の小中学校と
市役所の場所を教え ....
 真夜中に点灯した冷蔵庫の奥であらゆる向きに齧られたチー
 ズケーキが発見された\反射的にわたしもかじりつき\素早
 く体温を加え咀嚼を開始\ねっとりうっとり\うまれるチー
 ズケーキのかがやき ....
ある社会で爆発的に精神病者の数が増えたというなら
何か問われなければならない、どうか

わりといいかげんにできてるんですねぇ、診断というのは
ごめんなさいね、ごめんなさいね

魔女、マジョ ....
みじかい夜が始まったとき
どうすればいいかはわかっていた
どんな夢を見て
どこへ行けばいいかも
その先でかならず
あなたを失うことも
海隔て仰ぐ打ち上げ花火かな

人出増す市民の愉悦夏祭り
可愛らしい小さな花を
踏みつけそうになった
避けようとした瞬間
目の前に大きな木が現れる

よく見ると
あれ?さっきの花?
まさかと思うが

「それってさぁ!
花が大きくなったって ....
始まれば終わるしかない額の花
箱庭や不在ばかりが生って夕
切り落とす音朝顔の青に似て
行き先のないまま咲くの月下美人

ダチュラダチュラダチュラダチュラ寂しい日


 たとえ どうして 流れを {ルビ留=と}める 事 は できない
 時計の 針の {ルビ音=おと} あかい 水 あのときの 紫に 覆われて
 過ぎ去っていく その ことを 情景の 景色に ....
岩の破れ目が血を流す
昔ここで殺された人がいた

岩を鉄槌で砕いて
削る
あなたが付け足した余分なわたしを削る

有名な魔女の判別方法
水に沈めて浮かんでこなかったやつはシロ
浮かん ....
2023年ももう半年・無化しました。
パソコンがつぶれかけで買い替えたいんですけども。
もう童心のかけらも残っていないじぶんにとては、
民間信仰に願うよりも、トホホ・公営博打に賭けちゃう
 ....
願いが叶わなかった日
遠く、命の向こう側から聞こえてくるのは
ニイニイゼミの声
毛穴から染み入り、毛細をとおって
脳内に聞こえてくる

頭上を爆撃機がかすめて飛んでいた
なのに街は箱庭の ....
ひだかたけしさんのおすすめリスト(7721)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
アイソニアの騎士、立つ(二)- 朧月夜自由詩1*23-7-18
アイソニアの騎士、立つ(一)- 朧月夜自由詩1*23-7-18
コレクション- soft_machine自由詩2*23-7-17
ノイズの中でなら上手く眠れる- ホロウ・ ...自由詩4*23-7-17
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩9*23-7-17
夏の夜に- 日朗歩野自由詩10*23-7-16
炎暑- けいこ俳句3*23-7-16
酷暑の夕に- りゅうさ ...自由詩3*23-7-16
なみだ- soft_machine自由詩7*23-7-14
飾られる人- soft_machine自由詩323-7-14
かんたんな闇- はるな自由詩523-7-14
リルケさん- soft_machine自由詩2*23-7-12
キュウリのおいしさ- 黒髪自由詩5*23-7-11
かかし- 野澤 尚 ...自由詩223-7-11
- 銀薔薇自由詩5*23-7-11
それぞれの孤独- 朧月夜自由詩6*23-7-11
風船- はるな自由詩523-7-10
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩13*23-7-10
秋に備えて- けいこ俳句4*23-7-9
集落- たもつ自由詩23*23-7-9
チーズケーキとリルケ- soft_machine自由詩11*23-7-8
意味の節の外- りゅうさ ...自由詩123-7-8
- はるな自由詩523-7-7
三年目の夏祭り- けいこ俳句5*23-7-7
世界- 銀薔薇自由詩4*23-7-7
ダチュラ- はるな俳句323-7-7
Untitled- ryinx自由詩5*23-7-7
魔女の判別方法- 凍湖(と ...自由詩223-7-6
前日記- ナンモナ ...自由詩4*23-7-6
- 山人自由詩13*23-7-5

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