「そうだ。わたしは世界だ」──オーマルに憑依したエランドルの声が言った。
「エランドル様。あなたはいったい何をお求めですか……?」
ヨランは、その一言一言が、何を招くのか、といった恐れに苛まされな ....
埃臭い上着を着込んでは
空の力におちていく
少しずつ
少しずつここへ
どうしてもぼくは

火が両拳をつつみこむ

確かなものだけが
確かに応えようとする


くるくるま ....
二〇二一年十二月一日 「夜の大海の中で」


 ヤフオクで落札した、グレゴリイ・ベンフォードの『夜の大海の中で』が到着した。画像で見た表紙の傷は仕方ないけれど、本文はきれいだった。本体190円+ ....
「お待ちください、アイソニアの騎士様。そして……、
 エランドル・エゴリス様」盗賊ヨランは、その時うやうやしく首を垂れた。
そのヨランの振る舞いに、アイソニアの騎士たちも疑念を抱く。
「おい、こ ....
「ふん。世界だとか何だとか、そんなことが世迷言であるのは、
 俺の経験が教えている。お前は、女だ。男の声を発している女だ。
 俺は、その影に隠れた事実があるなどと、信じはしない。
 化けの皮をは ....
「わたしには、かつて愛している者があった」──その声の主は言った。
今、オーマルは単なる傀儡に過ぎなかったのだ。
その声は、世界の秘密を明かそうとしている。
「今、汝らの時と、我の時とは合一する ....
その時であった。一行の伴である、オーマルが言った。
「我に従え。戦士よ、騎士よ、魔導士よ。今から、お前たちはわたしの僕(=しもべ)となる……」
その声音は、女性のものではなく、男のものだった。
 ....
「話が分かりにくい? そうでしょうとも」と、ヨランは言う。
彼は、今アイソニアの騎士を始めとした一向の、質問攻めにあっていた。
「おい、ヨラン。さっきのあれは何だ?」
「おい、ヨラン。お前は魔導 ....
その者の名を、今は言おう。エランドル・エゴリス──
世界の「再創造者」の名前である。しかし、こう言ったところで、
この言を聞く者には何も伝わるまい。だから、言おう。
エランドル・エゴリスとは、神 ....
豪雨の飛沫を前髪に浴びながら

私は新幹線を待っている

左手は携帯を握り

右手にはスタバの珈琲を持ち

きっと重みは1分1gずつ増えている

また、アナウンスが鳴っている

 ....
ひと山いくらのりんごから
いちばん赤いのをみがいて
光らせて持ち帰る

夕暮れに
朝焼けに
割れるような喪失を持ちながら
生活のすみずみを拭き上げる

その割れが
ひとかけ ....
あなたは
私はあなたのもの
と 言った

華やかな動き
夏の花の笑顔
豊かな体

私は それなのに
恐れていた
こんなに鮮やかさは
私にはいつまでも
とどまらないと

華や ....
良い意味で
もうどーでもいいよ
と思う時がある
何もかもが
大事だから



不幸中の幸いで
命は
助かった
魂という
命が



誰も知らない
私の涙を
私だけは ....
余は高齢ペンギンであるぞ
腰はみじんも曲がっておらぬとはいえ
前傾姿勢が急であるからして皆のもの
頭が高い。
予は皇帝・・してどのあたりがペンギンの
腰であるか?
かくかく しかじか  ....
{引用=今日は、のぼさんこと俳人・歌人 正岡子規の命日で、子規忌。
なので、私の昔の短歌を一首。}



ほんとうはほんとうにしかわからないゆうがたふっとあおい影あお
二〇二一年十一月一日 「現代詩年鑑のアンケートへの返答」


現代詩年鑑のアンケートへの返答

詩集5冊

高柳 誠 『フランチェスカのスカート』
荒木時彦 『(Aの一日)』
長田典 ....
眠るために酔おうとして
酔えない夜は

もうろうと想う美しい
風景が3ミリづつずれてゆく、
神さまの
立ちくらみみたいな世界


天使なんているわけないだろ
そん ....
しかし、そんな憂いとは別に、アイソニアの騎士は、
ヨランの肩を軽く叩いて言った。「そんなに消沈するな、盗賊。
 お前が活躍する機会は、これからいくらでもあるぞ?」と。
そして、呵々として笑う。
 ....
(もっと慎重を期しておくべきだった)と、ヨランは思う。
この世界ヨースマルテにおいては、魔術とは、それが秘匿されているがゆえにこそ、
一定の理解を得られているのである、と。
(もしも魔術が暴走し ....
「敵を滅却したのであれば、それで良いではないか。
 思いのほか、あっけない敵だった」そう、アイソニアの騎士は言った。
そこには、ふてぶてしいという感じは見当たらなかった。それは、歴戦の勇士の言葉で ....
「ヨラン、お前?」と、アイソニアの騎士は叫んだ。
「騎士様。……その疑念よりも先に、お答えを述べさせていただきますね。
 わたしは、魔導士ではありません。ですから、先ほど放ったのも魔術ではないので ....
ざざん! という衝撃波が、一行を再度襲った。
アイソニアの騎士は、依然としてエビ・グレイムの体に取りついている。
ヨランは、「ちっ」と舌打ちする。この盗賊がその心をかいま見せることなど、
滅多に ....
アイソニアの騎士の苛立ちはもっともだった。ヨランですら、いらいらしていた。
だが、オーマル・リケイディアの言葉には、
「強い者は強い、弱い者は弱い」といった、冷めた響きがあった。
彼女は何がしか ....
二〇二一年十月一日 「世界SF全集 第31巻 短篇集 古典篇」


『世界SF全集 第31巻 短篇集 古典篇』が到着した。非常に良い状態だった。満足。 https://pic.twitter ....
いくつもの閃光が、エビ・グレイムの目から放たれた。
それは、ヨランたちが立っている大地に、火柱を生む。そして、衝撃。
──衝撃波は、盗賊ヨラン、アイソニアの騎士、そしてエイミノアを薙ぎ払った。
 ....
だが、アイソニアの騎士はぶつくさと一人ごちていた。
「エインスベル……世界の救い。そこに立ちはだかる『魔女』という言辞……」
それは、エインスンベルのあるべき姿と、厭うべき姿とを、
重ね合わせた ....
「過ち? それは奇妙な言葉です。あなたがたはすでに、ダルザジアの群れを追い払いました。
 それは、このハーレスケイドにとっても良きことです。
 わたし、オーマルは、この世界の代表として感謝いたしま ....
わたしたちは歩く
可笑しなことはないのに
となりできみが時々ちいさく笑う
(なにか間違っている?)
でも訊くことなんかできない

わたしたちは黙って歩く
おおむねすべてのひとたちは
 ....
読者にはまず、このことを思い出していただきたい。すなわち、
ハーレスケイドは時間が止まった世界である、と。
ここ、ハーレスケイドで何万年の時間を過ごそうと、
現世であるアースレジェでは、何秒の時 ....
アイソニアの騎士、そしてエイミノアも、オーマルの前に控えた。
彼らの振る舞いが、今後の彼らのハーレスケイドでの探索にも、
影響を及ぼすと考えたからである。──それは賢明な判断だった。
アイソニア ....
ひだかたけしさんのおすすめリスト(7759)
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詩の日めくり_二〇二一年十月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩9*22-9-12
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ハーレスケイドでの戦い(四)- おぼろん自由詩1*22-9-11
羊雲- 自由詩15*22-9-11
ハーレスケイドでの戦い(三)- おぼろん自由詩1*22-9-10
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