すべてのおすすめ
躓かぬように
丁寧に均した心に地平線はあるか

太陽はそこに沈みゆくのか
月はそこから昇るのか

それでお前は納得がいくのか
安らかに眠れるのか
(まさに、手を替え品を替え
といったところか
いろいろな声で鳴くんやなぁ)

飯食いながら、
網戸に両手で張りつくそいつを見ていた


「このっ、かわいくない
一ヶ月も餌あげとるのに ....
香る。見える。
金木犀と遠く突き抜けるような空
何年経とうが鼻の奥に、目蓋の裏にあるのだから

泣くほどのことでもない。
「思い出す」と書くには頻繁すぎるほど
些細なことが引き金になって
 ....
生きるのが悲しいとき
空がありました
お金は無くとも学は無くとも
愛するものが無くとも
愛されることが無くとも

顔も髪も服もゲロまみれで目覚めて
一言
綺麗だなあ と
呟いたあの瞬 ....
君のわがままを
わたしのわがままを
ぶつけあって割れたほうが謝る

いつの日か粉々になって
混ざりあえたらいいね

写真の中ではふたりが笑ってるから
涙が出てくる
6/1
古いカメラのように瞬きをすると
紫陽花から滴る雨粒が
カリッ、と網膜に光の線を引く

6/2
すれ違う人の柔軟剤の香りにときめいて
振り返ると、彼女の背中に
斑点だらけの黒ずん ....
注がれて、熱くなって、割れちゃった
苦い液体をよくわからないまま漏らしている

シャリシャリ割れながら天井を見回したわたし
あなたはふわりと電気を消した
ください、と言えなくて
くれませんか、と聞いてしまった

人々の影は長く伸びているが
わたしに重なるものはひとつもない
綺麗にしてたつもりなのに
悲しみの中に蜘蛛が湧いた

わたしは掃除機をかけた
ただ、黙って、掃除機をかけた
利用者がうんちを漏らした
トイレに誘導して、ズボンをおろすと
お尻にもデイパンツにもみっちりうんちが付着している

デイパンツを千切って丸めてゴミ袋へ
ズボンを脱がせて新しい着替えを履かせる ....
とうもろこしをもぎると、
骨が折れるような音がして
透明な血がじゅわっと溢れて手首を伝った

舐めとるのに夢中になっていると
入道雲が発達してきた

わたしにはまだ涙が残されている
流 ....
置き去りにされた筆は
黴びて、いいにおいを放ち

窓の隙間から吹き込んでくる青空は
甘く舌に転がりこんでくる
永遠を誓うように

誓われた永遠はキャンパスの上で
苦しみにのたうち回り
 ....
あ、

歌が聴こえる

ほら、よく聴いてごらん

なんだかとても寂しげな歌だねえ

あなたには歌ってほしくないなあ

もしもあなたがこの歌を歌うときは

僕は何をしているんだろ ....
照明の脆い洋食屋

「鮪のスペアリブと海老のステーキを……あとジントニックを」
「かしこまりました」

それで、わたしは待ちました

待っている間、色々なことを考えました
仕事を辞めて ....
【虹色の白鳥】

遠い海に、虹色の白鳥がいるという
羽はとろけるようにやわらかく
飛ぶようにはつくられていない

青い夜を泳ぎつづけて
ああ、まるでひとりぽっち
そういう思いに羽が沈み ....
からっぽです

それはそうと
からっぽなのです

いいえ、からっぽなのです

からっぽなんだってば

それ以上言うこともないでしよ
からっぽなんだから

寂しいよう
じきに夏ですね

わたしの表現は
誰にも奪えませんが

暑さにかまけて
じきに夏ですねなんて言ってみる

新陳代謝で生まれ変わるわたし
青空のもとで血肉を燃やす
風の隣で鼻を利かせ ....
縮れた葉っぱに青虫が転げて
砂利の中に風格ある化石もどき

静かな空におじいさんのくしゃみ
ドクダミの鼻にキッス

川の流れのようなワンピースを着て
牛糞香る路地をのんびり散歩

無 ....
母は美しい
だから母の死体はきっと美しい

閉ざされた瞼にわたしは
小さなダイアモンドを飾りたい
「石なのに、この世で一番綺麗」
耳にツンとくる冷たい声が蘇る……

母の死因はきっと病 ....
ええ 夢です
わたしなど夢です

あなたの目にも耳にも鼻にも残らない
夢です



いちばん隅の机の上で
ちぎり絵をふたりでしました
桃のようなほっぺを寄せあっていました

ぼ ....
【公園】
躁鬱な白熱灯が
葉桜のささやきになだめられて
たわわに実った涙を
鳥が、祈るように啄んで
焦げ落ちた空へと死んでいった


【狭い路地】
ヨモギ色のトタンの一軒家
も ....
水ぶくれに縫い針を刺した
ねずみ色の朝 そうだ、サラダでも食べよう

人参を千切りにする
かなり細く綺麗にできた
玉ねぎの生食は胸焼けするから
レンジでチンして、水にさらして
レタスをち ....
パジャマに血が滲んでいる朝は
なぜか少し早く目覚める
眉をしかめシーツを確認する
空は綺麗だ



わたしを好きと言う
その唇が
おどけにも見えるし真面目にも見える
アイスコーヒ ....
死にゆく蛍がかじった、かもがやの隙間の細い風
すっかり軽くなった腹を抱え
夜霧の中をしっとり歩いている
大きな風に
人の声が洗われて、草木の本当の
美しさを見る日を待ちわびていた

 ....
メガネのフレーム内しか
見えないわたしだから

メガネのフレーム内から
できることを探す日々……

好きな芸人が窃盗で捕まった

みんなから愛されている歌手
わたしは嫌い
自分で詩 ....
霧のつぶが
ここらに留まっている

セイダカアワダチソウが
しっ
と立ち尽くしている


秋は秋でさみしいから
オルガンを弾く
幼き
亡き王女に寄せたこころを
いつまでも

 ....
冷たい茂みのなかで ほほえむように息絶えた

光をともす雨つぶのなかに 今朝はうまれた

冷たい茂みのなかで ほほえむように息絶えた

わたしは傘を差し 家を出る

はじまりがおわりに ....
秋になったから
蝉はいないんだよ

でもお父さん
じゃあ蝉はどこにいっちゃったの

突然青く染まった向日葵

わたしは季節をまたいでまで生きるのかしら

狂うくらい
狂うくらい
 ....
ぬっとり湿った夜の膜を
そっとふたつの指で広げれば
胸を裂くような光のしたを
あたたかさ、なさけなさの影が歩いていた

カーブミラーの歪みのなかの
少しだけ正しい領域を
裸足で歩くわたし ....
桃をおろし金に擦りつけ
埃をかぶって臭うストローを水で洗った
プラコップの水面は穏やか
遠い南国の、夏の海の、奥の奥

レンジから元気のない食パンを取り出して
固いバターをスプーンで擦り落 ....
ひだかたけしさんの印あかりさんおすすめリスト(42)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
地平線- 印あかり自由詩4+*23-6-25
野良猫- 印あかり自由詩6*21-10-24
秋の。- 印あかり自由詩12*21-10-8
生きるのが悲しいとき- 印あかり自由詩820-11-11
写真- 印あかり自由詩520-11-8
6月の日記- 印あかり自由詩9*20-7-1
珈琲カップ- 印あかり自由詩9*19-10-10
臆病者- 印あかり自由詩519-10-5
悲しみの中に- 印あかり自由詩12*19-8-24
障害者支援施設に勤めて- 印あかり自由詩11+*19-8-23
とうもろこし- 印あかり自由詩819-8-10
置き去りにされた筆の言葉- 印あかり自由詩1119-7-28
- 印あかり自由詩9*19-7-21
今日という日は面白いのか- 印あかり自由詩7*19-6-27
虹色の白鳥- 印あかり自由詩16*19-6-7
からっぽ- 印あかり自由詩8*19-6-2
じきに夏ですね- 印あかり自由詩10*19-5-29
楽しいね_楽しいや- 印あかり自由詩10*19-5-22
母の死体は美しい- 印あかり自由詩10*19-5-19
夢でした- 印あかり自由詩10*19-4-26
夜の散歩- 印あかり自由詩919-4-21
_- 印あかり自由詩8*19-4-8
- 印あかり自由詩919-3-29
虐待- 印あかり自由詩11*19-3-12
メガネ- 印あかり自由詩419-3-6
オルガンの景観- 印あかり自由詩14*18-10-29
繰りかえし- 印あかり自由詩1318-7-4
_- 印あかり自由詩1017-9-19
犯す- 印あかり自由詩20+*17-5-25
いただきます- 印あかり自由詩14*17-4-4

Home 次へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する