くるみの内側を
走り続けていたよ
放物線を描いて
世界を広げようとしたよ
僕は
一人ではなかった
君の姿は、
見えなかったけど
くるみのにおいが
していたんだ
僕が目を覚ますときも ....
覚えています
あなたの鼻を触る癖
覚えています
あなたの足音
覚えています
あなたの匂い
覚えています
あなたの寝息
覚えています ....
かたい骨のなかの
やわらかい骨にふる
いっしゅんの雨にうたれて
街はくずれた
犬たちはしんだ
わたしがほろびた
そうして きみへの優しさが
只 ....
*
背を向けて一人の男が寝ている。
一言の口も利かず、黙って、
かなり前から ずつと、
長い ながい時間
心はうたっているのかも知れない
新しい悲しみを
そして
南極 ....
眼鏡の奥の青い瞳が血で染まる時、埠頭から飛び立つ鳥よ、憎しみに湧け。
人間の弱さを自分の弱さと重ね合わせ、逃避する心よ、悲しみに暮れろ。
存在を日々消費してゆく者が夕景に若いエキスを吸い ....
ところで鬼哭尖る。死とろとろのだ。
ログインうたた寝またも彼女。
カレンダー!まるで跪く手紙だった。
内臓をふるまうので首吊りも負かす。必ずだ。
メろめロなウェイトレス ....
友だちが欲しい
強烈に欲しい
家族でも
恋人でもなく
距離がつかめない
触れるのはよしとしたい
力は込めない
触れるだけの
確認できない
みんなさみしさをどう処理するんだろう ....
雪は音を吸い
空間は静寂する
踏まれた雪は含んでいた音を漏らし
ぐもっ ぐもっ ぐもっ
と音をたてる
雪は彩度を吸い
空は鈍色になる
彩度を吸った雪は重くなり
空から落ち
地を白 ....
瞼を閉じると
ピラミッドの中に閉じ込めれている自分が 見える
ときには 女王としてそこに留まって居ると勘違いしているときもあれば
奴隷として 居場所のない居場所に存在していると 思うときもある ....
巨人の星を観て育った
みんな星飛雄馬にあこがれた
飛雄馬は努力と忍耐を
教えてくれた
ゆとりなんてなかった
あしたのジョーを観て育った
みんな矢吹ジョーにあこがれた
ジョーは燃えるよ ....
遺産が残された
ウーピーゴールドバーグが相続する
遺産が比類なく
輝く
恋かと思う
鵺が出て来て
まゆごもる
背の高さも輝く
父も母も散歩に行く
早朝に
シリアルもアーモンドチョコ ....
ソテツの葉が絡みつき 十年に一回輝く
狂おしく悩ましい亜熱帯の夜 何かが生まれる
息を殺して十五夜を待てば 銀色に輝く竹林
闇夜に浮かび上がる 竹に虹のウェーブが架かる
夜のスコールにうた ....
世界がある
世界がうかぶ
捉えようのない空間
捉えようのない生命
科学的に分析すれば
緻密な世界が
波をうち
熱をおび
うごめいている
体系的に渦を巻き
一定のリズムで ....
サーカス小屋に夕げの香りのあたたかさはないのだ
オレンジと黒の渦巻きのぶん冷たく焦げている
騒々しい星々が夜を乳白色に染め混沌とさせている
父母は夜通し外にいて金と切れ端を数えていた ....
いつからだろう
熱病に侵される
戦う南風、こがらし
叶わない。
世間様に顔向け出来ない
恋煩いとかナントカ
ないとめあ
立夏すぎ汗が滲む
上がる躰の体温 ....
充実感はもとより
空白感にも気がつかず
いつのまにか 卒寿の峠をおりてきた
その しあわせを・・・・
....
今朝 クロネコのおにいさんが
水を持ってきてくれた
わたしも持ってみて その重さに眩暈がした
神さまはいのちをくださった けれど
あとは
自分でやりなさいと 死ぬまで
夕焼けを信じます
とても遠くて
あたたかいもの
まいにち見ていても
絶対にさわれないもの
すべての
つくられたものを
だいだい色に
染める絵の具です
女を
男を
....
夏空がひろがる
口をあんぐりと空けて
空を見上げる
夏だなあ
夏空がひろがる
太陽が燃える
まぶしい
口をあんぐりと空け
手をかざす
夏にのみこま ....
もうこれで、と思ったときも
ページをめくると鳥がいた
青色の羽をしていた
羽毛が抜け落ちるのを
少し気にしながら
西日の当たる部屋
ソファの上で笑ったり
片方は詩人で
片方は旅 ....
落ち葉
いちまい
小川にながれる
風が舞う夜空に
架空の黒い壁が
立ちはだかる
うずまく
星雲に生れおちる
子供たち
刹那を掻きむしる
老画家
野望にのまれ ....
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ウジ虫を高い所に置くと
簡単に落ちて来る
ニラレバ炒めの香りにやられて
簡単に落ちて来る
トレーナーのミッキーに
ウジ虫を鍛えさせた
ウジ虫の多種類の筋肉を
広く短く鍛えさせた
ヒキガ ....
恋をしている
が
窓をしている
に見えて
そっちの方が素敵だと思った15歳
青春の炎がみちみちて
いなかった
家の壁が
へっこんでいるので
女ばかりのこの家で
誰がそんな乱暴ち ....
自由の匂いがする
日暮れの風
孤独の味がする
街の夜気
ひとり日と夜
時が流れる
日に光るジンロックの
背徳性
灰色の地に落ちる
北向きの窓
かつての日 ....
満ち満ちた海を見渡していた
水平線が弧を描き
白い波しぶきが
ざわめいていた
空も海もひとつになり
心に青く染み込んでいった
魂に海がすみつき
空もすみついた
私を夏の色にそめ
心は ....
繰り返される日々の中で
身も心もすり減ってゆく
紫陽花が咲く坂道を駆け下りる
雨色の風が頬を撫でる
ここまで生きてきた
どこまで行くのか
わからぬまま
歩く
蛍火はなつかしく揺 ....
気取った言葉はいらない
私の言葉で語れるなら
私の本当を語れるなら
それでいい
私の本当は
私を生かし
私に命を与えている
私を不器用に語る
たどたどし ....
枕は夜の舟
ソバ殻
ビーズ
低反発ウレタン
素材は様々
草木が眠る頃
ボクたちの首を乗せて
夢に漕ぎ出す
地球の半分ではいつも
首無し死体が散乱しているが
肉体の重みから
....
湯島天神の境内に入り
石段で仰いだ空の雲間から
顔を出す
しろい輪郭のお天道様が
遥かな距離を越えて
この頬を温める
あぁ、皿回しの利口なお猿さんが
師匠に手を引かれ
ひょこひょこ ....
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