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砂浜のちいさなたそがれに汐風をうけて
ふとった子蜘蛛が舞い降り詩集の端の水をのむ
大気中のかなしみも八つにきざみ鋏角にはこび
せんべいのように噛みくだかれたこころ
わたしはお前に咀嚼されな ....
露草色の空を
のどかな雲が流れて行く
いつか見た雲が白い蝶をかたどって
私の頭の上を
風に吹かれて飛んで行く

どこへ行くのと手を振ると
今度は白い子馬となって
東の空へ駆けて行った
 ....
「秒針」




いちばんほそい針が
無段階に滞りなく
滑ってゆく
きちんと六度ずつ
かっちこっち
鳴っていたはずなのに
いつのまにか


一秒、
という物差しを
見落 ....
私たちは互いを必要としながら
それぞれの場所で夕陽を眺め
明日の湿度を欲しがり飲み込む振りをする

あなたと私は
埋もれてしまったいつかの夏に
栞を置いたままかもしれない
そ ....
 目を閉じて君を思い浮かべれば
 ほら 目の前に君がいるんだよ
 永遠の10代に憧れる僕
 海辺のカフカじゃないんだからさ
 僕には君とセックスすることを想像できないんだ
 Hなことしか考え ....
たったひとつの言葉

大切な
なくしてはならない
いきている喜び

あなたのもとに届けたい

母の日のカーネーションのように
感謝も込めて

日中の眩い陽射しの下で
踊る蝶々も ....
ドラムカンの 外にはみだしてくる
火の勢いに のまれてく

窓から見下ろした 交差点
流し込んだ 健康飲料水
一回 千円のカットだけの看板

マラソンの金メダルのテレビ放送
セルフサー ....
         2007/05/22


小笠原高気圧に追われて
やむなく上京したと
台風の息子たちが
小遣いをせびるので
梅雨のおかあさんに
怒られるから
内緒だぜと蝦蟇口から
 ....
生まれて
しまった後ならば、
二度と
生まれて
いけないだろうかと、
ひとりごとだけ
生んでみる


いくつになっても
守られるから、
さびしさは
無くならない

幼なじみ ....
春の水を取り
渓流に足を浸すと

新緑の夏は 
そっと 足元を潤す
木漏れ日の交響を 響かせて

汗 拭く 額は生きつづけた

未だ来ぬ 時を
遡行する 魚にたとえ
君は詩を 夢 ....
私の心はあなたのことでいっぱいで

せつなく哀しくなるのです


あなたがいないこの時間

まるで止まっているようで

怖くて怖くて仕方ない


こんなにあなたを想っているのに ....
蜘蛛の巣──繊細に張りめぐらせたレースの装飾
怖いもの知らずの蝶が飛び込んで
ゆれる ゆれる

蝶の羽も絡まる糸も光っている
ゆるやかな午後の陽に なお光を保ち
幼い頃
誰かに見つめられて
動けなくなったことがある
逃げるので精一杯だった
不思議な目だった
そんな記憶を思い出しながら
公園のベンチでうたた寝をする

家でちゃんと寝ようと思って
 ....
路地裏のちび猫は
突入する赤に
踏み出す肢を迷わせる
産み落とされた残り香
ずぶ濡れのステップ

行きずりのハーモニカ犬は
油のしみ込んだ木柱に
鼻先をふがふが押しあてる
かつて高く ....
どちらを向いても なぜかいつも向かい風

「宿命なのさ」と笑う君

つないだ手さえ「宿命なのさ」と笑う君

向かい風にも ふたりで行こうね
ぼくは早くおとなになりたい。
でも、
パパみたいなおとなにはなりたくない。
パパはわるいおとなの子。
ぼくはよい子のおとなになりたい。
だから、
なんでも食 ....
鋼鉄を 遙にしのぐ
美しく、強靭な 折り紙細工の船にのり
飴色のラタンの椅子に腰掛けて
今宵もまた 私の人差し指は、
暗く果てしない 緻密な航路を正確になぞる

航行中もドアの向こう側には ....
いつか そう遠くない未来に
あたしはあなたの名字を名乗るようになって
子供みたいなあたし達が 新しい命を育んで
木漏れ日の中にまどろむあなたをそっと包み込んで

そんな 底はかとなく 幸せな ....
これは正しい
これは間違っている
曖昧はゆるされない
そんな二者択一を
していくうちにある日
あなたが間違っていると
指摘されてしまった瞬間
自分が決めた価値観で
自分が裁かれてしまっ ....
子供は親の分身ではなく
意思を持った他人と思いたい

と同時に
自分の分身でもあってほしいと
少しだけ思いたい

今自分が死んでも
子供は親の分身であるから
生き続けることができるの ....
寂しい夜には

君の好きな曲を聴く

すると 思い出すんだ


必ず 君がそばにいて

必ず 一緒に笑い合って

必ず まだ見たことのない

地平線の先について 語り合う
 ....
   一  アンタレス disk1


君と夜の海辺を散歩していた、
はずなのにいつのまにか
空を歩いていた

頭上に、海
でも今日はよく晴れていたから
涙の一滴も落ちなくて ....
素潜りで
{ルビ鮑=あわび}を密漁する


丹後半島の
夜明け


海で生まれた太陽と
山に入る月の夢、
肩がこる


髭の男が少年や
座礁した五月


白身のま ....
1997
ひらいているのか
ひらいてないのか
ラムネの瓶から転がりだした目で
すべての皮膚が内側からはちきれて
剥かれた/剥いた
滲む赤い体で
そのひとつの透明な血袋が
なににも触れな ....
眠い
体はボロボロ
疲れ果てる
毎日遊ばない

仕事が次から次へと
入ってくる
餃子スープ
いらんかね?

夢と希望と七星テントウ
勝手にやって来て
勝手に去って行く
人に愛 ....
ふいに夕立ち、

道を行く人々
急ぎ帰るなり引き返すなり
笑っている。

うなる空

大粒の水玉

白い歯で
目を細め笑い合う自転車の学生
それでもパンツをかばう女学生
缶蹴 ....
せつなさ

という名の花が

いま咲いている ので


時間という

風の中で

さびしい さびしい と

泣いている ので



あなた

水をくれるぐらいなら ....
あったまに きたんだ
台所に立つ君を観て
たんたんたんたん
包丁と俎の奏でるリズムが
初めて 僕を大きくしようとする
今の自分を
姿見で観てみるといい
君がいけないんだ
たった今 浴び ....
かわいがっていた犬が死んだ夜に
新しい犬を飼おうと思う人がいました

家族、いなくなる為に準備をして
汚れた服を着るほかないのなら
いぶかしそうな視線に
それでも
違います、とは云え ....
乾いた手紙を君に送ろう

元気にしてる?って
始めの言葉

君がいなくなってから
僕は相変わらずの生活さ
なんて言うのも
どうかなって思うけど

少しは頑張っているよ
例えば最近 ....
恋月 ぴのさんの自由詩おすすめリスト(15814)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
メランコリーの砂浜- soft_machine自由詩16*07-5-23
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私たちの欠落(夏の日の)- 藤丘 香 ...自由詩45*07-5-23
- はじめ自由詩6*07-5-23
たったひとつの言葉- 乱太郎自由詩12*07-5-23
火鏡- 砂木自由詩13*07-5-23
小笠原- あおば自由詩12*07-5-22
生まれてみたい- 千波 一 ...自由詩17*07-5-22
渓谷に乾いた音が響く- アハウ自由詩907-5-22
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アンタレス_- Rin K自由詩33*07-5-21
密漁- はらだま ...自由詩29*07-5-21
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I'm_so_tired- ペポパン ...自由詩3*07-5-21
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生平- FUBAR自由詩4*07-5-21
白梅- ピクルス自由詩18*07-5-20
返事は要らない- そらいろ ...自由詩5*07-5-20

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