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もしも今

自らの手で

この世からサヨナラをしたいのであれば

その前にどうか

あなたのいらないモノを

必要としている人々に捧げて下さい

全ての臓器を取り出して

 ....
骨とそこに遺すもの
あなたの生きた証
長い長い踏破の記憶
白く焼けてなお美しい曲線と
関節の摩擦の痕
泥の河を渡り
砂埃の轍を踏み
飯盒番の友を出来上がりの声と共に失い

骨とそこに ....

夫があまり鋭く見つめるから
わたしはしだいに削れてゆく
夫と婚姻関係を結んでからのわたしは
もう余程うすっぺらくなったらしい
強く手を握られると
きしゃり と指ごと潰れるから
か ....
男の歌うファドがながれていた

それを聴きながらヨシミの逡巡を聞いていた

胸が痛いのはヨシミもおんなじだろう

部屋が明るかった

よく効く栄養ドリンクを飲んだあとのようだった

 ....
{引用=
あなたはそこに座り込んでいる
水のような
やわらかくどろっとしたものの真下に
あなたの頭の上では
戦闘機が飛行し
小さな爆弾を
投下していく
あなたの歌う歌が
万人の心 ....
とにかく
兎に角
せっかく真っ新なのに
相変わらず後ろ向きだけど
お粗末な背面跳びで
何かを飛び越えていこう

とにかく
兎に角
せっかく明けたのに
相変わらず手探りだけど
 ....
{引用=ひとりでは淋しすぎていられない
震えて眠る私はうさぎ}

抱いて欲しいって言えたらいいのに
もわもわの毛皮をまとっていても
寒くて寒くて震えてる


{引用=耳を立て周りの音を ....
地中深くに根差した
大きな球根のような欲望と
その真上の中空に漂う
ふわふわふわふわした
空中クラゲのような希望
地上に生えた剥き出しの古木の幹に
粘菌のようにへばり付いた渇望が
すべて ....
写真とは
干乾びた
製造工場の正門の
錆びたポストに居つく手紙の重さで
天を劈く煙突の
かたちを得たけむりが笑っているようなもの
めくれば
白い鍵穴もかすむ季節に
「どこにもいけない」 ....
二十数年ぶりに見た
人の骨は

白く
しっかりとしていた

ついさっきまで
人として
形をなしていたものが

手術台の半分くらいの
てらてらした 
金属板の上にある

寿命 ....
左手の薬指が赤く腫れたのは
とても気がかりだった。


ひろい花畑でパズル
800ピースと空の絵柄
ドアは部屋に続く穴であり
隠れ家であり逃げ道であり
泣き場だった気もしま ....
たんねんに こさえた ゆきうさぎ

あなたが ふりむいてくださらないから

きょうも 赤い目の ゆきうさぎ
い 色恋は風の道
ろ ロケットは落とすもの
は 恥知らず有頂天
に 妊婦忍耐 産んでも忍耐
ほ 星の数よりヘボ詩人
へ へカテ元アフロディテ
と トイレはシステムの始まり
ち 痴漢の ....
届かなかったと
落ちた空 みつめて
眠りこむ 雪を
春が 起こして連れて行く

ここにも そこにも
次の夜が朝から待っている

影で隠している
風の遊び道具

石に座っていた凍り ....
○冬日在居

メダカ動き、妻しきり歓び
めずらしや、めずらしや
と言う
正月、真冬なり、寒し、されど
外は、陽の光うるわしく
時は正午を過ぐ
しきり妻と共
何処へか出向かぬかなど談ず ....
草食系だと
もてはやされたり
馬鹿にされたり

その度に
膨らんで青空を目指したり
萎んで地面に貼りついたり

そんな僕は
サヨナラも言わずに
強制終了された恋を
いつまでも ....
泣きやんだ空のゆううつ
雲のまにまに
トタン葺きの屋根屋根からとびたった
まっしろい小鳥たちのまっくろい足、足、

鎮守の丘をみあげては
向こうがわを夢見る
臥せりがちの少年の
履きつ ....
相方か演者募集!
今宮子供えびすマンザイ新人コンクールか ミスユニバース目指せるかた。
当方、Vo&G(♂)。
ジャンルは、ロック、ハードロック、ハーロック、林家彦ロック どれでも大丈夫です。
 ....
吹き荒ぶ呼吸と
高鳴る鼓動を
つなぐ

乱れ打つ靴音と
待ち焦がれる指先を
つなぐ

縋りつく汗と
呼び寄せる声を
つなぐ

欠け落ちそうな意識と
託された背中を
つな ....
さいしょは地べたにふるえてた

みみをしょんぼりさせていた

飼い犬きんしのマンションの

ちかくは気持ちのいい公園

朝焼けいろの黄いろい景色

それがマリの毛穴にはいっていやし ....
{引用=
先が尖っているので
さらに研ぎ澄ませて
接続しろ
差込口は
広げておけ
僕たちは
友達だ
だから
君の肌が冷たくないように
心まで閉じてしまわぬように
先は
氷に浸し ....
やせることにしました
夜も昼も
私の体は、重たい気がします

持っているものも これから
持とうとするものも 少しばかり多すぎるから

知らぬ間に
体にたまった/たまる澱は、いつまでも ....
コンテンポラリーダンスの舞台で描かれた
ゴーギャンの半生
鮮やかな身体表現で再現された彼の代表作

われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか

鬼気迫るダンス ....
開けた窓から
今朝も差し込む
眩い輝き
静かなささやきに
手を伸せば

置きっ放しの夢の種
芽がちょっぴり顔を出し
出合い頭で鼻をつつかれる
通りすがりの薫りが  ....
りんご畑の中にある家は
白い雪にくるまれて
ここから見えるのは

車庫の屋根の雪下ろしは
小学生の時の楽しみだった
冬休みともなれば一階を埋め尽くす積雪に
よじのぼり一人前にスコップを
 ....
ぼくが生まれた日
今年のように
雪が物憂く降っていた
崩れかけた柱の根
巻き上げる夢の枝先

曇った窓に頬杖つくと
埋もれる氷の柱が
幾本も並んでいた
ぼくは泣かなかったけれど
指 ....
今日の太陽は 虹色
うろこ雲の間から のぞいた その光は 
魚のような潤いで太陽の位置周辺に
虹の同心円が見える
いきもののような 空だ

太陽は 天海を漂っては いな ....
世界が声を失くしても
消えない音符と手を繋ごう

脳が奏でる
たった一つの音楽

外国語よりうんと近くて
私が使う日本語より
少し遠い言葉達

その歌の中に自分を見た
その人 ....
道端に 雪をかぶって
うち捨てられた人形は
さぞや寒かろ さみしかろ


あの日も
おなじくかがやいて 
うなる風に 耳をすませたら
ぼくがぼくであるための
拍動の 確からしさが
 ....
今日はデイトだよ
クリスマスは会わなかったから
本日は大晦日だけど

アタシは時給ヒャク二十円で働く
障がい者だよ
お互い出費は少ないほうが
助かるんだ
事情があって逢っているわけだけ ....
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