自由にのびのびと泳がせてくれる人と
長続きするのだなと今さら知る

海水魚を飼っていた時
気遣って水槽掃除をしてくれた夫が
水温センサーを水に戻さなかったので
海水魚たちはみんな煮えました ....
それぞれのはなしのはなしきまぐれにとり散らかしておりまして


鱗雲やきつきすぎて目からうろこくもって、そら、あきがきたらしく


まっさらなノートの白にたじろいでやれることすらで ....
親指と人差し指と中指で
支えるように持つのは
箸と鉛筆と歯ブラシと
お道具箱のひきだしの中
噛み跡だらけにしたのはだあれ

初めて手にした六角形は
金色のトンボがついていた
削っていく ....
【わすれがたみ】
ある夏の日
百合の花柱を
みつけました
薄紅に透ける花弁には
まっすぐな いのちの
いとなみが ありました
それは
ふと おもいだしたくなる
この夏の わすれがたみ ....
サブジェクト+オブジェクト+ヴァーブ
実に簡単な言語だが更に省略しても意味を伝えられる
私はこれを「単語中枢直撃型」と言っている
欧米の言語では単語一つで目的を果たす例は稀だ
キル つまり「殺 ....
夏の次が秋だったあの頃を探しに
ぼくは今、 油切れの車輪を引き摺ったまま
秋の消息を訪ねて旅に立つ

窓枠の中でそっと にこやかに手を振り
石のような白い空に はぐれてゆく僕の影を 
 ....
ドーナツに吸い込まれるまでは好きだった 書き連ねられた言葉には偽りがあるだろう、それが真に正直な思いなら初めから言葉などに化けはしないだろう、何か引っかかるものがあるからこそそいつは言葉に化けた、正直な言葉など万にひとつ .... 順位のない星占いの English 誤訳しないで誤読してみる


90度で固定された視界からチラシのようなありふれた空


袖口の緋色の染みに宿るX 左手と眼と記憶を喰った

 ....
雨がやんでしまうまで恋人  
所変われば旨さも変わる

しかも賞味期限つきときたもんだ


あんたとあたいの正しさも、そんなもんだろ



 
木に止まる一羽の鳥 蝉の鳴き声にうんざりしている
巣では子供達が餌を待っている {ルビ蜥蜴=トカゲ}を狙ってるの
{ルビ叢=くさむら}には{ルビ飛蝗=バッタ}や蜥蜴が沢山いる
子供達の大好物 ....
大学院を出て一般企業に就職したとき、世界の構成が全く変わってしまったかのようで、新しい世界はとても新鮮に私を打ちのめし、また楽しませた。何よりも、アカデミックな世界が間接性の世界であるとす .... 秋の草指切りしたる姉妹かな ぼくらは言葉を繋げて
この暗い宇宙を何処まで渡って往けるだろう
一冊の詩集が時を越えることは
真空パックの棺が難破船のように
意識の浅瀬に漂着し鮮やかに燃え上ることだ
死んだ詩人についての{ ....
水はある
でも流れはない

花は咲く
でも土はない

枯葉はある
でも樹々はない

鳥は飛ぶ
でも空はない

音はある
でも音楽はない

陽は昇る
でも朝はない

 ....
夜はまるでペテンのようで、目に映るものすべてがいけ好かなかった、齧りかけの林檎は放置された他殺体みたいでもう口にするつもりなどなかった、脳味噌にしのびこむサッドネスの形態はタペスト .... タンス                  太宰を愛読した母に
               
私は息を殺して そっと 新しいタンスに耳を当てている
朝から、母がタンスから出てこないのだ
怒りの ....
それに巨費を掛けるな
当面の問題を解決する
絶対優先なのである命

月に行って何を得た?
石っころと砂だけだ
不毛と言って良い

貧困と飢餓
国防予算や
宇宙開発の
予算を使えば ....
レベル7になりました/惑星報道をお伝えします/詩人を乗せたタイムマシン11号は地球から十一億光年の地点を通過しています/孤独に浸るにはあと九億光年ほどお待ちください/続報です/タイムマシン11号は旺盛 .... バスに嫌われて
長々と道路を歩くと
軍鶏に辿り着く
軍鶏と言う名前のトラックが
走って居ただけの事
黒くスプレーされて居る
「軍鶏」の文字

トラックの荷台で
「王朝残酷史」を読んで ....
秋の早朝に闇が労働している
自然界全体に宛てた命令書を作成しているのだ
到来する秋は恋人のように必ず去っていく
闇は労働のリズムを自然界に分け与えている

街路を歩いているだけで ....
あなたのことが
一番好きだってこと

否定する必要もないし
大きな声で叫ぶ必要もない

大きな声で叫ばれたら
むしろあなたには迷惑だろうし
僕にとってもマイナスかも知れない

だか ....
鈍重な静寂が
沈痛な壁に反響して
この部屋は死人の居ない葬式のようだ
つい数分前の
ヨーロッパのロックの記憶も
たいした穴を開けることは出来なかった
たいした穴を開ける ....
無医村で新蕎麦を打つ整体師 それでも無性に
奇蹟のような
あのしょくもつへ
生理ではないが
舌は時折
のびようとして
それがとても
せつない葛藤だ
労働者にと工夫され
提供されつづけて
AD201 ....
打ち上げ花火の残骸が今頃になって降ってきました

何光年も遠くの飴玉がキラキラ物語を演じています

ヘリウムガスでお腹を満たした風船がもうすぐ見えなくなりそうです

カラスの群れが赤く燃え ....
いつのまに窓があいたのだろう
生きものみたいに絡まった衣服を
わたしのものと、
あなたのものに
分けるときにはじめて
からだが千切れるように感じました
なんなりと なんなりと
幌の中 豚小屋に 鬚の集まり
空間に 靄がモヤモヤと
薄い光 浮かぶ薄い感情

言葉では表現できないものを
言葉で表現する

団子 机 足跡 名前
叢 飛蝗  ....
灯りを消すと
窓辺に並んだ heinekenに


欠けるときに
分散された
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