指の隙間で結晶化する高濃度の殺意を洗浄しようとしてすべてが化膿する記録されない洗礼の日、鋼鉄の悔恨はカルシウムの欠片のように胃袋の底でごろごろと感染を続けていた、嘔吐の予感は十二時間も脅かし続 .... 自称詩人は
高い確率で
犯罪者であると
NPO法人「自称詩人の家族」が
発表した

一昨年中野で発生した
女子中学生失踪事件も
23歳の自称詩人が
「私は詩人だが、送ろうか?」
と ....
「酒たばこシンナー遊びは身の破滅」
 いきなり飛び込んでくる。誰も見向きもしなくなった看板だが、私にはぐっと来た。
 交差点、ちょっとしたバスの待合所がある。何度も通った道にも関わらず ....
           160327
根羽ならぬのか毛声に
根羽ならぬのか毛声に
ネバナラヌノカケゴエニ
ギボンの雌が悲鳴をあげて
軍舟の上に落ちてきた
子を攫われた悲しさに
腸が割けたと ....
これは植物由来成分配合弱酸性無香料で敏感
肌にも赤ちゃんの肌にも使える人にやさしい
化粧品ですとうたわれたりおどらされたりし
ているあいだにシアバター・ワセリン配合に
シアワセを見つけたりする ....
木の枝が先端から腐り始める
雲はその重たい体を
大儀そうに持ち上げている
光は決して明るくなく
まぶしいとしか感じられない
意識にはあぶくが混じり
まなざしは途切れてばかり
体も ....
小さな穴を掘って
小さな埋葬をした
小さなかなしみに
小さな花を供えた

小鳥には翼があるから
虫のようには眠れないだろう
空を忘れてしまうまで
地中で長い長い夢をみるだろう

 ....
何かの気配に目という耳を澄ますと、
背後に誰かの指をみた。
振り返ると、
目から耳を、
耳から指を、
指先から声を垂らした、
私が立っていた。

私の指先から垂れる声は、
ひどく力な ....
縄跳びに入れない跳べない桜 「誠に勝手ながら…」
 とくれば、こう続くのが世の倣いである。
「○○日と○○日は、お休みさせて頂きます」
 大型連休、盆休み、正月の他、不定期で休むときなどにも、よく見かける。こん ....
《ひどい! わたしの蕾に粉砂糖したの
姉さんでしょう
《あなたがはしゃぎ過ぎなの
わたしはまだ帰り仕度の最中よ
《ああうるさい こんな早くから蝉はよして
まだうたた寝したいじゃない
《駄目 ....
微細なノイズが連続する頭蓋の内壁で半端な崩落のまま凝固した自我が瓦礫の隙間で高笑いをする午前の一瞬、極限まで見開いても目視ままならぬ目と麻痺した鼻腔の捉える嘘、甲状腺の異常の懐 ....  前方から、二台の自転車がやってきた。幼い女の子と母親である。ときにハンドルをくねらせ、お気に入りのアニメソングさえ、聞こえてきそうである。女の子は自転車に夢中だった。その後ろに母親。ごくあ .... 保育所が足りなくて
子供を預けられない
働く母に提案です
あなたが働く間
子供を凍らせて
仮死状態にしておくのは
どうだろう
家を空けている間
子供は冷凍庫の中で眠り
母の帰宅ととも ....
若き日々の夕べには
その日一日が再び始まるような
ばねに似た体が憩っていた
未来は豊饒で過去は僅少で
乏しい過去で圧倒的な未来を
懸命に跳ね返していた
青々とした木の葉のような
 ....
戦争は始めるよりも
終わらせる方が難しい
近年の世界情勢を鑑みるに
そんなことを言う人も居て
そうだねといいながら
家は建築するよりも壊す方が簡単だ
重機でバリバリとあっという間に平地にし ....
太古から受けついできた生命を
父と母から受け取って
生まれ出たあなた

いま 
腕を広げ 
足をのばして
世界の広さを
たしかめている
じゃまするものは
もう ないでしょうに

 ....
原発事故を
誰よりも望んでいるのが
反原発主義者であるという喜劇
それは、巨人の敗戦を
期待しているのが
当の巨人の選手であるという悲劇に似ている

全力を尽くして
得られるものの方が ....
2016年3月21の吹雪
   対
マイルス・デイビス
 「Bye Bye Blackbird」


      コーヒーの湯気と
      古いポートレート
      中心を射抜 ....
幼い日
デパートで迷子になって
必死に母を呼んだ
フロアをひた走り
血眼で母を探して
大声で母を呼んだ

その呼び声は
今も私の中で響いている
私はそれを聞きながらも
日々 ....
霧吹きのような雨はふかみどり

胸の奥まで吸い込んで

わたしは森になる

しばらくすれば

じゅうぶんに水を含み

耳を傾ける

彼らは

永遠を指し示すこと ....
たわんだ黒の両端から
すべりよる
無数の
整列した たましい
(のようなもの。

ひとつ
また
ひとつ、
ゆるやかに
おちてゆく
とうめいの夕陽たち。

拒んでいるのか
倦 ....
何が起こった
何を知った
何かが壊れた
音だけがする

誰がいるんだ
何を見るんだ
遠くの街で
音だけがする

白いラバの背で
赤いバラを見た
硬い声がした
あの音とは違 ....
母の頬を打つ
鋭い音が私の底に弾けて沈む
窓から漏れる灯が全て真っ赤に爆ぜる
影絵が暴れ出す
玄関口を喪服の村人がぞろぞろ出て行く
四角いお供え物に母の骨を携えて

母の頬を打つ音が隣の ....
流木を咬んだら
水母になり
口のなかを泳ぎまわる
喰っても呑んでも
まだ 居つづける
雨の日の多い季節が
私の息まで洗い流してしまったようで
岸辺の向こうで手を振る影は
何処か切なそうに見えるのです
まるで昨夜の夢みたいに
幸せだった幻みたいに

頭痛と並べた白い朝
ソ ....
 

 遠い河口で
 無数の鯔が
 跳ねるとき


 駅はもみくちゃ
 快速列車が
 一掃した後


 ただ一人
 残った婦人が
 ベンチ横で
 旅行鞄を下ろす


 ....
          160320

団長の思いとは
断腸の思いの誤植と分かる
編集長は校正係も兼ねているのかと
私は少しだけど異議を唱えたい
人間を考えるのが芸術の真意だとしたら
文化講 ....
晴れた日のガラス質が緊密で、冴え冴えと町にいる。無地のシャツ、明るいグリーンのパンツ。ぼくもきみも、ちっぽけな鉄の棒みたいな、腕力や暴力と無縁な体格をしている。ストーリー。少年プラス少女の .... 瞬間の光を我が物にする手管 溶け込んで狩るあるがままの美


迷い道 桜が透かす月灯り纏うあなたの影が包んだ


古都めぐり桜をゆらす風ともに疎水をつたい鳥居をくぐる


清流が ....
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