ひとは
だれもが
与えられた
宿題を提出しないまま
この世を去る
たいてい
はじまりは不器用なままで
なんとなく
ふわふわとただよう
周りの空気を
ぼくのぶしつけな言葉で
傷つけたくなくて
いつでも
ぼくときみたちの溝は
冷然としていて


 ....
女というものは
化粧を落とした顔がすっかり輪郭を失っている
写真の中では既に
枯れ傷んだ花弁のように色褪せて
寝室の鏡に映る素顔は男の目に見せられない

女というものは
安物スーツにハイ ....
身体があるふりをして
ハンバーガーを買う

ハンバーガーも
高くなったものだなと
口もないのに呟いて

列に並ぶ
そのたびに
列に弾かれてしまう

ハンバーガーも
 ....
善の概念は構成不可能である。故に善は存在しない。
例えば、生まれたばかりの赤ん坊を例に取れば、彼は何も自分ではできない。親の手がなければ存在さえできない。手間を取る。故に悪である。
この例のように ....
瞼を閉じるのだって ちからは要る つまりそういうことにしておこうかな)あっちこっちで閉じ忘れた括弧をあつめて閉じて廻ってみたりして)立派なカメラを持ってるくせに何もしないから)こちらからタイミングよく飛び込んでいかなくちゃならない)背 .... あひるは腰かけていた
石のおいろはみどりいろ
あひるはそこへ腰かけて
誰かが来るのを待っていた
誰かが喋り声を出すのを
じっと待っていた
しんしろの太陽は黙っていた

これらの人を知っ ....
暖かくなって来たけれど
冬のコートはそのままで
中は何も着ないという方法を用いて
対応しつつ
JKの待つバス停で
春を満喫しようかと思っている

お嬢さん達
ちょっといい?
デハーッ ....
スタートラインはみな一緒だった
だけど長く厳しい走破の途はそれぞれ

舗装された途を走るもの
獣道を注意深く走るもの
畦道を田圃に落ちないように走るもの
砂利道を痛みに耐えながら裸足で走る ....
露天の さまし湯に 独り

寒緩む月の右側に 一番星

やがて 一つ二つ 


あとは


何を思うわけでもなく 
考えるわけでもなく

湯煙と たわむれながら

 ....
さみしい、なんていうんじゃないよ
うまれたときから、さみしいんだ
それがきみなんだから

ねぇSORA
きみはうまれたときから
ひとりをたたかってきたよね
それがきみだったよね

き ....
空を掃きすじ雲を残す
裸木の梢の枝が鳴る季節も
そろそろ終わる
どこまでも抜ける空が
やがて春霞めいてくる

弾けそうななにかの呟きが
聞こえてきそうな気がして
そろそろと吹く風に
 ....
ドアを開けると その先にはまたドアがあって その鍵を開けるのに一苦労し そのドアをやっと開けてもその先にはまたドアがあることは 余りにもわかり切っていることだから 開けたドアをいったん閉めて しばらく .... アパートの暗い階段を上って行くと
二階には嵌め殺しの窓があり
そこだけがまるで古い教会の天窓のよう
純粋に光だけを招き入れていた

迷い込んでいた一羽のすずめは
幼子の震える心臓のよう
 ....


美しいものは汚されるためにあるのです。隠されたものは暴かれるためにあるのです。邂逅のように、再会のように、死別のように、僕はどのような重力とともにでもこの映像の糧の中を泳がなければならな ....
夜中にそっと冷蔵庫を閉める
あたまのおくで
クリプトン球のあかりが消滅する
少しだけ、息がとまる

コーラ瓶の栓を抜く
ひとの内側は暗くて渇きやすい
炭酸のおとがきめ細やかに変容してゆく ....
  ――なんの欠如を
    怖れているのか


 踊りたいから踊るのだ
 何が悪いか阿呆ども
 元来人は踊るもの
 踊って歌って
 笑って泣いて
 怒れるものが人なのだ

 鳴 ....
時は切れ目のない波
凪いだ海の
ゆるやかなうねりのいただきの
光るところから
暗い窪みまで
隈なく見つめていた
幼い日

小学校でいやなことがあると
深くうねる波の底に下って
浮か ....
こんばんは
こんばんはといえば夜ですが
夜になってもまぶたの裏が痛みます
きっと蛍光灯のせいでしょう
蛍光灯はしろっぽくってあおっぽくって
だからやつのせいでしょう
そういう ....
かりん
 島の
こここ
こ鳥


  恍惚のかおり 蜜のにおいに むせ返る
  夜咲く花は たれのため
  こここ鳥は 花の中をぬけだして
  歌声のほうへ朝日とともに  ....
飄然(へうぜん)と家を出(い)でては
飄然と帰りし癖よ
友はわらへど
   (石川啄木『一握の砂』より)

PV=kT(ボイル=シャールの法則、Pは圧力、Vは体積、Tは絶対温度、kは定数)
 ....
東へ旅立つ人々よ
にくしみを夜明けの庭に植えて
立ちたまえ
妹の胸に植えて 去りたまえ
花嫁をうばわれた機関手のために
蘇鉄はけさうすあかい綿を噴き
ふるさとの日の出をぬぐう
   (谷 ....
夜に紛れて逢いました
指の先から次々零れるシャボン玉
幸せな夜のコーヒー
眠くない

コインロッカーの陰で
階段下の倉庫脇で
立ち止まる
進めない

雨が降っていて
目の前をたく ....
語らなくても
語っても
離れていく

降り止まない雨、私は
唇が切れるようなキスをした
 
イヨマンテの夜をききながら

体をたぎらせ、心をたぎらせ、

床の中で小さく雄叫びをあげる





*YouTube イヨマンテの夜(伊藤久男)
  http://www ....
まぁ
さて・・・
ということでしょう
これは

おいらは
さて・・・
ばっかりで
これまでやってきましたけれど

まぁ
さて・・・
ということでしょう
これは

どこ?
 ....
 詩集が書店にない。そんな嘆きをまた読んだ。それがいまの人びとの詩に対する無関心を証明するものだとは私は思わない。売る側にとって、ただ単純に、売りにくい。それだけのことなのだ。お店の構成としては、雑誌 .... 【はじめに】

 2月15日をもちまして、HHMは完全に閉幕します。ご投稿くださった皆様、投稿作を読んでくださった皆様、現代詩フォーラムやTwitterでリアクションをとってくれた皆様、ありがとう ....
国道四号に抜ける
夕暮れの千住の小道に
スタンドバーの看板の
男の顔の上半分が赤くなる

大人になればこの店で
夜を過ごせるのか
まだ小学生のぼくは
家に帰るしかない

日の光が消 ....
アラガイsさんのおすすめリスト(6671)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
宿題- HAL自由詩5*13-3-24
共同幻想- 寒雪自由詩213-3-22
誰が食わせてやってるんだ式- salco自由詩10+*13-3-22
列に並ぶ- 小川 葉自由詩213-3-22
善の永続性と悪の刹那性─善を構成するための原理の探求─- 黒髪散文(批評 ...2*13-3-21
ちから- HAL自由詩10*13-3-20
シャッター- 片野晃司自由詩1313-3-20
みどりが丘で- salco自由詩16*13-3-18
オッサンに春は来ない- 花形新次自由詩113-3-18
THE_LONG_RUN- HAL自由詩7*13-3-12
露天風呂- ぎへいじ自由詩17*13-3-10
SORA- 草野大悟自由詩2*13-3-8
連詩_「あづさゆみ」(百行)_ベンジャミン_鵜飼千代子- 鵜飼千代 ...自由詩14*13-3-7
twitter- 葉leaf自由詩413-3-7
嵌め殺しの窓- ただのみ ...自由詩24+*13-3-6
ふたつの終焉- 葉leaf自由詩413-3-5
コーラの泡が弾けてる- sample自由詩7*13-3-4
自由舞踏派宣言- ただのみ ...自由詩23*13-3-2
時の高速回転機- 殿岡秀秋自由詩913-3-1
_- ズー自由詩11*13-2-27
かりん島のここここ鳥- るるりら自由詩13*13-2-26
詩と科学_詩と向き合う- 葉leaf散文(批評 ...213-2-25
隠喩について_詩と向き合う- 葉leaf散文(批評 ...5*13-2-25
逢った日- チアーヌ自由詩7*13-2-20
人妻にキスした日- 投稿者自由詩313-2-18
イヨマンテの夜をききながら- 殿上 童自由詩15*13-2-17
さて- 草野大悟自由詩3*13-2-15
書店に詩を- 深水遊脚散文(批評 ...5*13-2-15
HHM講評- 香瀬散文(批評 ...713-2-15
夕暮れの影- 殿岡秀秋自由詩613-2-15

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