かつて語る事ができた人間は唯一人だった。それは『私』という名で呼ばれた。そしてこの『私』が消え去った後、『君』や『あなた』が現れた。こうして人はいなくなった。

今、この世界で新たな語り部が現れる ....
コンビニ弁当がなかった時代
単身赴任が成り立っていたのか
恐らく成り立っていなかっただろう

でも団塊の世代は嫌いなので
大変だったとしたって
ザマアミロとしか思わない

今は毎日コン ....
片方の指の半分が
いつまでもいつまでも濡れている
むらさきの
二重の光

そっと頁の上をおさえる
小さなけものの前足が
沼のような暗さを湛え
土を少しだけ歪めている

 ....
足跡を捨てながら
帰り途を急ぐ
その歩数と
掛け算するように
夜の密度が
濃くなっていく

粘度を増して
重く絡みつきはじめた
暗闇の
後ろ姿だけしか
もう見えない

姿の見 ....
〈雨天から降ってくる雨という憂鬱〉
世界が世界一つ分狭まると雨が人々の庭に侵入してくる。
人は歩けない以上に歌が歌えない。
声は口に達する前に雨によって沈められてしまう。
電車が遠くを走ってい ....
僕は散歩でよく会う
その人の名前を知らない
顔見知りなので
すれ違えば挨拶ぐらいはする
でもその人の名前は知らないのだ



僕は15歳の初夏に
初めて見た絵に描かれている
その物 ....
20℃設定は
さすがに直接当たると
ひんやりする
だから
上に一枚羽織る

カーディガンが丁度いい
おでんを食べるときは
脱げばいいから

夏に向けて
新しいカーディガンを
買 ....
「白蓮」

文化祭で地獄の迷路みたいなのつくってさ
(つまりお化け屋敷ね)お化けの格好してク
ラスメートのF君とセックスした帰りにコ
ンビニの前でペットボトルの水をのんで別
れた。クラスメ ....
 

 小説というのは科学の一種ではないか、という事を以前に書いた。今、もう少しその事を詳しく説明しておきたい。


 小説というのが科学の一種というのは、別にふざけて言っているわけでは ....
その時、理由(いわれ)のない衝撃に狂うわたしのために
あらゆる風景が恐怖の紐で吊るされていた
だが、わたしは風景の風景たらしめる骨格なのだ

わたしの印象なら壁にそってどこまでも落ちていった
 ....
   *
レトリックの瓦礫が密集する街を頬を赤らめて通り過ぎてゆく足取りが虚しい
整然さを嫌った歪んだ街路ばかりの、あざとく惑わすような模造芸術の佇まい
支配電波が強烈な悪名高いB地区では入力辞 ....
 この本を読み終わった人間は必ずや、辛い苦い思いを味わう事だろう。作者のミシェルウェルベックは、まるで、現実の僕達の醜い部分を僕達に無理やり見せようとしているかのようだ。僕達はこの書物を読んだら、沈黙 .... 山底から吹く風を受けて
君と二人歩いた城山は
頂上に天守
天守から望む山の中腹は
鳶が風をはらみ
そのま中空に浮かんでいる

遙かに見渡す浦賀水道
あの頼朝が命からがら安房へ渡り
さ ....
強く握るまぶたから
銀の行方が放たれる
透る 透る
遅い光


縦の雷雲
縦の午後
器を追われた
鉱の音


夜を向いて咲く花が
幾つも冬の秘名をこぼし
径 ....
 
見上げてごらん夜の星ををききながら見上げてみる

梅雨の狭間の夜空を見上げてみる

あなたも見上げてはらっしゃらないかと、見上げてみる



*YouTube 見上げてごらん夜の ....
友人に流行らない居酒屋の店主がいる

どうしたら流行るかと相談された



別に流行らなくてもいいじゃないかと言うと

流行らなくてもいいが そこそこの客は来て欲しい



 ....
電子レンジを買った

「何でアール、ハイアール」

1万円でおつりがくる
ダイアル式だ
多分ゼンマイで動くのだと思う
いや、ゴムかも知れない
だからどうだと言うんだ

ちゃんと
 ....
不意に 口から 出てきて

きみの 襟元に 当てた ことば


ロケットキャベツ



なんだろう



今朝 目覚めたとき まさか この口が

ロケットキャベツを 発す ....
突然窓から入って来たかと思うと
開きっぱなしの聖書を勝手にパラパラめくり
挨拶もなしに出て行った
――相変わらずだな
きっと満開のニセアカシアの間を抜けて来たのだろう
すると今頃は下の公園辺 ....
                 140608


なんとかなると思っていたのでここまで来られた
重い外套を脱いで肩の荷を降ろす快感を覚える
急に台所から魚を焼くにおいがした
妻の居る生活 ....
戦場


辺りを見回すと曇った戦場になっていた
地図も何も持っていない
辿るべき道もなければ道を切り開く道具もない
振り返るとそこには文書の山があった
作り笑いをしている顔があった
と ....
タラッと落とされただけで
ピクッと反応してしまう
彼女を見ていると
ローション、きみって
さすがだなと思う
どんなに優しいフェザータッチで
彼女を愛撫しようとも

(業務連絡!業務連絡 ....
雨粒ひとつ雨粒ふたつ傘のない街で薬売っている 重力に負けてだんだん遠くなるタマキン想い君と泣く夜 あごひげを伸ばすと
胸毛に繋がり
胸毛はやがて
ギャランドゥになる
ギャランドゥと境目のない陰毛は
枝分かれし
一方は太ももからスネ毛へ
一方はニコタマ経由で
アナルの女王と出逢い
 ....
<矛盾>
あなたを殺してしまいたい
でも
幸せにもなってほしいよ。





<矛盾なき矛盾>
本当に大切なものが
なすすべもなく消え去った時
もう残りの人生が余生でしかないと ....
窓辺で夏が狂っている、顔に滲んだ汗を舐めながらその日最初の食事をした、インスタント・フードのイージーなフレーバー、そんなもので一日のひとかけらが塗り潰されキッチンが乱れる、エアコンの設 .... 血塗られた常陸の土蜘蛛は
山の佐伯に野の佐伯
穴居
人が来れば窟(むろ)に隠れ
人が去れば野に遊ぶ
牧歌的な生活をする。

人と自称のわが鬼は
留守の窟に茨を敷き詰め
野に遊ぶ土蜘蛛 ....
ちぎれた 火の粉を雫の中にやどした言葉たちを超えて鳥が謳う
ほととぎすは 夜通し歌をもやし、カッコウは霧雨を もやし
溶接工は、鉄を燃やして繋ぎ合わせノアより巨船を創り
アリアは、魂をすく ....
人質をとった犯人切り刻むチャンス窺う超凶悪犯
アラガイsさんのおすすめリスト(6671)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ーー私ーー- yamadahifumi自由詩3*14-6-11
村上れんじ「コンビニ弁当」- 花形新次自由詩314-6-11
ひとつ_ひもとく- 木立 悟自由詩514-6-11
樹晶夜__【縦書Ver.】- ハァモニ ...自由詩2*14-6-11
人へ- 葉leaf自由詩614-6-11
チョコレート粉砕機と田中さん- ichirou自由詩12*14-6-10
村上れんじ「冷房」- 花形新次自由詩214-6-10
いくつかの散文- 左屋百色自由詩7*14-6-10
人間の本質を露呈させるものとしての文学- yamadahifumi散文(批評 ...2*14-6-10
はるかな個人- 乾 加津 ...自由詩23*14-6-9
Mirage- ハァモニ ...自由詩2*14-6-9
ミシェルウェルベック『素粒子』書評- yamadahifumi散文(批評 ...4*14-6-9
とんび- ……とあ ...自由詩10*14-6-9
ひとつ_満ちる_Ⅱ- 木立 悟自由詩214-6-9
見上げてごらん夜の星ををききながら- 殿上 童自由詩20*14-6-9
海面ハンバーグ- 八男(は ...自由詩214-6-8
村上れんじ「電子レンジ」- 花形新次自由詩314-6-8
ロケットキャベツ- 八男(は ...自由詩614-6-8
旧友- ただのみ ...自由詩30*14-6-8
課題- あおば自由詩8*14-6-8
戦場- 葉leaf自由詩414-6-8
ローション- 花形新次自由詩114-6-7
雨粒ひとつ雨粒ふたつ傘のない街で薬売っている- 北大路京 ...自由詩7*14-6-7
タマキン短歌1- 花形新次短歌114-6-6
この道は続いている- 花形新次自由詩214-6-6
矛盾_/_矛盾なき矛盾- クナリ自由詩19*14-6-6
トランジット(窓辺で相変わらず夏が狂っている)- ホロウ・ ...自由詩1*14-6-6
土蜘蛛- ……とあ ...自由詩10*14-6-6
虹よ- るるりら自由詩26*14-6-6
犯罪者短歌2- 花形新次短歌114-6-5

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