0.はじめに

 詩人が、詩を知らない友人に詩を紹介する。さて、よくありそうなこの風景の中では、いったい何が行われているのだろうか?
 まず、詩人は詩には価値があると考えているだろう。ではなぜ、 ....
洗面器に彼女は顔をつけたまま
これっぽっちの水で溺死すべきではない
近所に駅が開通し、都心へのアクセスがスムーズになったが
人身事故による遅延の恐怖で外出できない

歴史的な労働力が堕落する ....
草むしりをする最中
うぐいすが唱える
私は、
この一本に活かされている
むしる事により
今を(ずっと透けているのは闇といっしょ

私は秘密だ
むしって来た千草一本一本に感謝 ....
死神の舌のような夕暮れのなかを、ひとりの少年が路地の影に向かって歩いてゆく。かれには親が無く、生い立ちが無く、名前が無い。まともな言葉を知らず、まともな服を持たず、まともな道徳を持たない。理由 ....  
 
ひまわりの振りをして 
きみが咲いている 
太陽の方を向いて 
きれいに咲いている 
ぼくは影の振りをして 
地面に横たわる 
こうしていると何だかとっても 
時間の無駄だね ....
いまじゃブルーや白色に

取って代わられているけれど

省エネにはならないけれど

あなたが生まれた光を愛して

今日も落ち着かない日々を過ごしている


子供のころクリスマスが近づくと

街はみどり ....
見えないものに
なりたいな

癒えないものに
なりたいな


光らぬものに
なるもよし

至らぬものに
なるもよし


切れないものに
なれるかな

消えないもの ....
きみのペースに生きている
ゆるまったり急いたりして
かたちを自在に変えながら
音楽を奏でるいきもの
春の空をゆびで容易くひろげて
降りてきたきみなのでしょう
川辺の花に鼻をよせ
草にむし ....
0.はじめに

 殿岡秀秋は弱い人間である。だがこの弱さは詩人にとって必要な弱さである。まず、殿岡は武装しない。思想や理論や謀略や機知をことさらにめぐらすことをせず、時間や連想の流れの中に素肌で漂 ....
 
目が覚めたらやっぱりおっちゃんやった おっちゃん

ひとりやったら泣いちゃう おっちゃん

そんなおっちゃん、やさしいしたってやー


 
水面ははるか上
光は届いていないはずなのに
ぼんやりと明るい

呼吸の仕方を覚えたのは
もうだいぶ前のこと
少ない養分にも慣れた
清さがいまは心地よい
先のことはまだ分からないけれど
 ....
巧みな話術
タクラマカン砂漠
ラジオスターの悲劇
リンゴ・スターの打撃

豆腐一丁
一丁目の銀杏
ちょうちょ捕まえて
情緒不安定

束の間の夢
伝う馬の船
つま先立ちの毎日
 ....
 クエスト

テニスは制覇した
ゴルフも制覇した
競泳にもスケートにも進出した
クラシックに白鳥の湖、ポロやクリケット

黒人の登山家っているのか
少なくともアフリカ大陸にいないとすれ ....
彼が放り投げた銀色短剣
N次元へと飛んでった

無意識のうちに飛んでった

さりげなく、ああ、さりげなく


これはクレヨン

銀色クレヨン

大切にするって決めた、宝物

 ....
外のいつもの秋の姿。
つるべ落としが落ちました。
私は身震い一つしました。
秋の夜空は美しく、私は息をのみました。
不思議な鉱脈に行き当たりました。
ダイヤモンドの輝き。
豊かな気分にさせ ....
猫を撫でたあとで
優しさは書かない

返信を待ち焦がれても
淋しさは書かない

軍鶏鍋を食ったからといって
美味しさは書かない

マニュアルをなぞったつもりで
愚かしさは書かな ....
 何
 ここのトイレ広いナ
 人も多いぞ
 中の方が広いじゃないか
 手ごろな個室へ入りづらいんだけど、
 あ どうも 失礼、いえいえ お先 どうぞ、
 皆んな そんな ....
  今夜の
  君の手の指は
  ストリップ劇場で
  ストリップ嬢が使う
  あのポールによく似ている



  ブラディ・マリーの朱い滴を
  君が薬指から舐めとるとき
 ....
のっそりのっそり 午前中
猫が歩いている
公園は 曇り空
尻尾がない そう思いながら良く見ると
ハイハイ?
1歳に満たない乳児が地面を這っている
どこから来て どこに向かっているのか
た ....
たとえば曇天の松戸
ゴミ焼却処理場の高層煙突
ピカリぴかりと位置を知らせる
ピカリぴかりと存在を知らせる
岩瀬無番地という住居表示
表示不要の権力装置
存在を表示しない

昔陸軍工兵学 ....
娘の時間になると
町が焼ける
夫は静かに
壁際で畑に手を入れる
土の中に娘の
背中を見つけて
私は夫の腰を
押す

水をまく
娘の寝所に
知らない男が
混ざった香りの
後で
 ....
イラついて
鬱血した脳髄をガリガリ齧りたくて、どうしてもそうしたくて
釘抜きで顎を削っていたら鈍臭い音がして
俺の口腔には脳漿の雨だ
舌の上に降るたびに目映い光が…
 ....
ひまわりは もう 空いろの自転車をこがない
それが すっかり あかね色にかわって 杖をついて 
やっと歩いているから

風をたべていた鳥は 夢をたべはじめてからずっと 腹をすかせ
風は その ....
〜風ってそれそのものではない
なのにそれで間にあってしまう
どちらでもいいのかな
そんな空気なのかな

雨がふりそうでふらない
別に待ってないけど
ふるならふるでもいいな
受け入れる気 ....
曖昧な空間に出来た亀裂の中に身体を溶かして連続する呼吸はまるで推敲の足りない台本の様に不規則だ、何を言っているのかまるで聞き取れないスピーカーの音量に辟易しながら広告をやり過ごす様な時間ば ....  二兎
オヤヂは悲しい事が好き
酒と冷え行く白銀の宵
 
 芽吹
少し山なりの丘で
君は燃えている
たぶん黒い棺桶が
炎の色と混ざって
じっと大気を揺らめかす
とても澄んだ空だ
 ....
殺虫剤のニオイが
指から取れない
何度洗っても

だいっッ嫌いな殺虫剤のニオイが
スプレー缶のボタンを押した指に
染み込んで 汚点ついて
取れない いつまでも

だいたい人の寝ている ....
道は
舗装がなくなり
助手席で眠ったままのネコが
なにかをつぶやく

誰もいない
海水浴場で
夏に買った服を着て
悲鳴を上げる
 
抱き合うより

見つめ合いたい

そんなお年ごろ


 
毎日小さなバスに乗る
手を上げないと通り過ぎる
キーッと止まりむーっと出る
少量の客は揺すぶられて

たった100円で駅に着き
たった一本の桜のもみぢ
見つけたから今日は佳し

優し ....
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