ろうそくの明かりに
手をかざしながら
彼女の詩を聞いていた
途方もなく遠くへ
来てしまったけれど
あの時あの熱の中で
自分の手は自由に生きていた
熱を求めては
焼かれて弾かれる
炎は ....
水の三行が
流れている
川、という字に
とても
似てるかもしれない
おとうさんと
おかあさんと
そしてぼく
三ッ首の猫の背に降る緑かな
真夜中の林檎のにおい見つめあう
一弦と二弦のはざま眠る鳥
散る音を散るままに見る入り日かな
....
とおいと
おい場所まで
いったつもりがわりとちかくだった
手ざわりとして
においなのかもしれない
そういったものたち総称としての手ざわりとして
あったような手ざわりとして
なんとかあとで ....
新しい芸術とは、本来、違和感が伴うものだ、なぜなら、私たちが、見慣れている既成のものから、逸脱している部分が作品上、多分に見られるからだ。それを言葉にすれば、欠損および不足、過剰、単調、複雑、奇妙な美 ....
スーパーで
買い物してると
茄子に
モザイクがかかってる
商品名も
お○す
と伏字になっていて
かえって恥ずかしい気がした
キャベツを買おうとすれば
その中心部に ....
北の富士が大好きで
負けるとTVの前で泣いていた
横綱のくせにコロコロとよく負けるので
オカンが本気で
「うちの息子が悲しむので
負けないでください。」って
手紙を出そうとしたくらいだ
....
西の話し言葉がすき
京都より西の
やわらかい
少し
イントネーションの
あがった
言葉が
関東平野で育った伯父は
西のひとになった
従姉妹の結婚式で
久しぶりに会って ....
ハチ公口を抜けると
そこは大きな
スクランブル交差点
あたしは
道玄坂へ向かう
キミと待ち合わせた
バーに
でも
うまく渡れないんだ
何度も通っているのに
何人もの人に ....
突然のコメントすいません。。。
あたかもバイクがひとつの人格であるかのような書き方ですね。
わかっていて書いてるのかもしれないですが、自分勝手で迷惑なのは車やバイクではなく
それを運転する人 ....
男とは、戦争の中武器を持つ、柱にすぎぬ。君よさよなら
誰なんだ〜!つぶやいている詩作へと、紡ぐからまた、俺はちらばり書いて消すだけ
私の夢の牢屋に閉じ込めた裸の君は心を持たない
....
今日は雨の中を外にバッグを持って、値引きであろう肉を買いに出かけた。
前に住んでいた、東京のスーパーは本当に熾烈な競争を繰り広げていたけれど、ここは郊外なので、なんとなく見たところそうでもない。 ....
切り裂かれた風は哭いた
撫でてくれるものも無く
抱き締めてくれるものも無く
切り裂かれた風は哭いた
僕は
聞いているしか無かった
秋の空に
突き刺さる
ほそい針金が
風に揺れている
揺れているのは
黄金色の穂
だけではない
帰り道なのだった
その角を曲がれば
たどり着くだろう
その家が
....
久しぶりにヤツをみた
心に爆弾を埋め込まれたアイツ
触れれば必ずわれちまう
その名もしゃぼん玉爆弾
着火装置は最新式の『横恋慕片思い型』
彼女に気 ....
多摩南野に降る雨がしっとりと僕に優しい。
まるで霧雨の薔薇園にいるみたいだ。
白いヴェールを纏った貴婦人は冷たい微笑を浮かべて佇む。
モネの絵画。
濡れてギラギラと輝く路面はかつて光の ....
僕は気取った女が嫌いで
たとえばピアノをがっつりやっていた とか
陸上をやっていたとか
負けず嫌いなんです とか
いろいろ自己顕示をする
やつがだいきらいだということを
飲み屋の横の席に座 ....
あたし自慢じゃないけど
不幸そうな顔を
してしまうことの名人
影が濃くなる夜の
街灯はやなやつで
こっそり隠れていようと
するあたしを照らす
ホームにはふたつの人影
たぶん別れ ....
日差しに焼けた肌が
深夜の電光に溶けている
胡瓜は
フルーツだろうか
という議論を
今し方
あの白い壁の向こうに聞いた
そうだ
もう
夕焼けのときめきが
透明な鴇色のレイヤーに ....
夜 お手洗いに起きて
階段をトントンと
降りた
リビングでひそひそと
話す
父と母の声が聞こえた
あの子は冷たい子だね
母は言った
一瞬 なんのことか
わからなかっ ....
またあの子
そうか 小学校が休みだから
女の子はもじもじしている
暑い昼に お母さんと道で弁当なんてという顔をしている
頬に浮かぶその汗を無理やり拭いている
わたしが来ても顔色一つ変えな ....
数か月を一緒に過ごした季節が、けさ帰ったようだ。
挨拶はできなかったが、夜中から荷造りをする音が聞こえていた。
せめて手紙でも置いて行けばいいものを。
寝転がったまま薄目を開けてみると、 ....
母さんにちゃんとした初給料で
ご飯誘ったら、笑ってやがる。
何食べるか考えといてって言ったら
へっへと笑ってやがるんだ。
つられて ....
むかしむかし
アルプスの少女ハイジを観ていて憧れたのは
日向の匂いの藁布団や家の後ろの父性の巨木
何よりも、おじいさんが串で炉火にかざして
ハイジのパンに載せてやる、山吹色にとろけたチーズ
....
潮風が夜の帳を連れて去り
厳かな今日の光が
水平線を少しずつ露わにしていく
岩肌が頬を染め
砂浜が肌を隠そうと波にもぐる
生気と活気に風景が色づいていく中
僕だけが依然として黒い
....
シャッターの音には
変な顔が必要で
歩きにくい
ごつごつした石畳が
水の底に沈んでいた
あたしは花柄のあたらしい長靴で
口を曲げてウィンクした
パシャ
....
パンを一口かじる
柔らかくて美味しいので
生きた心地がしない
少年が救急車の真似をして
変電所の方へと走っていく
その距離と速度の先に
助けなければならない人がいるのだ
....
こんな事を言うと変に思われると思い言っていないものに
光があります。毎朝 神棚と仏壇にお水やご飯を供える
特別な宗教などはやっていない そんな私ですが。
まだ独身の頃 冬の夜でした。
....
彼から、連絡があった。
「今日の、25時半ね。」
手短な言葉のうしろには、幼子の鳴き声。
あたしは、浅岡りか・38歳。いわゆるアラフォー。
彼、29歳。妻子あり。
自宅から通勤するあ ....
ひとは
寂しいふりと、狂ったふりが上手です
全員ではないけれど
大半は、そんな気がします
彼女は論文を書きます
自分が、自分に出した課題で
原稿用紙を何枚も埋めるこ ....
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