ふっくらと 光線を 中に吸い取りながら
梅が ごつごつとした 枝先に 咲いた
厳しく けなげな そのさまに なぜか
ある夏に訪れた 遠い島のことを思った 

出雲の孤島の海岸には無数 ....
真紅の壁を
真っ白に塗り潰すような時間の中で
喉の渇きを覚え、だが
ページをめくる指を止めることはなく
幾つか咳をして
唇を舐める
昨日より冷える気温と
昨日より
 ....
 詩には詩の体裁があり形式がある。散文詩など例外もあるが、詩とは行分けの韻文であり、韻律を重んじるリズム感や音感をもつ文体のことである。広辞苑で〈詩〉の項をみると「風景、人事など一切の事物について起こ .... 失われたものたちのしぐさがみえる
俯瞰するぼくはまだ若くない
もし可能性が尽きていないとするならば
このかたまりの中からいずれ旅立つものがでるだろう
それはまだ歯が生えていなく
はだかで腕の ....
 春の採点

平日
ちっとも忙しくない日
じっと座っていると
時が頭上を通り越して行く
一世紀ぐらいのストライドじゃないかと
それほど風圧を受ける
目の前の原で四歳の私が
一心不乱に ....
自ら意図してじゃないの
前世の因果かしら
武道に縁があるようなのよね

父から剣道の手ほどき
刃を垂直に落として
むぎゅっとばかり、つかを絞る
小指の力が肝心でね

弓を引いた年月も ....
僕たちはDNAの命じるままに歴史を漂流し拡散してきた

朝露に濡れた森の匂いに

木漏れ日の暖かさに

まっすぐ空に突き刺さるメタセコイアの高みに
想いを託してきた


僕 ....
幼いころ
のっ原をかけまわっていたあたしの

いつもそばにあったその草花が
いぬふぐり、で
あると知ったのは
高校生のときだった

かわいらしいひびきに
その名をおぼえた
 ....
去っていったものは
はじめから出逢ったことのないものと
想えばいいこと

背をむけたものは
はじめから背だけを見せていたと
想えばいいこと

そしてぼくは幼い頃に戻るだけ
独りぼっち ....
意味がない言葉ばかりが
自分の中に 転がっている
失業したばかりの 月曜日 思い出の場所を目指した
きっと そこは あまり遠くはないところ
レンタカーを借りて 旅に出た

飛行機の 薄 ....
夜半の犬よ
おまえは 闇にまぎれて 旅を続ける

人々が 自分を演じることに 疲れ
一人 目を見開いて 
静寂の闇を 探っている時

蒼い星空と黒い山脈の境界から にじみ出すように
 ....
昨年わたしが二十年ぶりに、故郷の秋田に帰ってきて感じた印象は、飲食店の接客も、人々の仕事への接し方も、いい意味で「いい加減」なのである。ちゃんと暮らしを成り立たせるための時間を守りながら働 .... {画像=120317205808.jpg}

野に集えよ
きんぽうげ

小さき
いつつの
花弁ゆらし
 ....
迷子のような顔をして
歩いているおっさん
優しいひとがいる店へ
とんぼりゆくんだね

あれがとうさんなら
ちょっと許せるわ
あんなひといっぱいいるから

一緒にかえりたい
とうさん ....
雑種の黒い犬を飼っていた
足と耳のさきっぽが白い犬
散歩もご飯の世話もブラッシングもわたしがしてた

学校から帰ると
尻尾をふってぴょんぴょん飛びついてきて
ハッハ言いながらどこまでもつい ....
登校中の女の子と男の子が
道路を横切ろうとしている
飛び出しに供えて ブレーキに足をかける
春の陽射しの中 防寒着の子達は
車道の前に立ち止まり
急に 女の子がしゃがみこんだ

その手に ....
 あ という間に時だけが経ってゆく
から、寝て起きるのに
生きるのが 駆けてゆく
思うことはたくさんあるのに
からだは痣跡だけをのこし
かさぶたあとはなかなか消え ず
甘ったるくし ....
お祭りなので
顔を汚くしていた

ドラム缶いっぱい
葛湯を作ってふるまう

青い星だけをつないだ星座を下さった
青いネックレス座だと
いって

作業台の上にはつねに
いっぽんの薔 ....
恋人の心臓を
     水槽で飼ってる
鳳凰が月を飲み込む春の空

剪定で残れた枝がホッとする

春の土 寝っ転がって自分知る

童貞が羨ましがる猫の恋

白子干 生まれ変わって白子干

古巣には戻りたくない戻れな ....
減災は、災害による「被害を出さない」ことを目指すのではなく、「被害をできるだけ小さいものにとどめる」ことを目指す考え方です。防ぐではなく、軽減する、ということなので、被災して当然、その時、それから .... コイントスで

絞首刑か電気椅子か無罪かを決める

若い裁判官は

早く家に帰りたい

可愛いワイフが

彼を待っているから

手を翳すだけで

治癒できるとは限らない
 ....
ぼくは沸騰するスープである
ジャガイモが崩れていく
ぼくは真っ赤に茹で上がる毛蟹である
苦しさに前脚を伸ばして泡を吹く

底から熱せられていて
二重の蓋がかぶさる
重くてもちあがらないで ....
煮つめられた、ような
まよなかのにおいを
くたびれた寝床で嗅ぐ、遠いこめかみの痛み、ディスプレイの照明を、受けとめ続けたせい
おとなしい雨の日の
波打ちぎわみたいな間隔で  ....
 東京にいた頃から中華料理を頻繁に食べていたのは、割と安めの定食があるから、と、一人で入っても気兼ねのあまりしない店が中華料理屋に多かったからで、今日も、むーすーろーを食べた。

 きのうは春巻 ....
ぎぜんしゃは
いつもきづついてる
ふりをする

ぎぜんしゃは
いつもなにもできない
ふりをする

ぎぜんしゃは
いつもがんばれと
エールをおくる

ぎぜんしゃは
 ....
一粒の私を
順番に潰していく

一粒の私は
潰れるたびにまた現れる

一粒の私は
いつまでも一粒の私でいるつもりらしい





あの日
真っ逆さまに落ちていく景色の中で
 ....
{引用=テーマ/創世記の作意を疑ってみる}
 ここ100年間、基礎科学、応用科学とも各分野の発展はめざましい。10年タームで加速度が増している感がある。
 それでも一般庶民が享受するのは、さしあた ....
目を覚ますと、とある住宅街の狭い路地、これを抜けた先の、猫の通るような路地に出ました。ここはまるで知らない場所でしたので、道ゆく人々を目配せして捕まえ、わたしはこう .... 家を出る時に
ちらほらと
降り出した雪が
そう時間をおかないうちに
吹雪いてきた

三月もなかばだというのに

フロントガラスに
積もってゆく雪を
ワイパーでどける

ラジオか ....
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