夜になってしまった
森で野宿だ
きっと、綠色の夢を視るだろう
すると
焔のような瞳の狼がフラッと現れ
「あの、橫で寢ても良いですか」と云う
「良いけど」
....
眼下の川では子供たちが裸ではしゃぎ
遠く茶褐色の岩峰が冷たい灰色の空を背景に連なっている
僕はゆらゆら揺れる色褪せた肌色の廃棄バスの屋根の上
何とかバランスを取りながら何度も落ちかけ
終に ....
二〇一七年五月一日 「もろもろのこと。」
だいぶ本を処分したんだけど、またぼちぼち本を買い出したので、本棚にかざる本をクリアファイルで四角く囲んでカヴァーにして立ててかざれるようにしてるん ....
遺伝子工学の世界からやってきた
遺伝子を操作するワクチンを接種して
mRNAという遺伝子を
体の中に打ち込んだ人は
遺伝子を組み換えされた食品などを
もういやだと拒否できなくなった
....
近所のアパートの前の路肩に
路上駐車する軽自動車
アニメのキャラクターが
ラッピングされており
「働いたら負け」と
セリフが添えられていた
そうか
今は「働らいたら負け」なのか
昔 ....
かえらぬ人々の
かつてかえっていった道を
あるく
うらぶれた街のシャッターには
等高線のかげがかかる
どこよりも遠い落日にてらされて
石室めいて閉ざされた家々の
木立のな ....
水源と柔らかなことばにめぐりあう
船の舵取りは水辺の花を想いながら
いくつになってもできないものはできない
今更のようにはぐらかして過ごそうか
永くゆっくりと関わってゆく事は大切だし
....
水の夢を観た
水を呑む夢でなく、
水にまつわる夢でなく
水、そのものの夢
個体が液体になったのか
自我が消失したものか
ぼくにはわからない
その夢のなかでは
光 ....
大雨が降り続いている
また裏の崖が崩れないか心配だ
川の氾濫に山崩れ
どこで起きてもおかしくない
今年のお盆は
どういう因果が
コロナ感染爆発と大雨に
苦しめられている
二つとも制御不 ....
名曲の作曲家名前も思い出せず
整髪料いらなくなった春
気づかれず霧の声に耳塞ぐ
店見つけても欲しいもの見つからず
行列の先頭が気にかゝる
コロナに感染しても
完全に陰性になって回復したら
コロナウイルスは
体のなかには存在していない
それなのに
いろいろな後遺症が報告されている
それらは
しばらく後に突然発症し ....
○「オリンピック閉会式」
オリンピックが終わってほっとした!
大会中は
メダルよりもコロナ感染数の方が
ずっと気にかかっていた
また自然災害も心配だった
やはりオリンピックは
平和な時に ....
二〇一七年四月一日 「ある注」
ディラン・トマスの268ページの全詩集のページ数に驚いている。こんなけしか書いてないんやと。散文はのぞいてね。こんなけなんや。ぼくはたくさん書いてるし、これ ....
暑い
とにかく暑い
冷蔵庫のなかに入りたい
冷凍庫では寒すぎて
毛皮なんかを着込まないといけないから
やっぱり
冷蔵庫がピッタリだ
野菜室なんかが
丁度よい温度で
....
二〇一七年三月一日 「ツイット・コラージュ詩」
ブックオフで、ぼくの持っている状態よりよい状態のカヴァーで、フランク・ハーバートの『神皇帝』第一巻から第三巻までが、1冊108円で売っていた ....
夜の河を渡り、
艶やかな曙光の漏れる
真っ暗い雲の拡がりをただ眺める
漸く拳大の握り飯を噛り、
竹筒の水を飲む。
水は、化粧の匂いがした
ふと剣鉈を抜いてみたくなった
微かに残った夜 ....
キミがそこからいなくなっちゃったので
今はそこにキミのりんかくが幽かにあるだけだ
キミが笑っていたときの
泣いていたときの
壁紙には昔飾ってた額縁の
柱にはねじ巻 ....
真夏になると
きまって
いろんなお客が訪れる
お客様と呼びたいほど
ありがたいのは
開け放った窓からやって来る
涼しい北風の群れ
真冬は上客でも
真夏は嫌われ者の
....
○「解熱剤」
ワイフの新型コロナワクチン接種の帰りに
念のために解熱剤を購入するために
ドラッグストアーに寄った
店員にわけを話すとすぐに薬を置いてある棚に案内された
よく観るとそこには ....
二〇一七年二月一日 「ゼンデキ」
徹夜で、イーガンの『ゼンデギ』を読み終わった。うまいなあと思いつつ、もう少し短くしてよね、と思った。まだ眠れず。デューンの『砂漠の神皇帝』でも読もうかな。 ....
ライカが半世紀以上も前に
レンジファインダーのカメラを完成させたことで
他のメーカーは
異なる方式の開発へと向わざるを得なくなる
当時一眼レフカメラは
撮影の際にブラックアウトすると ....
ぼーっとした子だったわね
みんなが笑ってるとき
なにがおかしくて笑ってるんだかわからないの
でも、「いま笑うときなんだなあ」って、
なんとなく気付くようになったんじゃ ....
遠くに見えるのは
幼子の手をひいた二人の影
エノコログサを君の鼻にくすぐれば
ころころと笑い
秋の残照に解きはなされた
浜茶屋のまずいラーメンをすすり
それぞれの砂粒が肌に残り
それ ....
上手くいったり
いかなかったりする恋
切ない想いが
雨に濡れて重くなり
明るくなれない心模様
逢えれば嬉しい
逢えなければ寂しい
雨の日よりも
晴れた日のほうが
寂しさは ....
天使たちが急ピッチでクレーム処理に追われている
みんな気付き始めたのだ
鉄格子の向こう側の魅力に
○「詩と死」
せっかく生きているのだから
何かできることをやろう
「今日一日生きた証し」に
何かやろう
僕はそう思いながら
この独り言を書いている
○「お笑い番組」
今のお笑いは
....
今宵見よ みやこ始まる百鬼夜行 一千年ぶり役目を終えて
○「老いてマスマス」
使わないものは衰える
頭も下半身も
これはごく自然なことだ
セックスができないなら
マスだ!
心身の健康のためにも
やるべきだ
ごく自然なことだから
罪悪感など ....
あのときの瞳と見てる鐘の音
あざやかな後悔の色 好きだった
きみの飛ばした靴に落ちていく空
知らない本の中に知らない夏がある
○「必然」
コロナ感染爆発は必然である
日本の衰退も必然である
必然はわかっていても止められない
必然は
人智を越えたものだから
静かに受け入れるしかない
○「持ち時間」
自分の持 ....
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