姉が赤子を連れてきた
赤子はお腹を空かしてた
姉は僕のいる前で
胸を露に授乳した
二個あるうち一個
二個あるうち一個
一個は僕に吸わせて欲しい
姉姉くれくれ
乳をくれ
僕にも少しは分 ....
サグ団のベーラム










双子座のサガ
 ....
攻撃性を止めない大人の刻
ふしだらに病むのは男かい
初心を気取る女かい
震える手を捕まえる 何故に泣かない
熱く燃える夜中に血化粧の儀式
痛みを知らない男は何を感じさせる?
痛みを知らない ....
朝はどしゃ降りだった。
音が聞こえたけど寝ていたままスルーした。

傷ならば見せたくない。
恋人は何をしているだろうか。
死になど向き合いたくはない。
胸がキリキリ締め上げる。

 ....
 天気が良くない。いちど実家に帰って、それからまたここへ帰って来て五日。ずうっと天気が悪い。雨か、そうでなくても曇り空。桜の花はもうほとんど散ってしまって、枝に残るしなびた色はもう桃色ではない。
  ....
月はひとつしかない

それが嘘っぽく思えた

なら世界には

0か1かそれ以外かの

3種類しか数がないみたいじゃないか

そんなはずなかった

月光なら

月光ならたくさんある

傷は癒えるのだろう ....
君の乳首に
塗ってみようか
それとも
もっと下のほうに塗って
雲の上に達してみようか
だけど
今の僕には
脂肪分と塩分が
致命的ともいえるから
今度のプレイは
低カロリー減塩の
 ....
リサイクルショップで
セイコー5の古いのを買った
お値段は1000円だった
いい買い物をして嬉しかったが
2時間で5分遅れるという
時計としてあるまじき怠慢さに
業を煮やした僕はJRに乗っ ....
けんかをやめなかったのは
きみのためじゃないのさ
行方不明なんて素敵じゃないか
どんな白いお城で暮らしているのさ
いま、きみは

けんかをやめなかったのは
八重歯にくるおしいおもいが
 ....
はっぴぃ
ぶぁぁすでい
つぅゆぅ〜

はっぴぃ
ぶぁぁすでい
つぅゆぅ〜

はっぴぃ
ぶぁぁすでい
みすたあ〜
ぽりでええんと

はっぴぃ
ぶぁぁすでい
つぅゆぅ〜

 ....
ただぼんやりと
気にもせず

いつもの席の
いつもの光景
手元が止まると
眺めるところ

ただぼんやりと
いつもの人が

声も知らない
いつもの人は
姿勢正しく
画面を見つ ....
あなたが不幸でありますように
あなたが不幸でありますように
心から笑える日なんてあなたに訪れませんように
胸の奥底にはいつでも深く暗い影がさしておりますように
あなたの細い指先はもう二度と何一 ....
声ききたくなるのをがまんしている

きのう職場でいやなこと言われた

声ききたくなるのをがまんしているのに

いやなこと言われたこともがまんしている

きっとあなたもそうだったんだろう

ぼくにはそう ....
わからないから不安になるんだよね

好きなひとの心うちと
明日の空模様

開けてびっくりでは困るけど
あてにはならない春の天気予報を頼りに
ご機嫌いかがなんて訊ねてみる

わたしから ....
描く対象は
何だっていい
重要なのは色
色の
組み合わせ
鮮やかさ

描かれた形あるものは
描く契機に過ぎない
重要なのは色
色の
組み合わせ
鮮やかさ

小さな枠のなかで ....
階段の灯りをLED電球に交換した
ちょっと薄暗いけど

四万時間の寿命だという
居間から二階の寝室まで
三十秒あれば昇りきるとして
電卓をたたいてみた
五十年は切れることはなかった
ぼ ....
もっと郊外に
店あったり
もっと駐車場も
広かったり
ブランド品に
大枚はたいて
泣くより
アウトレットモールに行ったら
今以上
それ以上
安くなるから
あなたのその目から
ウ ....
覆面を外して
素顔になったとしても
15代目タイガーマスクのことを
残念に思ったりしないでね
コーナーポストに立つときに
足をすべらしたとしても
15代目タイガーマスクのことを
甘く見た ....
深く刺さった
棘のように

貴方の名前が
とれないの

つぶやき過ぎたせいかしら
泣き過ぎた せいかしら

棘は
痛みはしないけど

あたしの身体の
一部になった

まっ ....
 川面で光の魚がはねている
 春と霞を点描で描くのはぼくではない

 土手の並木の樹勢のなかを
 グングンふくらみ育ってゆくもの
 ふくらみみもだえて勢いを増してゆくもの
 樹 ....
青い眼をした
ブロンド娘
春を売りましょう
売りましょう春を
どこか淋しい
北の国から
円を目指して
やってきた
ああ東京の
春売り娘

「ユメヲミサセテアゲルワヨ」
片言日本 ....
さくらのつぼみが
ぽつぽつ
ほころびるころ
わたしは いつも
ひとつだけ
かみさまに
ねがいごとをします

たいせつな たいせつなおねがいをするのに
よこになったまんまで
ごめん ....
ぼくのような、落語初心者は、
植草甚一さんが、
49歳でモダンジャズに夢中になって、
毎日6時間レコードを聴いて、
毎年100万円レコードを買って、
5年たてば、
すこしはジャズが血肉とな ....
気になる

と いうことは

まだ 
心 が
残っている と
いうことなのだろうか

深夜まで
足跡を読む

理解しきれない
文字たち

脳裏に残る
モノクロの横顔
 ....
道に倒れて
吐かれながら
からまれたことが
ありますか

みんな知ってるとは思うけど
酔っ払いは
やさしい人好しじゃありません

オエッ!とするたび
足を止めて
路地裏の方に連れ ....
あたしをどうか
照らしていて
あなたの心の灯りで
導いて少しずつ
今までの暗やみを
忘れてゆけるから
あたしの心がいつか
誰かを照らせるように
きっと大丈夫
見つけたいの
あなたが ....
三十五人のオーボエ奏者が
空へ空へ落ちながら
午後に銀を描き足してゆく



夜と雨
夜にうずくまり
入口の光を聴く


側道に 崖に
蜘蛛の巣に
書かれ ....
ひとり風呂場で
する自慰は
この上ない秘め事の
味がする
あまり長いと
両親が
きっと疑いの
目を向ける

「ああ
 JBC69(神保町シックスティナイン)
 の芳賀翔子ちゃんよ ....
眠い
眠い

とろとろと

こんな時
脳は

あちら の
世界と
相談をしている


残酷なのに
血の赤が見えない
モノクロームな夢ばかり
見続ける


都下の森 ....
唇は ほどよく濡れ

指先は ぬくもりを感じ

果ては 穏やかな吐息




 
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