心細い夜は、

送信してみたり。
受信してみたり。

笑いかけてみたり。
冷たくしてみたり。

つきつめれば、全てがくだらなくて。

だから決して君に(或は、私に)辿り着いてはいけ ....
降り積もる雪の重みに
夜が
耐えきれず落ちていく
そうして彼女らは埋もれていくのだ

ひるがえった真夏の
影を踏んだあなたと
鳴くこともなく
死んでいった虫たち

 ....
猫猫しい彼女
罪悪感のほとりで
レースの黒と踊る

隙もない
目を離すことができない
成す術もない
「あ」

貴方が最初に発した音が
悲鳴だったか
歓声だったか
知らないが

「あ」

貴方が最初に発した音は
今頃ちょうど
さそりのしんぞうに
突き刺さる



… ....
やがて晩秋というのに夜中のしじま
身を寄せ合う恋人達の姿もない
灰色のロミオは塀の上
ソネットをひとくさり
オウ、ムォウ、マオ、アオー
猫が、まるで狼族の遠吠えのよう


{引用=出て ....
建物や地面や活字はちがうけれど

月はきょう満月で

それは変わらないもののように思えた

変わらないものを思えることが

私にとっての旅であった

知らないことも知りたい

だが

変わらないものな ....
じぶんが
やさしいのかつめたいのか
わからない

でも あたしは
ひと をののしる
ことばは もちあわせていない

なぜなら
それは
じぶんにもどってきて
けっきょく
じぶんを ....
母さんが
土鍋出したら
冬支度
延髄の隙間に滑落した俺の意識
頭頂から降りてくる存在の微かな明かりを
頼りに
七つの難敵をクライミングした
考えていたより途方もない…
時間を、費やした
頑丈な窓が伝達 ....
「生」
有限のもの。
熱を放ちながら、絶え間なく動き続けるもの。


「命」
無限のもの。
形や色を変え、どこまでも広がる時空に在り続けるもの。


「宙」
青空のずっとずっと上 ....
眼帯

眼帯の涯は北方異土の涯
当てやれば人形羞じる生理帯
中指を鍵とし破れ貞操帯
臍帯を齧り亡母と吾を偲ぶ
露皇女の宝石胴着即死阻止
あばら骨締めて名古屋の帯愉悦


遮眼子
 ....
夜が恐いから
震える腕を噛み千切って
闇に備
えた

あぁ
何処へいくんだ

背中の穴から
ほとばしる
穴という穴から
噴出していく
額縁だった庭に景色が戻ってくる
寂しい程に整えられた装置は
演歌師が
おっぺけぺーを 
捻る、
舞台であった

もうすぐ演歌師がいつでも住まう
庭になる

説明のいらない
「ああ ....
 パンにしますか?
 ご飯にしますか?
 それとも宇宙にしますか?


 コーヒーはHOTにしますか?
 アイスにしますか?
 それとも宇宙を愛すにしますか? ....
人差し指と親指を差し出し
ひかりの直径にあわせる
片目をつむる
得意気な顔をして
(ほら、こんなに、小さい
(こんな狭いところで、うさぎは、ね

その指を
手を
腕を
体を
生ん ....
大学時代
教授が授業中に言った
「600万個丸を書けばそのすごさがわかる」


家に帰ってやってみた
1つ、2つ、3つ、・・・・・・・・・
700個くらいで音をあげた
その時初 ....
中国女の {ルビ腋毛=わ き げ}を見れば 共産主義が {ルビ戦=そ よ}いでる しみずさんがハンダこてをかった。

寝ぼけていたので、しみずさん、パンダ型こてをかったのかと妄想あるき。

しみずさんがパンダこてでじゅうじゅうとかしてゆくものが、しみずさんのせいりせいとんされた机 ....
誰かが撃った、流れ弾なのでしょうか。

ぽっかりと、穴が開いてしまってます。

明るくて、とても惹かれるのですが、

私には、手が届きません。

もう一度、穴が開くような、衝撃があれば。

世界は明る ....
廊下に立っていなさいと怒鳴られ
私と隣りの席のこんちゃんは
はっと青ざめ しーんとした教室を出た

社会の授業で地図張をひく練習中
いろんな場所を見ていた私達は
すっかり楽しくなって
あ ....
ぼくが詩を書けなくなった日は
毎日ヤクザに追われているだろう
ぼくが詩を書けなくなった日は
毎日毎日イズミヤの試食コーナーに通っているだろう
ぼくが詩を書けなくなった日は
風俗嬢と付き合う日 ....
「木星のしま模様が今年は一本なくなりました」

ちのないガスかたまりみたいなうえ

たつこともできず

なにしてるのかとおもえば

くらいくらくら

くらがりになれたせいか耳でみることができるように ....
冷たさを増す風に震える
荒野の先のやわらかな双丘をそのままに
奥に流れる寂寥とした音色に耳を澄ませている
何処かに隠した水瓶から溢れ出す
指先を濡らすほどのちいさな泉を大切に護って

 ....
きみらをやさしく見下したくなる
そんな 神様日和には
エアコンのきしみすら雨の音に似てしまう


恋について話し
家について話し
仕事やお金や殺し合いについて話し
噂も嘘もチョ ....
蒼穹も黄金の砂丘も皆寝静まって
全ては動かない
ひと棹の楽器も横たわっている
微風さえもが画布に張りついて
夢の ゆ の字

黒い少女の纏う長衣の
この世ならぬ配色は
仄かに艶めかしい ....
 
 
あめのおとを
きいている

とおもっている
わたし

ひとのこころが
みえている

とおもっている
あめ

のようなきがして
まっている

すてられた
とう ....
何か新人の営業マンのような態度をしている自分自身や
この遍質的な 会社側の 遠い過去からであろう
塊の疲弊した その死んだ 体質よ


一度きりだが
多分とても適当なのだと私はこの状態に理 ....
犬のうた
おおかみのうた
サルのうた
にんげんのうた
にんげんのうた
まぶしいくらいの
あついひざし
・・・・のはずが
なんとも
すきとおったそら

たいように
ちかづこうとせのびしても
のびていないせたけ

みな
あたりいちめんで
えがおを
 ....
 






かがやきを熱さを廻す途切れ指



夜からむ夜かきむしる夜がゆえ



岩の上また岩の下数億年



硝子にはひとりのすがた波ばかり



 ....
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