*今年は鶯がよく鳴いている
隣のじいちゃんもそういっていた
梅はならんかったが
鶯は絶好調である
ホーホケキョ!
*天気だけはどうしようもない
人間が適応するしかない
九州は今週も雨 ....
{ルビ渓=たに}と渓が合流する遠い澱みには
銀鱗の女王が潜んでいると釣人たちはいう
普通のロッドと仕掛けでは逃してしまう
いよいよ本流竿の出番がやってきた
7mで250gの本流ロッドは軽くしな ....
図書館へ続く石の階段
日陰には
きのうの命がただよっている
雨ののち
ひごとに深くする手鞠花の青
カタツムリは絶滅したんだろうか
遠い子守唄
世界に向けて閉じられた手提げの中はやすらかに ....
○「伝わらないワイフ」
ワイフはいつも「主語」を抜いて話す癖がある
隣のおばさんの話が
いつの間にか亡くなった伯母さんの話になっている
○「修行の夢」
「残念ではありますが
お釈迦様の ....
掲示板
イタコです。週に二度、ジムに通って身体を鍛えています。特技は容易に憑依状態になれることです。しかも、一度に三人まで憑依することができます。こんなわたしでよかったら、ぜひ、メールください。ま ....
死んでも旬でいるために
生はどんよくに波をかく
波うつことで脈ありと
信じていけるその日まで
脈動はきざまれた
きざまれてわかたれた
脈動はわかたれた
わかたれてきざまれた
わたしとあ ....
大きく裂けた口のある白い顔で笑い
煌びやかな衣を纏った記号が宙を行き交う
吊るされた語彙は真夜中の死体のように重く
暗い羅列が濁点だらけの股間にあった
大好きなキミの瞳を輝かせたいから、
....
遠くから笑い声だけ聴こえて来たんだ
(短歌五首)
月を待つ
予定を無かったことにして
鯖寿司を食べ眺める夕焼け
紙芝居
みたのはちいさな会所での
一度だ ....
1 草
抜いても抜いても草がある。祖母が亡くなるまでは祖母が抜いていた。いまは私とこどもが抜く。春まだ浅いので、たくさん草があるといってもみな背が低い。ヒメオドリコソウ、クローバー、ムラサキツメ ....
あんなに永遠だった花も
過ぎてしまえば永遠でなくなる
嘘みたいだ
今までを永遠と呼ぶこと
永遠が終わり
実存の穴埋めが始まる
埋まらないまま時が流れる
その間も日々の生活があ ....
論理的には全世界が自分の名前になるということが理解できるか?
(イアン・ワトスン『乳のごとききみの血潮』野村芳夫訳)
ほかにいかなるしるしありや?
(コードウェイナー・スミス『スキャナー ....
彼には、入れ墨があった。
革ジャンの下に無地の白いTシャツ。
ぼくを見るな。
ぼくじゃだめだと思った。
若いコなら、ほかにもいる。
ぼくはブサイクだから。
でも、彼は、ぼくを選んだ。 ....
(短歌十一首)
いつの日か
あの青空をペンギンが
飛べる夢さえもぎ取られてた
底のない
悲しみみたいな雨が降る
夜に力に屈したやすらぎ
公園で
行列 ....
土留色のナイショが蠢いている
秘めごとを沢山食べて大きくなった
巨大な海鼠にも似たナイショが床を這う
ナイショの匂いは潮風のようだった
こんなに丸々と育ってしまったら
きっといつかバレて ....
{引用=
日々の蓄積された労働によって、もうすっかりとひび割れて、枯れきってしまった。そんな心の大地の奥底から少しずつ滲みでてくる、君という存在を知っている、ボクの中から生じられた、補おうとする水な ....
暗い目をして 海へ
暗い目をして ブツブツ云う
私を嫌ったひとは 嫌いかえしたいな
いつまでも好きと想うな 自惚れないで
わからないなら べつに良いけど
わからな ....
やまない雨はないけれど、
世界のどこかでは雨が降る。
たとえ地球の降雨量が
ゼロとなる瞬間があるとしても、
宇宙のどこかでは
絶対に雨が降っている。
硫酸の雨が、
鉄の雨が、
砂の雨が ....
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蝿の唾液の味というものは
全体にくぐもっている輪郭と
妙に痺れるようなさらりとした芯で構成されていて
鈍い光を反射する鉄釉の盃の縁を
六本の脚で複雑に
同時に滑らかなことこの上な ....
サルモ属には
キングサーモン、ピンクサーモン、シルバーサーモン、トラウトサーモン、スチールヘッド、チャムサーモン、アメマス、オショロコマ、イワナ、アマゴ、ヤマメ、アユ、ニジマス、イトウ、サツキマス、 ....
思い出の淡く儚いパンの匂い、空気を食べて生きて行きたい
生きている、世界はとても広いから僕の居場所もあるはずだから
中庭に舞い降りてくる星たちをふたりベッドで並んで見てた
....
風が吹く
青葉の音を聴く白昼
眩しさに負け目を瞑りつつ
海峡へ
飛ぶ蝶々が群れ舞って
螺旋の時間がぐるぐる回って
メロメロに
なりたい夜は懐かし ....
○「雨あがり」
罪咎のしるし
天から消えて
心も晴朗なり
○「火葬」
引き取り手のない遺体が
増えているそうだ
引き取り手のない遺体は
自治体が無料で火葬にしてくれるそうだ
入院 ....
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朝が来る
不鮮明に蓋をして
パンを食べて
珈琲を入れて
普通のふりをして
何もかも分からないようにして
口は何も吐かず
文字が頭を流れていく
雲を掴んで啜って飲み
訳が分からなく ....
私を嫌ったひとを 好きなのは
いつまでもつづく地獄の道なのか
わからないまま 忘れられないなら
忘れてはならないのだろうか
夜が好き
傷つくことが怖いのに
闇の匂いが ....
鬼の
仕舞いかたを忘れた夜に
やっと帰り着いて鏡をみるときには
ぜったい
泣くな!
絶交
とか懐かしい言葉の響きだなって
ほろほろ する
さみしさも
....
首周りが
ちょっとだけ寒い
ストリート歩く バイト帰り 朝焼け
カラン!
とどこかで空き缶転がる音が鳴った
生きること
前を向くことあゆむこと
風に向かっ ....
虹鱒はほっこりと
ヤマメはとても繊細で
イワナはホロホロと
みなそれぞれの味がある
ぼくは必要なだけで釣り終わる
1 歩いていった
ある台風の日、灯台が根本から消失した。台風が原因だと思われた。怪獣映画の冒頭のようだという者もあった。人々はそれなりに天の災いを恐れた。しかし誰も真実を知らぬ。灯台は歩いていっ ....
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