枕蹴飛ばされ地球も複雑骨折
私は 地獄通りの道を歩いている
「詩人」という、重荷を下ろせば きっと
地獄通りを 通らなかったに違いない
こんなにも暗く、高潔で、淫靡な道を
コトバだけで築き上げた 女の迷路からま ....
そして
翳りなく空はかがやきを増して
ゆくりなく月日をもちさる
あなたの舵でもって
トー
という音がきこえて
それは地鳴りのようでもあった
つられて飛びたつ鳥 ....
マイナンバーもう刺青にしてしまう
冬はなりたての死刑執行人
このぎこちない朝に
辺り一面に自らの恐怖をこぼしてしまう
例えばそれはつめたい雨のしみとして路上に
例えばそれは朝日の顫動として線路の途上に
世界が沈黙 ....
きみは
とてもきれいだから
それが理由で
いつか死ぬんだよ
うらやましいな、
冬の檸檬を
ひとつ
ポケットに入れている
きみの感性を
いつだってぼくは
軽蔑してます。
もうそろそろ
キンタマ王子にも
飽きてきたが
そんなことで止めると
世界キンタマ文学全集45巻に載らないので
2035年迄は続けたいと思っている
その頃には
キンタマ文学も
一定の評価 ....
維新から威信なくなりもう異心
月曜日の朝はよほど嫌な顔をしてるのだろう
だからか、いつもより少し長めのいってらっしゃいのチュー
それがぼくのビタミン愛
一握りの優秀な人間が
海外の安い労働力を使って
成り立っているのが
今の日本の製造業だ
日本に残っているのは
死にかけた老人か
使えないヤツだ
そして死にかけた老人や
使えないヤツばか ....
季節をなめらかに接続するもの
日の落ちる時刻を厳密に推移させるもの
樹の葉を色づかせ稲を実らせるもの
それがゆるしというひとつの着陸
世界にはあまねく壁がはびこり
次から次へと棘が生 ....
善人の振りして悪いことするヤツより
堂々と悪人として生きる暴力団員の方が
よっぽどイイと思ったキンタマ王子は
思い切って道行く人々の中から
平和をこよなく愛する
アホみたいな顔をした男女を選 ....
心臓の検査で二時間待たされた
結果説明をするのは
驚くほど穏やかな話し方の医師だ
この穏やかさは
草食動物がまどろんでいるかのようなぼんやり
草食動物が説明しはじめた
非常に穏やかにしかし ....
第二次世界大戦は未曽有の惨事で多くの人たちの心に傷を作った。単純に図式化すると、詩には二つの直行するベクトルがある。一つは、詩が実存や傷から垂直に表現されるベクトル。もう一つは、詩が言葉 ....
私はホームに立っている。線路越しに街道を行く人々が見える。私はこの一年半ですっかり表情が変わったことだろう。顔の造作というよりは、顔の語り出す意味が変わった。
就職してから、次から次へと ....
闇がさらけだされる
十三夜
君ものぞき見しているだろうか
つい。
その つい。が 火だるま状に なってくんだ。
あい。
その あい。が 雪だるまみたいに熔けてくんだ。
うん。
その うん。が 渦巻いてって とつぜ ....
切々と語られた悪夢に聞き入り笑いのツボを3つメモした
役作りうまくできそうにない人の言葉が尖り世界を語る
騙し絵のなかに入って階段をのぼり続ける 理解した上で
桁 ....
この凝固した時刻
叫び声は沈黙している
早朝は際限なく分解されていく
どこまでも微細に果ては無になるまで
今日死んでいく者たちへ
せめて初めましてと伝えたい
ただ出会うことが
....
ポタージュ 柔らかい母の手のひらが舞う
ポトフ 冬の楽しさテーブルを前にして
ミネストローネ 鮮やかな色は夕日のように
オニオンスープ 琥珀のぬくもり今日を慰める ....
風の車内に、
弾丸が飛び交っている。
女の鋭い視線に、
私の眉間は打ち負かされる。
ここでは、
誰もが皆、
小さなスライド硝子のなかに弾丸を隠している。
ある男は弾丸を飼っ ....
たくさんの街が存在すること
昨日 仕事帰りに職場の人と飲みに行った
焼き鳥屋の二階 座敷に座った
最近知り合った人たちは
それぞれに可愛か ....
スズや、スズ、と 呼べば白猫が一匹
呆けてしまった昭和の頭に 鈴の音だけでやってくる
年老いて逝く者の生きがいのために 孤独死を恐れてか
「アパート一室につき猫一匹飼育可能」、の高邁な ....
未来
くたびれた大きなバスが
大袈裟に息を吐き出して発車した
窓ガラスに映るのは
やはり同じようにくたびれた顔たち
拝啓、エメット・ブラウン博士
ここにはタイムマシンもなければ
そも ....
いやなけはいにみあげればすいたばかりの和紙みたい月が五線紙のような電線にひっかかっていてシがなっている苦い昼を閉じるため視線をずらしてソラみたことかとならしてみる今夜はおでんにしようかとわたしと大 ....
夜の粒が
とけだしてゆく
空の底は
うすむらさき色にゆるみ
未来が滴らした
おれんぢが
静かに攪拌されてゆく
ここは
宇宙の果てなのだ
あるいは
巨大なグラスに注がれた
....
死にたい時がある
別に構って欲しいわけじゃない
だれかにすがりたいわけでもない
誰も聞かなくていい
誰にも届かなくてもいい
ただ、そういう時自分は
死にたいんだな
....
キンタマ王子という名が
全国的に知られてしまったため
今までのように自由に行動出来なくなった
キンタマ王子は
東横インにチェックインする際に
生まれて初めて偽名を使った
中島みゆきの大 ....
夕月が
悲鳴をあげているような赤
骨の色に似た電柱の上で
闇のようなカラスが羽を休める
よどんだ、生温い空気の
送り主を忘れた鎮魂歌のような始まり
血液は半睡の眼と同じ ....
築十八年になる
カステラハウスと呼ばれる
小さな三階建ての家に住んでいる
毎週日曜日になると
潔癖症の夫と二人で掃除をする
掃除機を抱えて 嬉々と
バトルスーツをきた戦士のように
家 ....
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