意識こそ人だとしてもその数は常に身体よりも少ない なくしてしまった
兄の釣針を探しに
僕は海の底へと降りていった
そして針が刺さったかのように
姫と出逢い
糸で釣られるかのように
姫に惹き寄せられた
この海の底に
青々とした宮殿があっ ....
向こう岸に移る山崩れを即興する
格子の廊下の底が、またたくあいだに、
亡くなった人々が、浮かんできます

輸卵管から噴き出す、落葉樹の後にも先にも
無抵抗な琴線を生まれながらにして破れ
手 ....
夜の死顔は隠匿される
太陽による窒息死
視覚の分厚い曖昧に覆われて
悪夢の下着を脱いだ獣の顎骨から
乱立するギヤマンの伽藍
涸れた河床を磨かれた顔たちが遡上を始める頃
剥離した脱落者は紐で ....
寒いけれど
すがすがしい

冬の青空が広がっている

晴れた日には
必ずといって良いほど

謎の大型4発のジェット機が

まるで
異次元のトンネルから飛び出すように
上空の途中 ....
青瓷の封緘、奥に媚薬を少々
   瑠璃三鳥は粧し込む、殊にムクロのたましい
     金輪際 からくり時計の砂粒すら風花に充散る

それにしたって窮屈な匣である 「わたし」 は
どこへむか ....
 拍子抜けするほど弱い、暴れ出す癇声と、煮詰まった鍋底を浚う
 晩餐は肉体を静思し、絞り染めの疲労感がある。炎熱に筆を取る
 ガサツな渋柿をひとつ。盗み読む白湯から運動場までを切り抜ける疾風。
 ....
二〇一八年八月一日 「どくろ杯」


 いま日知庵から帰った。帰りに、セブイレで、きんつばと、玄米茶を買った。寝るまえの読書は、なんにしようかな。きょうのお昼には、金子光晴の『どくろ杯』のつ ....
おろしたての極点と銀の手は仮のものと氾濫する

丘の小股をすくい、
山なりの隆起を飛び越して、
うねりもたおらかな、てっぺんを砂上とする
秘められた悪辣な改竄を行う眺望の地に
合掌する沿岸 ....
冬に向かって息を吐くと
答えが返って来るのに
それを読むことは出来ない

誰かが私の本を
借りてしまったように

冬は長くて
マフラーをきっと折り曲げる

街を歩けば
イヤフォン ....
蒼き美しい馬よ
最後の飛行曲線は
その航跡雲によって
大空に刻み込まれ
いつまでも
消えることはないだろう

蒼き美しい馬よ
ありがとう
そしてさようなら
きみが蒼き鬣を
風に靡 ....
厚紙の病院ではやさぐれた傷みが 長椅子に寝そべり仮眠を取る

肋角の一粒を重ね冬季の余韻を造る 乳白色のシャッターが少し

補聴器を合わせたパンプスが ネオンサインにお喋りする瞬きに

行 ....
世間、世間、世間世間世間、あんたら世間好きだねぇ、世間っていったい何だい、そいつは実体のあるものかい?そんなにムキになるくらい、素晴らしいもんなのかい?まったくどいつもこいつも二言目には世間ってそ .... 穂渡りの君が
口笛を吹く

錦糸町にお蚕さんの面影を重ねてみる
ほら
そんなふうに季節を忘れた町に
探している何かを求めている
探している


穂渡りの君が
嘘をつく

 ....
雨上がりの後に時間があると

少女は
いつも散歩にでかける

行く先は
街の高台にある
見晴らしのよい公園

ベンチに腰掛けて
虹のでるのを待っている


今日もまた
い ....
軽石が 重荷になって 冬の海 二〇一八年六月一日 「断章」


断片はそれぞれに、そうしたものの性質に従って形を求めた。
(ウィリアム・ギブスン『モナリザ・オーヴァドライヴ』36、黒丸 尚訳)


二〇一八年六月 ....
真水に白線を正して、記憶が薄まるのを待つ
どうせ影は伸びて滲む
こたえは ひとつでなく
深層に寄せた若気も廃れ
丸裸の木の葉に、踏みしめて道とする。
しかし
ふくれている、あまざらしのさく ....
検査するごとに確実に上がっていく数値
体重
血圧
血糖値
尿酸値
胴回り
年金は上がらず
数値だけが上がっていく
自分の体の中で
僕の知らない異変が起きているって
よく考えるととて ....
水、の音をさがしている
  すっかり消えてしまった
   匂い、の足跡をたどれば

  猫が水をのむ

     舌が生きている
 手首から流れだす
   脈絡なく文脈もない
 ....
{引用=声の肖像}
どこかで子どもの声がする
鈴を付けた猫がするような
屈託のないわがままで
なにもねだらず行ってしまう

風がすまして差し出した
果実は掌で綿毛に変わる
ぱっと散った ....
シルエットのほうが美しい

とでも
言いたそうに
絵画のなかで

熱心に
シルエットを見つめているのは

シャルロッテに恋をした
ゲーテという詩人

若き乙女の
可憐なシルエ ....
隣り合う、背にして、ただ微笑む 貴腐の林檎がある

    あなたを犯している。影はもう捕らえられて、
         眩しくて、見上げることも、ない

     わたしは
     と ....
白い砂漠に
矢のような光が突き刺さる朝
摂氏五十度の砂嵐に
ラクダが弱音を吐く

そのころ
私たちの小さな家では
つば広の白い帽子を右手で押さえ
吹きあれる海を見ながら
女が
あの ....
育て上げられたダイヤグラムと、降り注ぐばかりの五線譜が射貫く
ひとつあわせのカルタ、破れにくい腐敗臭に流れ星をあてる、

菫色を広げた 地平線の証。戸口はしまり 小上がりに充満する 
劣情に横 ....
経済的に自立できない障害者にスーパーマーケットの惣菜の売れ残りを配る

おれは誰かを傷つける必要がある
真人間になるために
おれは瞬間接着剤を耳の穴に垂らす
音が聞こえなくなると
おれは善 ....
額に、頬に、指先、肩に、下腹に、クリームをすり込みながら、世界が嘘になった時のことを考えている。もしくは一時本当だった世界のこと。いま飾ってあるのは、八重咲きの小さいオレンジ色のすかし百合、白に赤 .... たった1。Cの寒暖差で
きみと僕のこころの隙間が
埋まらない

君と僕は似ていても
1。Cの差をゆずらない

修辞学を駆使しても水溶性の会話は
多様性の海に拡散してゆく

ノルウェ ....
とてもめずらしい光景が
竜王戦の第4局で現れた

終了まじかの大盤解説で
説明役のプロ棋士が混乱している

ふつう
投了の近い最終盤になると

不思議と
解説のプロ棋士の読みが
 ....
歯がゆいだけ うまれたがる。
砂で汚した濡れた未知。
モミジのように、
蜘蛛の巣に通りかかった、
天使はもとから羽根もない。

えんの下、指の股から、花が生まれていく
銭の視覚、とめども ....
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