たった1。Cの寒暖差で
きみと僕のこころの隙間が
埋まらない
君と僕は似ていても
1。Cの差をゆずらない
修辞学を駆使しても水溶性の会話は
多様性の海に拡散してゆく
ノルウェ ....
とてもめずらしい光景が
竜王戦の第4局で現れた
終了まじかの大盤解説で
説明役のプロ棋士が混乱している
ふつう
投了の近い最終盤になると
不思議と
解説のプロ棋士の読みが
....
歯がゆいだけ うまれたがる。
砂で汚した濡れた未知。
モミジのように、
蜘蛛の巣に通りかかった、
天使はもとから羽根もない。
えんの下、指の股から、花が生まれていく
銭の視覚、とめども ....
二〇一八年五月一日 「迷惑メール」
迷惑メールが何通もくるのだけれど、いま見たら、「ワンナイトラブでかまいません。」と書いて、女の名前で書き込んであるの。笑っちゃった。こんなメールに返 ....
四冠の誕生日プレゼントを
ありがとう
とは
師匠が自分の誕生日に
大変な偉業を成し遂げてくれた
弟子にむかっての
喜びの思いだが
まてよ
この日は僕の誕生日
師匠 ....
深く深く息を吸う
それで灰の海に飛び込む
薄明にも満たない冷たいだけのうねりに、
なんども溺れながら。
何処へ 向かおうと言うのだ
朽ち葉の思慮はない
ただふるえる筆に少し ....
○「生き方」
生きていくというのは
大変なことなのに
親も先生も
生き方については
教えてくれない
○「死の自覚」
1日1日死のゴールに向かっている
○「動物動画」
犬や猫の ....
随分と明け暮れた
袖が長くなった
言葉は短く
体毛は薄く白く
はかないものに近づいていく
そんな母に高齢の魔女たちが詰め寄り
うらみつらみの思い出話に花は咲かずに散りしきる
というよ ....
朝五時半に起きて六時に県外の医療センターまで
人間ドックに車で出かけ七時頃に着いた
受付の人の言葉遣いを聞くと
異国にきたような気分になる
受付をすますといつものようにトイレに尿とりにいった
....
最近
ライカの70年も前のレンズに夢中になっている
ズマリットという名前だが
現代のレンズでは決して得られない
その写りが面白い
プロの女性写真家が
好んで使うようになってから ....
朝
僕たちの半分は 燃え残り
がらくたを 集めはじめた
不完全なまま 笑ったり
食べたり 愛した
頂点の すこしだけ手前で
自我をもった がらくたが
誰かのかわりに 泣きはじめた ....
{引用= 我が友、田中修子に}
時折西風が吹く
そして天使が笑ふ
するとさざ波が寄せ返し
沖を白い帆が行き過ぎる
砂に埋れた昨日の手紙を
まだ浅い春の陽ざしが淡く照らす ....
風を食べていた鳥は
夢を食べはじめるようになってから ずっと
腹をすかせ
風は
その鳥を食べたせいで
空を吹けずに
地を這うようになった
たくさんの綻びた男たちと
肌をあわあせてき ....
切通しを歩いていった
母と二人で
縁切り寺もあった
夢の鎌倉で
屋台では
地球駒が不思議な同心円を描き廻っていた
眠り駒……
わたしはその時、
じぶんが自分であることに ....
煙突のチューブから
青空のキャンバスに向かって
どんどん飛び出してくる
真っ白い雲たちは
目の前で生まれていても
いつも空高く
昇れるわけじゃない
飛行機がつくる
飛行 ....
二〇一八年四月一日 「孤独の円盤」
きょうから河出書房新社の奇想コレクションシリーズの第2弾、シオドア・スタージョンの『不思議のひと触れ』憶えているのは、異色作家短篇集の『一角獣・多角 ....
日の射さぬ海底を鉛筆で丁寧になぞる、
トレースされた神話の時代より
飛び立てないよう羽根と契る、
いや、解かしてしまった
赤く黄色く様々なひかりを焼き付けるように
栞にした
張力
こ ....
秋も次第に深まって
桜の紅葉が美しさを増してきた
少し離れた場所にある
桜の木には
優しい陽の光が満ちあふれ
ひときわ
その美しさを際立たせている
さっそく
望遠レンズ ....
なんて原始的なんだろう
と
空に浮かぶ雲たちがささやく
それに
値段も八千万円近くと
普通の人間にはとても買えない価格だし
まあ
空を飛ぶ車よりは
ちょっとマシかな
....
目元が有村架純に似てるって
あなたに言われたとき
良かったと思った
だって先生に
そうお願いしたんだから
手術の翌日に
私はすべてのアルバムを燃やし
画像ファイルを消した
例え誰か ....
二〇一八年三月一日 「ぼくは、あなたの大きなおっぱいで終わりました。」
きょうも寝るまえの読書は、チャールズ・ボーモントの短篇集『夜の旅その他の旅』のつづき。なんか40年とか50年まえの小 ....
とろりと金色の滴りは オリーブや椿や葡萄の種から得たもの
蓮から採った精の封を切り ボウルに張った油におとす
傷を いつくしむこと
じくじくと痛む恨みを切りひらけば
妄念の脂が現れ 穢 ....
おや
また5分くらい狂っている
これで買ってから2回目となるけど
原因ははっきりしないが
電波時計が狂うと厄介だ
デジタルの置時計なので
いちいち合わせ直すのが面倒だし
....
夢ひとつ羊雲のように
愛はひとつも翻訳されないままに
出版されない無数の文学たちが
ちいさな夜に点滅しては消えてゆく
すべての作品の消失点が世界を成すならば
僕も世界の一部なのかもし ....
朝早い
日の出から間もない頃
まだ
昇りきらない太陽目指し
2つの飛行機雲が
まるで
太陽を射抜こうとしているように
長くながくのびている
流れる雲より高く
気持ちよ ....
時々
渦卷くこともある
珍しく話が合うわ
でも
「これから」なんて信じない
風のようなふたり
ただ、辻で會って別れた
二〇一八年二月一日 「無限がいっぱい」
塾が終わって、日知庵に行ったら、シンちゃんさんご夫妻と友だちがいらっしゃって、そこからガブ飲みに。きょうも、ぼくはヨッパで眠る。眠るまえの読書は、ロ ....
釣った魚にエサはやらない
なんて
まだマシなほう
デジカメの純正バッテリーや充電器の
バカ高いのには呆れてしまう
を
通り越して
怒りさえ覚えてしまう
デジカメ本体 ....
青空が言っている
死はここにあると
公園のベンチから立ち上がって
探しまわる
散歩のひと
ランニングのひと
子を連れたひと
また
ひとばかりさがしている
誰にも会いたくないの ....
秋はまだ
始まったばかりなのに
冬のような寒さをつれて
すさまじい嵐が吹き荒れる
山の天気のように
目まぐるしく変わる空模様
黒々とした雲が
あっという間に通り過ぎ
か ....
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