アルペジオから始まる朝
はじまりを待つ、密かな胸の鼓動
流されることを良しとせず
ぐっと、吊り革をつかむ
誰かのせいにしてくたびれた靴で
いまも夢のつづきを探してる
例えばそれが、がらくた ....
迷宮(ラビリンス) 彷徨いながら 刻み込む 運命(さだめ)の女 古(いにしえ)の海
突き抜けて 鎌倉の蔵 恋時雨(しぐれ) 見守る仏 細波(さざなみ)の夜
縁結び はっと我に ....
冷たい直線が
流れていく
今日は朝から
ろれつが回らない、
白い紙へと
その先に長く続く
生物の住めないプール
それは時計にある
二つの瞳孔
人が唇を触りながら
ゆっくり ....
ストロベリーとカスタード
生クリームにマスカルポーネ
いちばんカラダが甘くておいしい
スペクタキュラス、インテグラル
五反田のペントハウスでクンニリングス
ゴーヂャスに裏さびれたお肉の宴
....
{引用=壱}
部長失踪
「たいせつな家族を探してください
栗色のロングコート・チワワ2歳、名前 部長
狛江市と調布市の境近辺で行方不明になりました」
雨上がりの駅前、電信柱にカラーコ ....
この夏何匹のミミズが死んでいったのか考えています。
死んでから干からびたのか、干からびたことで死んだのか、
そういったことです。
それは世界の秘密、
幼いころはどんなことでも秘密のように感じて ....
泥沼に花を咲かせた
得意にもなった
昂揚にも満たされた
泥沼だからこそ
こんな綺麗な花が咲いたのだと
話してあげたくなって
ゆくひとすべてにそうした
花が咲い ....
降下した米兵を殺してロープに繋ぎ
歌いながら曳き回すモガディシュの人々
襤褸さながら転々する、頭のもげた死体
Mercy
蹴倒され髪を掴まれ哀号と泣き叫び
腑抜けのように脚を開いて
日 ....
辞職願には「一身上の都合」とだけつつがなく書いたものの、本当の理由は「生きることによる倦怠感」であった。生きる、という本質的な目的がわたしの中で、ピントの合わない眼鏡をかけているように、急にぼやけて ....
一日中 しとしとと降り続いた雨ははたと止んでいる
ガラス越しに稜線が見える
夕焼けに染まった稜線
砂漠の上をラクダがとおる
ゆっくりゆっくりラクダは右に動く
あまりに美しく あまりにも悲しす ....
ひとつだけほんとうのことを入れて
あとは架空のことを書いてみる
ほんとうのことは
架空を補強するパーツになっていたり
まったく違う意味合いになっていたりする
そんなとき詩 ....
■1
少女は握る手鏡に
映した顔を
正面から
斜めから
上目使い
下目使い
順ぐりに眺めまわしたあとで
呟きました
「こんなの あたしの顔じゃない
....
何週間ぶりだろう。夜、走りに出かけた。
走り出して直ぐに気がついた。季節が変わった、と。アップダウンの多い住宅地の間、短い間隔で等しく並んだ蛍光灯の光が緑色を帯びているように見える。敷地に植えら ....
愛しい人の
前にいると
鼓動がトトトト、ト と
ミシンのように
動き出す
愛しさへ向かう
なかに
なにかを
縫い合わせていくのね
スカートが
できるなら ぐるりと
花を
....
まっしろなノートを脳内に広げ
インクの切れたペンを端に置く
そしてそうっと目を閉じた僕は
誰かが喋ってくれるのを待つの
僕の中には何人かが住んでいて
僕はオンボロのアパー ....
3寸のおおきさで
生まれたわたし
お嫁にいきたく
ないです
と、
もういちど
竹の中にもどれれば
いいけれど
それはどうにも
無理だから、
月を見ながら
涙します
ここにいたいと
涙します
泣いた方がいい人っぽく見えるよ。オススメ。
アバ ンストラッシュ とか
トリニダー ドトバゴ とか
うっかりうっかりうっかりうっかりうっかりうっかりうっ
かりうっかりうっかりうっかりうっか ....
最近アドバルーンを見なくなったね
そう君に言われるまで
アドバルーンと言うものの存在は
すっかり忘れていた
子供のころは百貨店や
ショッピングセンターの屋上
たまのイベントなどでしばし ....
■1
こころを見られるのが
恥ずかしくなった
だからなんとか隠そうとして
まわりに壁を作っていたら
こころのやつ
どんどん どんどん
膨らんでいって
壁は
....
清水昶氏の、デリカシーのない発言を禁止している掲示板「新俳句航海日誌」で、2000.10の頭に、お父上の清水武夫氏の詩集「火の学会の着席順(1974.3.30発行)」に残部があるので欲しい人は連絡く ....
ひとり酒は 心をさます
今宵だけ つきあってあげる
あたいの温もり すこしあげる
腹実る夕暮れと
秋に焼かれる日は
何枚かに下ろされる日です
それは何でもない日のことらしいです
南下してきた陳列を
剥ぎ取ってしまえば
口口に言う
あの子の脚は
絶妙なのだと
....
ある日僕は、偽善をした。
ちらほらと雪のぱらつく、浅草で。
*
ふたりの女を、愛しそうになっていた。
ふたつのあげまんを、雷門の近くで買った。
*
地下 ....
大学のころ
ニュージーランドにひとり旅をした
レンタカーに寝泊まりし
ほんとテキトーに島を巡った
ときどき安宿にはいりシャワーを浴びた
クジラを見つめているとかいう
....
まんべんなく塗り潰された
午後からの狂想はふたなりだ
気分次第で
どんな快楽にも飛べる
吐き出すも飲み込むもお手のもの
トップレスの神官はすでに出来上がっていて
....
いつもの帰り道を
いつものように歩いていると
知らない道を歩いている
どこかから寝息が聞こえるので
誰かの夢の中だとわかる
寝息を頼りに知らない道を歩いていくと
知らない家にた ....
伯父は
酒に酔うといつも僕を責めたて
僕も内心で怒りながらそれらを無視し続けた
伯父は僕の生き方が気に食わなかったし
僕が内気で口数の少ないことが更に腹を立てた
あるとき伯父は
....
ハレヤカな日は
ハレルヤ
アレルヤ
金も地位も無くし
しょんぼりしていた
マイダーリン
人間性同様
みるみる
ちっちゃくなった
うなだれた彼を
洗濯バサミでつまんで
....
{画像=101015121000.jpg}
君はどこに行っていたのと
神話が問いかける
ここまで
ずいぶんと時間をかけて
きたのに
ほんのちょっとの不在で
だいなしにしたね、と
....
水は重く、水は重く
地に深く沈みこんでいる
岩陰に臍のように窪んだ一角
降り井戸の底の暗がりに残された一匹の
赤い鎧を着た魚
地の底よりふたたび湧き出してくるものを
みつめる黒 ....
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